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かつて軍需品を製造する工場だった!?静岡県の石切場内に残る廃隧道を探索

かつて軍需品を製造する工場だった!?静岡県の石切場内に残る廃隧道を探索
CBCテレビ『道との遭遇』

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴20年の石井あつこさんが、静岡県にある“廃隧道”を巡ります。

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地図に載る石切場内の廃隧道

CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんが訪れたのは、伊豆半島の玄関口とも言われる沼津市。

(道マニア・石井あつこさん)
「沼津は漁業が盛んな地域だが、かつては副業で“石切(いしきり)”の仕事もしていた」

CBCテレビ『道との遭遇』

駿河湾に面し、古くから漁業が盛んな沼津市は、日本有数の漁港もあり、アジの干物の生産量は全国でもトップクラスを誇ります。

江戸時代、「伊豆石(いずいし)」と呼ばれる良質な石が取れたことから、漁の閑散期は副業として石を切り出す石材業が盛んでした。

そんな沼津市に…

(道マニア・石井あつこさん)
「石切場の中に隧道があって、今も地図に載っている」

石切場の跡地が今は地図にトンネルとして記されているのを発見した石井さん。現在は立入禁止になっている廃隧道を、今回は特別な許可を得て探索し、歴史の紐を解いていきます。

CBCテレビ『道との遭遇』

まずは、国道414号から多比(たび)の集落へ。廃隧道がある石切場跡に向かいます。

目的地に到着すると、「横線は石を切り出した痕跡」と石井さん。“凝灰岩(ぎょうかいがん)”と言われる切り出しやすく加工しやすい石だったそうで、「石を求めてどんどん内部に切り進んでいった」と言います。

CBCテレビ『道との遭遇』

また、この隧道は特殊な事情があって掘られた大変珍しいものだそうで…

(道マニア・石井あつこさん)
「石切場として使われていたのは大正時代ぐらいまでで、戦争が始まると、沼津にあった大規模な軍の設備を地下に移転しようという話になり、石切場として操業していて穴がたくさんある多比のこの場所が選ばれた。背中合わせの2つの石切場を掘って繋いで使えるようにした」

CBCテレビ『道との遭遇』

昭和16年、水中で音波を発して地形や敵の位置を探知する水中レーダーの研究所が沼津市に造られました。しかし昭和20年、この一帯は空襲に遭い、研究所も被害を受けることに。

そこで空襲を避けるため、研究所を地下へ移転することが決まり、その移転先として選ばれたのがこの石切場でした。当時、この石切場は尾根を挟んで2つに分かれていましたが、トンネルを掘削し、1つにつなぎ規模を大きくする計画を立案。

移転工事に合わせて開通させたこの隧道は、昭和20年7月から終戦の8月までのわずか1か月間で行われた突貫工事だったそうです。

軍需施設からきのこ栽培に転用された隧道の歴史

CBCテレビ『道との遭遇』

この廃隧道はかつて生活道路として使われていたのではと推測し、内部を探索することに。

廃隧道の内部は高さも幅もあり、「車両も通る想定で造ったに違いない」と石井さん。電気が通っていた痕跡や蛇口が残っており、さらにその先にはきのこポットも。

(道マニア・石井あつこさん)
「使われなくなったトンネルの再利用に、よく転用されるのがきのこ栽培。一定の温度で日光が当たらないので、ポットできのこを育てるのに適している。おそらく転用されたけど、廃業されてしまった痕跡」

CBCテレビ『道との遭遇』

他にも、古びた廃車に、階段や祠、分岐する道、水場や手漕ぎボートまで見られ、「とんでもなく広い」と言う内部をくまなく探索すること1時間。

明らかに人に利用され続けていた痕跡が見つかったこの廃隧道について、石切場の鍵の管理をしている桂林寺(けいりんじ)の住職にお話を聞くことに。

(桂林寺・住職)
「石を切り出すのをやめてから軍需工場にしようということで、朝鮮の人たちがいっぱい来て掘った。掘ったあとのズリ(=土砂)をこの上の土地に埋めて、今はそこに家が何軒か建っている」

多比の集落の一部は、石を切り出したときに出た土砂を埋め立ててできたそう。集落内にある石積みも、切り出した伊豆石を使っていると言います。さらに…

(桂林寺・住職)
「絶縁体の碍子(がいし)は、戦中の海軍工廠(こうしょう)の頃の痕跡。昭和50年頃には、あの場所でしめじを栽培した人がいた。車は、きのこ栽培の人たちが使っていたと思う」

CBCテレビ『道との遭遇』

戦後も様々な用途で地元の人達から利用されていた石切場跡。しかし、住職によると、生活道路として使われていたことはなく、石切場は地元の子どもたちの遊び場や大人たちの憩いの場として、地元住民に親しまれていたと言います。

CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんは、「石切場全体がトンネルとして地図に記されているのは、地上と地中の境界を地図上で明らかにする必要から、石切場の入口と出口が記され、トンネルとして記したのではないか」と推測します。

CBCテレビ「道との遭遇」2025年12月2日(火)午後11時56分放送より

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