リノベーションするなら今年中?その理由とは
CBCラジオで放送されている『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」では、貯蓄や税金などお金にまつわる疑問やお悩みを募集。小宇佐(こうさ)・針田FP事務所のファイナンシャルプランナーが回答しています。7月1日の放送では、リノベーションに関する規定が変わるという話題について、針田真吾さんが解説しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く家のリノベーションが難しくなる?
今回取り上げたおたよりは、次のとおりです。
「両親とは別々に暮らしているのですが、実家が古くなったので両親はリフォームを考えているようです。
一方、私たちは今賃貸住まいなのですが、これを機に戻って二世帯で暮らそうかと考えています。
ですが、実家に戻るとなると、私たちの居住スペースも必要になるので、リフォームというよりも大規模なリノベーションが必要です。
両親にその旨を伝えたところ、地元の建築会社に相談に行ったようで、その際に『リノベーションの規定が来年から厳しくなるよ』と言われたそうです。具体的に何が変わるのでしょうか?」(Aさん)
家のリノベーションは、来年から難しくなるということなのでしょうか。
木造の建物は注意
針田さんは規定が厳しくなる理由として、来年4月からの建築基準法改正を挙げました。
実は2018年から弁護士会が伝えていましたが、ようやく施行されることになったとのことです。
現状、4号建物と呼ばれる木造平屋建てと木造2階建ての建物について、確認申請に関する規定が変更されるということで、これまでは大規模なものについても確認申請が不要だったのが、必須になります。
確認申請が不要ということは、ある意味かなり自由にリノベーションができていたのですが、確認申請が必要な分、制約がかかるというわけです。
家を建てる前にどのようなリノベーションをするのか説明した書類を出して審査を受け、OKになると確認済証というのがもらえれば、ようやく工事に取り掛かれます。
ただし、200平米以下の木造平屋建てについては、今後も不要とのことです。
確認申請が必要なケース
確認申請が必要となる大規模なリノベーションの具体例として針田さんがまず挙げたのが、スケルトンという骨組みだけを残して、あとはきれいにして立て直すもの。
他には主要構造部という、屋根や柱、基礎、壁、床の部分を過半で変更した場合も対象となります。
例えば外壁の塗装は大規模に当たらないのですが、張り替えは過半、つまり半分以上触ったという扱いになります。
屋根も塗装は大規模ではないですが、葺き替えは大規模という扱いになります。
ただ、キッチンやトイレなど設備の変更は大規模には当たらず、クロスについても下地がそのままなら良いなど、細かく規定されています。
立て直すと家が狭くなる?
では、実際に確認申請が必要となると、どのような影響があるのでしょうか?
一番は申請手続きが必要な分、工期が延びるということ。
さらに確認申請だけでも手数料が20~30万円ほどかかるそうで、工事費全体の金額も上がってしまいます。
また、確認申請には接道要件というのもチェックしなければなりません。
建物を建てる時は道路に2m以上接地していないといけませんし、道路の幅も4mなければいけません。
ただ、すべての道路がそこまで広いとは限らないため、狭い道路に接している方は、道路の中心面から2m下がって建物を建てなければなりません。
そうすると、立て直す際に家が狭くなってしまう可能性があります。
これは緊急車両を通すためで致し方のないところですが、来年以降にリノベーションをする際は、十分注意が必要なようです。
(岡本)