甘いかき氷に酢醤油がマッチ?山形県山辺町の「すだまり氷」
8月も後半に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。暑い日に食べたくなるものといえばかき氷。最近は趣向を凝らした豪華なかき氷を提供するお店も増えてきました。山形県山辺町では、酢醤油で味わうご当地かき氷「すだまり氷」が人気です。8月19日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、この「すだまり氷」について、山辺町観光協会事務局の廣谷珠奈さんに話を伺いました。
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「すだまり」とは、酢醤油のこと。すだまりをかき氷にかけたものが「すだまり氷」です。
作り方はとても簡単で、好みのシロップをかけたかき氷に、好きな量のすだまりをかけるだけ。
いちごシロップのかき氷にすだまりをかけるのが定番ですが、いちごに限らず、好みのシロップにかけてもよいそうです。
つまり「すだまり氷」とは、氷の上にただ酢醤油をかけたものではなく、シロップのかかった氷の上に酢醤油をかけたかき氷を指します。
酢と醤油の「山辺流黄金比」
酢醤油の量は厳密には決まっていないそうですが、くるっとひと回しがおすすめとのこと。
最初は少なめにかけて、足りない場合は後から「追いすだまり」をして食べると、最後までおいしく味わえるそうです。
酢だまりの酢と醤油には「山辺流の黄金比」があり、その割合は「酢7」に対して「醤油3」とのこと。
廣谷さん「酢は多すぎても少なすぎても味のバランスが崩れてしまいますので、酢7に対して醤油3がおすすめです」
暑い夏にぴったりの味
酢の割合が多いと聞くとかなり酸っぱいかき氷なのかな?という感じがしますが、実際はどうなのでしょうか。
廣谷さん「ちょっぴり甘じょっぱくて甘酸っぱい、さっぱりした味になります。暑い夏にはとてもぴったりの味だと思います。例えるならリンゴ酢とかの果実酢のような感じです」
シロップの甘さに、爽やかさが加わる印象です。
廣谷さんが好きなのは「いちごシロップ」にすだまりを合わせること。
どのお店でも提供している定番の味だそう。
「すだまり氷」の始まり
その昔、かき氷を出すお店では、ところてんを出していたところも多く、ひどく暑い日には、酢醤油のかかったところてんに、かき氷を加えて食べていたといいます。
これが「美味しく暑さをしのげる」と評判になり、いつからかかき氷に酢醤油をかけて食べるようになったのが「すまだり氷」の始まり。
また、戦後の物資が乏しかった時代に高価な砂糖はなかなか手に入りづらかったため、無料の酢醤油をシロップ代わりにかけて食べ始めたという説もあるそうです。
醤油は「たまり」と呼ばれていて、それに酢を加えた酢醤油ということで「すだまり」と呼ばれるように。
それをかけて食べるかき氷なので「すだまり氷」という名前が付いたそうです。
しかし「なぜ山辺町で誕生したのか」という具体的な経緯は不明なのだそう。
現在、「すだまり氷」は山辺町内の5店舗で提供中。自宅用に「すだまり」だけを販売している店舗もあるそう。
ご当地かき氷のイベントへの出店もしているとのことです。
「山辺さ遊び来てけろなー」
最後に廣谷さんからメッセージです。
廣谷さん「まだまだ暑い日が続きます。山辺を代表する伝統的なかき氷で、町民に愛され続けているすだまり氷を食べて、暑い夏を乗り切っていきましょう。
かき氷に酢醤油と聞くと戸惑う方も多いと思いますが、実は以前あるイベントで、すだまり氷を無料で振舞った時がありましたが、すぐになくなってしまいました。
食べた方から『意外といける』『クセになる』といった感想をいただいていたので、東海エリアの皆さんも、ぜひ一度すだまり氷を試していただきたいと思います」
9月15日(日)に山形県で開催される「日本一の芋煮会フェスティバル」に山辺町のブースを出展し、「すだまり氷」の無料振る舞いを行うそうです。
廣谷さん「ぜひこの機会に、山辺さ遊び来てけろなー」
新感覚の「すだまり氷」、気になる方はぜひ山辺町へ足を運んでみてください。
(minto)