日本の奇妙な道 50年近くも分断されたままの国道152号とは
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。
今回は道マニア歴24年という鹿取茂雄さんが厳選した、静岡県と長野を結ぶ国道152号の「酷道」を巡ります。
酷道の定義とは?
鹿取さん曰く「酷道」というのは、「国の道でありながら、状態がひどい道を酷道と呼んでいて、国道ではない酷いだけの道は酷道と呼んでいない」とのこと。
また国が管理していながら、商店街になっている道など、珍しい状態になっている道も酷道なんだそう。
鹿取さんにとって酷道は、“道"を好きになったきっかけで、「道の中でも酷道は特に楽しい」と言います。
分断されている酷道152号
今回紹介している国道152号も酷道のひとつ。全長260キロある152号は日本でも珍しい、未開通の区間が二ヶ所もある「分断国道」といわれ、これが「酷道」と呼ばれる最大の理由です。分断されている箇所のひとつには「青崩峠」があり、これまで50年以上にわたって何度も道路を作ろうとしてきましたが、地盤が脆くあまりにも崩落が激しいため断念されてきました。
手前にトンネルを作り、別ルートで再挑戦しようと試みましたが、そこも地盤がもろく失敗に終わり、現在に至るまで52年間未開通となっています。
しかしそんな152号に今、希望の光が見えようとしています。技術の進化により未開通区間をつなげる工事が4年前から進められており、三遠南信自動車道として2025年に開通予定なんだとか。鹿取さんも「日本のトンネル技術がようやく勝てる」と開通を心待ちにしています。
青崩峠に実際にいってみると
鹿取さんは、青崩峠が一体どれくらい崩れやすいのかを実際に見に向います。車で行ける場所まで向かい、峠までは徒歩で向かいます。峠の入り口には「塩の道」と書かれている石碑がありました。
峠までの道は、浜松でとれた塩を長野に運ぶための重要な道だったとのこと。およそ500年前には武田信玄が討ち入りの際に使用されたという逸話もあります。今となってはただの山道ですが、酷道152号のルーツであると、鹿取さんは言います。
山道を進んでいくとようやく峠に到達します。崩れた断面が青く見えるため「青崩峠」と呼ばれたといわれ、実際に断面を見ると青っぽくみえます。青崩峠は長大な活断層により、地層が容易にズレるため崩れやすい特性があるようです。
(6月7日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より)