6月になって変わった&決まった制度。暮らしはどう変わる?
6月になって定額減税など、いくつかの新たな制度が導入されました。私たちの暮らしにどう関わってくるのでしょうか?6月8日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが今月から始まる新しい制度について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く「増税メガネ」のイメージを払拭?
今月から行政ではさまざまな制度に変更が出ています。
変わった制度のひとつが「定額減税」。
中小企業の賃上げ率は依然低いままで、給与から物価上昇分を除いた「実質賃金」は25ヶ月連続で減少しています。
そんな中で物価上昇対策として打ち出された「定額減税」は、毎月納めている税金が一定額減税されるというもの。
減税額は一人当たり年間4万円で、所得税が3万円、住民税が1万円控除されます。
大石「安心してください。納税者の方、対象です」
4人家族の例では、4万円x 4人で16万円の減税となります。
一方、非課税世帯は7万円の給付となります。
ちなみに、給与明細には「減税」としっかり明記することが義務付けられています。
大石「(現金給付の場合は)『岸田さん、ありがとうございます』ってなるじゃないですか?」
今回は給付ではなく減税なので、実感がわかりにくいもの。
国民に「減税されたことを実感してもらう」ためにわざわざ義務化したのだろう、と大石。
領収書の公開は…10年後
どうして、給付ではなく減税になったのでしょうか?
これまで「増税メガネ」と揶揄されていた岸田首相。
悪いイメージを払拭したかったのかもしれない、と減税になった理由を大石は推測します。
では、今回の減税で私たちの暮らしは本当に良くなるのでしょうか?
電気・ガスの補助金は終了しており、6月からの値上がりが決まっています。
政府は「燃料価格が上がってきたら対応する」というところに留まっており、減税で手取りが増えるとはいえ、家計の穴埋めとしては十分ではないかもしれません。
他に決まったのは、当番組で以前お伝えした「政治資金規正法」。
大石「すったもんだありましたね、自民党」
自民党と公明党で意見が食い違っていたのは、パーティ券の基準額でしたが5万円で落ち着きました。
一方、政策活動費は透明性を重視するため、領収書は全面公開されることになりましたが、問題はその時期。
大石「いつ公開するかと言うと…10年後!皆さん、忘れてるでしょ」
法律的には時効が成立しているケースが多いそうで、名ばかりの政策かもしれません。
「結局のところ、政治家のルールは第三者が作るべきで、政治家自身が作ってはダメ」と大石。
「子育て支援法」は少子化対策になるか?
また、児童手当の拡充を盛り込んだ「子育て支援法」が可決されました。
所得制限がなくなるほか、就労の有無を問わず保育園にこどもを預けられる「子ども誰でも通園制度」も始まります。
子育て支援法は、これまで「異次元の少子化対策」と銘打って奮闘してきた岸田内閣の肝いりでした。
ただ出生数は、最新の統計で過去最低の1.20と落ち込んでいます。
大石「これを本当に何とかしていかないと、日本、先細りしていきますからね…」
さらに、大石が注目していたヤングケアラー支援法も成立しました。
大石「親などの世話で、日常生活に支障をきたしてしまう少年少女がいま多いんです。生活費を稼がなければならない」
豊田市のある少年を取材したことがある大石。
少年は小学5年生くらいから、ほとんど学校に通えなかったそう。
行政の気づきによって食事や見守りの支援を受けましたが、こうしたこどもたちを指す「ヤングケアラー」はこれまで定義すらない状態だったのです。
制度変更により、ヤングケアラー支援の自治体間格差が解消されることを望む大石でした。
(nachtm)