若者の性を考えよう。名古屋・栄の「街角保健室」
『CBCラジオ #プラス!』では5月29日と30日、「街角保健室から若者の性を考える」という特集を組みました。「街角保健室・ケアリングカフェ」は1年ほど前から、名古屋の繁華街・栄で月に2回、夜7時頃から10時頃まで開催されています。ホストクラブやキャバクラ、コンセプトカフェなどが増えているこの界隈で「街角保健室・ケアリングカフェ」は性などの悩みを抱える10代の女性が相談しやすい場所となっているそう。今の若者は性に対してどのような悩みを抱えているのでしょうか?ここでは妊娠に関する問題を取り上げます。
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「街角保健室・ケアリングカフェ」を立ち上げたのは、愛知・思春期研究会の共同代表で愛知県内の高校で保健体育の教諭をされている中谷豊実先生と、同じく共同代表で咲江レディスクリニック院長、産婦人科医の丹波咲江先生。
まずは、丹羽先生に若者の性の現状について教えていただきました。
丹羽「よく性の二極化というふうに言われてますけど、性に対して消極的なのがメジャーではあります。
ただ少数なんですけど、マスコミでよく言われるホストに行ってしまうとか、ホストに入れあげるために援助交際をするとか、マッチングアプリで出会った人とセックスをするとか、あとは貧しさのためとか、お小遣いを得るために援助交際をするとか大変リスクの高い子たちは、一定数いますね」
現地へ足を運んだ永岡歩アナウンサーとCBC論説室の石塚元章特別解説委員も、ホストクラブの多さと、夜の遅い時間でも多くの若い女性がいることを実感したようです。
SNSで簡単に出会える弊害
援助交際は今や中学生のみならず小学生にも広がっていて、SNSで簡単に出会える上に知識もないまま付き合ってしまうことで、性被害が広がっているそうです。
丹羽「特に10代で目立つパターンは、マッチングアプリや援助交際で(出会って)妊娠をしてしまうと。
マッチングアプリとかSNSで出会って、SNSでの会話ではつながっているので、愛されていると思って、会ってすぐセックスをしちゃって、妊娠したらブロックされて連絡が取れなくなってしまう。
『パートナーのフルネームはわかるの?』と聞いても『わかんない』とか、『どこに住んでるの?』って聞いたら『このあたりとか』。人工妊娠中絶のパートナーの欄が空白の方が、10代の傾向として増えてます」
SNSだけのつながりだと男性は責任を負わず、リスクを負うのが女性だけとなってしまいますが、このようなケースは決して少なくないのだそうです。
妊娠に関する誤った知識
また、10代で妊娠する女性には、性に対する知識が非常に低い方がいるという現状もあるそうです。
丹羽「以前流産したことのある子で、まだ16歳なんだけど、生理が3、4か月来てないって言って、街角保健室で雑談している時にわかったんですね。
『1人目に流産した時は市販の風邪薬を大量に飲んだら流産したから、今回もまだ病院も行ってないし病院の診断も受けてないし、妊娠のどれぐらいの時期かわかんないけど、また風邪薬を大量に飲んだら流産すると思う』という子もいて。
もし赤ちゃんがいらないにしても、人工妊娠中絶って限界の時期があるんだよってお話ししたけど」
石塚「現在はすごく情報があふれていて、簡単に手に入って、しかもその情報が必ずしも正しくないものもあふれているのに、知識は身についていないっていうアンバランスは大きいですよね」
性教育はタブー視されがちですが、性の若年化が進んでいる中で、正しい知識を女性だけではなく男性にも教える必要がありそうです。
このあと、番組では性病に関するリスクや性教育の必要性についても取り上げました。
(岡本)