歴史から紐解く、ラムネとサイダーの違い
全国各地で行われている夏祭り。会場でついラムネを飲みたくなる方も多いのではないでしょうか?『CBCラジオ #プラス!』の火曜アシスタントを務める山本衿奈も最近ラムネを飲んでいて、ふと「ラムネとサイダーの違いは何?」と疑問に思ったそうです。そこで8月6日の放送では、ラムネとサイダーの違いについて紹介しました。
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ラムネとサイダーの歴史から紐解いていきます。
まずラムネの語源は「レモネード」。日本に来たのは1853年、ペリー来航の時です。
当時の中身はレモネードで、瓶はビー玉ではなくコルクで栓をして蓋をしていました。
しかしコルクでは炭酸が早く抜けてしまう理由から、ビー玉で蓋をする手段が開発されます。
当初、瓶は日本発明ではなくイギリスで生産しており、イギリスから瓶を輸入してラムネを作ってました。
やがて日本でも瓶が作られるようになり、ラムネの瓶にレモン風味の炭酸水を入れて販売していたということです。
一方サイダーの語源は林檎酒の「シードル」。
明治時代にアメリカで王冠の形をした瓶の蓋が発明され、サイダーも王冠の蓋を採用しました。
それに伴い、王冠の瓶に入ったリンゴ味の炭酸水を「サイダー」、ビー玉入りでレモン味の炭酸水を「ラムネ」と呼んでいたそうです。
つまり、当初のラムネとサイダーは見た目も味も違っていたのです。
違いは味じゃなくて容器!
当時、日本では炭酸水と言えばリンゴとレモン味のみでした。
しかし年月とともに様々な味の炭酸水が発売され、多様化したために境界線が曖昧になりました。
そのため現在ではビー玉入りの瓶に入った炭酸水=ラムネ、それ以外=サイダーと区別されるようになりました。
容器で区別されるので、ラムネもサイダーも中身は一緒です。
買ったラムネをコップに移せばサイダーに名前が変わるということでしょうか。面白い歴史を辿っていますね。
ラムネが海外でも人気に
今ではラムネは日本特有のものとなっていますが、最近では海外でラムネが人気になってきています。
2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことをきっかけに、日本のものが見直されました。
そこから徐々に世界でもラムネの人気が出始め、今や日本で作ったラムネの9割が海外に輸出しているデータもあるということです。
コロナ禍が影響し、日本でお祭りが減った時にラムネ生産者が海外に目を向けたことも人気のきっかけのひとつでした。
最近は日本でのお祭りの数もコロナ禍前に戻り、日本からと海外からと需要が増え、供給が追いついていない状態になっているほど。
ラムネの瓶自体が足りない状況にあるくらい世界的に人気です。
もしかすると向かったお祭り会場ではラムネが売り切れているかもしれません。
手に入れた時には童心に帰ってラムネを楽しみたいものです。
(ランチョンマット先輩)