今が特に注意!怖い食中毒から身を守るには?
6月12日、愛知県刈谷市の飲食店で、22歳から58歳の男女12人がノロウイルスにより食中毒になりました。気温と湿度が上がるこの時期、どのように食中毒を防げばよいのでしょうか?15日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが食中毒の対策について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く6月からぐっと増える食中毒
愛知県刈谷市で発生した食中毒は、飲食店が提供した蒸し牡蠣を食べたことが原因で、このうち5人からノロウイルスが検出されています。
大石「6月から食中毒がぐっと増えてくるんですよね」
気温と湿度が影響しており、注意が必要な時期でもあります。
宮城県では、11日に魚介類による腸炎ビブリオの注意報が発令されました。
そもそも、食中毒とはどのようなものなのでしょうか?
ウイルス以外に細菌や有害・有毒物質が原因になる場合もありますが、いずれも症状は似通っていて、発熱・頭痛・嘔吐・下痢が主なものです。
今回、名古屋市などを取材した大石。
細菌による食中毒として、ひとつ目の例はカンピロバクター。鶏刺しや鶏わさなど、生肉や加熱不足の肉などで発生します。
大石「ニワトリの内蔵に生息しているようなんですよ」
加熱すれば問題ありませんが、捌いた包丁に付いて、肉の表面に付着することが原因になります。
カレーやシチューは早めに冷蔵保存を
ふたつ目は黄色ブドウ球菌。
「黄色のブドウ」の語感とかけ離れ「全く美味しいものではない」と大石。
お弁当やおにぎりで増殖しやすく、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を発生し、加熱しても影響は変わらないとのこと。
大石「お弁当、お子さんに持たせるときには保冷剤は必ず入れてくださいね」
3つ目にしょうかいしたのは、ウェルシュ菌。
人間や動物の腸管の中に生息し、カレーやシチューに発生することでもおなじみです。
学生時代に一人暮らしで作る食事といえば、カレー・シチュー・ポトフと振り返る大石。
作り方がある程度共通していて、違いはルーを入れるか入れないかくらいで、野菜も取れて手軽なメニューです。
大石「おそらくは、ウェルシュ菌がいっぱい発生していたと思うんですよ」
残ったカレーをそのまま放置すると、翌日には異臭が立ち込めていました。
とりあえずビニール袋で「臭いものに蓋をした」と大石。
大石「中見たらとんでもないことになってました…」
異臭に構わず、さらに1ヶ月放置したところ、生物に似たようなものがグチャグチャ湧いていたという苦い記憶が。
ウェルシュ菌は、カレーの温度が下がってくるあたり(30~40度)で特に増殖するそう。
クーラーをつけている室内(20度くらい)でも繁殖するため、カレーは食べたらすぐに容器に移し替え、冷蔵庫に入れるのが好ましいようです。
付けない、増やさない、やっつける
特にノロウイルスは口から感染する他、接触感染や飛沫・空気感染も。
有害・有毒物質からの感染もあり、例えばアニサキスなどの寄生虫からの感染や、観賞用の植物をこどもや認知症の方が誤って食べて感染することもあります。
「感染した人が触ったものにも気をつけるべき」と大石。
また、山菜を採りに行った方がキノコなどを食べて感染した事例も。食用の野草と確実に判断できない場合、食べないようにするのが賢明です。
大石「確信が持てなかったら食べない。人に渡さない」
実は、有害物質からの食中毒患者のおよそ半数以上は60歳以上だそうです。
食中毒にならないためには「付けない、増やさない、やっつける」が三原則。
消毒・手洗い・加熱をしっかり行い、食中毒を防ぎましょうと呼びかける大石でした。
(nachtm)