意外!消費者金融の社員も借金にハマりやすい
『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)の1コーナー、「ズバリこの人に聞きたい」では、話題の本の著者にパーソナリティーの北野誠がインタビューしています。7月13日の放送で取りあげた本は、『消費者金融ずるずる日記』(フォレスト出版)。著者の加原井末路(かばらいすえみち)さんは90年代半ば、30歳の時に消費者金融の社員になりましたが、この本では50歳で退職するまでに目撃したさまざまな人間模様を綴っています。
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加原井さんが入社した頃は貸付基準が今よりも緩く、借り手側のハードルは低く、業界にとっては景気の良い時代でした。
その後、2010年の法改正施行を経て、厳しい時代となっていったので、加原井さんは業界の栄枯盛衰を見てきたことになります。
まずは、特に延滞している方と接する業務に携わっていた加原井さんだからこそよくわかる、消費者金融にハマりやすい人の特徴を挙げました。
1つは欲望に忠実な人で、食べたいものを食べて着たいものを着て、乗りたい車に乗る、見えを満たしたい人が多いとのこと。
何度電話しても連絡がつかないので、休日に直接行ってみると、「なんとか返します」と場当たり的な回答をし、中には家にはおらず、近所の焼肉屋にいたという人もいたのだそうです。あくまでも自分のお金は確保したいようです。
取り立て側も借りる側に!?
多重債務になればなるほど、借りているという感覚が麻痺していくようで、典型的なのが消費者金融のカードを作ってお金を得る場合、お金を「借りる」ではなく、「下ろす」と言うそうで、借金という認識が薄いのかもしれません。
実は著者の加原井さん本人も多重債務者になった経験があるそうです。
大きなきっかけは転職によって収入が下がったことですが、後輩を誘ってお酒を飲みに行くのに使うなど、借り手と同じく、自分の口座のように思ってしまったのだとか。
こうした消費者金融に勤めながら借金するケースは意外と多いそうです。
消費者金融の会社に勤めているからこそ、これぐらいなら借りられて返していける、債務整理などの逃げ道をよく知っているからというのがあるとのことです。
借金生活から抜け出す方法
多重債務など多くの借金を重ねた場合「そこから抜け出すのはなかなか難しい」と語る加原井さん。
加原井「もし抜け出したいなら、私もそうでしたけど、いっそのことブラックになるというのも1つの方法だと思うんですね。
カードを作れない、借りられない状況になれば、そうなった時はそうなった時で、なんとか普通に生活できますから」
ただ、車を利用している人にとって、ETCレーンが使えないのは不便かもしれません。
多重債務を乗り越えた加原井さんが一番学んだことは「この歳になってからかもしれませんが、足るを知るというか、余計なものはいらないので。食べられるものは食べられて、寝るところがあればいいか、という境地にやっとなったというところです」と語りました。
借金に限らず生き方にも関わってきますが、ある程度の年齢になってきたら、自分ができる範囲を知ること、過剰な欲を持たないことは大事かもしれません。
(岡本)