マイナ保険証への切替えに大反響。賛否を巻き起こす理由は?

マイナ保険証への切替えに大反響。賛否を巻き起こす理由は?

現行の健康保険証の廃止まで半年を切りました。多くのパブリックコメントが集まり、SNSでも賛否を呼んでいるようです。マイナ保険証に切り替わると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?6月29日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがマイナ保険証について解説します。

5万件を超えるパブリックコメント

今年12月2日に予定されている「マイナ保険証」への切替えに伴い、健康保険証は原則廃止になります。

SNSではハッシュタグ「#保険証を残そう」をつけた投稿が集まり、パブリックコメントは5万件を超えるなど、反響の大きさがうかがえます。

大石「いかに皆さんの関心が高いか。パブリックコメントはほとんど意見来ないんですよ。来ても10-20件くらい。なかなか万を超えることはない」

現行の健康保険証は発行されなくなり、「実質強制」的にマイナンバーカードと一本化することについては賛否両論があり、マイナ保険証に対する関心の高さがわかります。

改めて、マイナ保険証のメリットや問題点はどこにあるのでしょうか?
厚生労働省などのホームページをみてみると、まず医療費が20円の節約になると示されています。

大石「データに基づく、よりよい医療が受けられますよ、と」

情報提供に同意すれば、従来のおくすり手帳が不要になります。
既往歴など患者の情報を医師や薬剤師がスムーズに共有でき、手入力の手間が省けるためです。

医療機関には多くのメリット

こうした制度変更は医療機関にとってメリットが多く、災害時には特に恩恵が大きいことでしょう。

利便性が高いように思えますが、現在のマイナカードの利用率はたったの7%。

大石「最近病院に行くとマイナカードを持つことをやたら勧められる」

マイナカードを保有する患者数が増えると、利用患者数に応じてクリニック・薬局に最大20万円(病院は最大40万円)が支給されるため、医療機関は患者に声がけをしているようです。

また、各都道府県も利用率を公表するようになりました。
こちらも競争原理をはたらかせ、担当部署に普及を促進してもらう狙いがあるようです。

では、どうして利用率がなかなか上がらないのでしょうか?

愛知県保険医協会に現場の声を訊いた大石。
マイナ保険証に反対ではないものの「今年末の実現は拙速ではないか?」との見解でした。

個人情報が筒抜けのリスクも

暗証番号を覚える必要があるマイナ保険証。

高齢者の方は暗証番号を覚えられず、窓口で受診できないことにもなりかねません。
スムーズどころか、かえって本人確認に時間がかかるというトラブルも起きているそうです。
また、マイナカードを落としてしまうと、個人情報が筒抜けになるリスクも。

大石「本末転倒になるじゃないですか」

他には、利用者にカードリーダーの使い方を教える人員の配置や、機器・システムのコスト負担の問題もあります。

12月2日以降、マイナ保険証がなく、申請もしていない場合はどうなるのでしょうか?
この場合、資格確認書が交付され、それによって診療を受けることができます。
資格確認書の文面は「現行の健康保険証」と同じで、名称だけが変わったものになります。

大石「わざわざ発行して、それを送る。めちゃめちゃ金かかるじゃないですか?じゃあ、しばらく今のままでいいんじゃないの?と思うんですけども」

ちなみに、12月1日時点で有効な保険証は、最低1年間は使用可能とのこと(ただし、現行の保険証は今後発行されなくなります)。

考えてみると、もともと任意のはずだった保険証。
「使い勝手が悪ければ、利用率は上がらないだろう」と予想する大石でした。
(nachtm)
 

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