浸水した立ち入り禁止の坑道に佇む“謎の鳥居”!?岐阜にあるかつての軍需工場を道マニアが紹介
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は特別企画!27年間にわたって全国のあらゆる道路を探索してきた道マニア・鹿取茂雄さんが、様々な事情で撮影許可が下りず、ロケでは行けなかった道を厳選。過去に個人で探索した“ロケでは行けないディープな道”を紹介しました。
浸水した坑道に鳥居!?稼働しなかった軍需工場の痕跡

鹿取さんが紹介するのは、3年前に許可を得て個人で探索したという岐阜県可児市(かにし)に存在する“謎の坑道”。「ロケの許可は下りなかったが、個人で行く分にはいいと言われた場所」と言い、坑道の入り口は封鎖され、普段は立ち入ることができません。
坑道の入り口には鳥居が。鳥居をくぐって中に入り10分ほど歩くと、浸水した坑道の先に古びた赤い鳥居が姿を現します。
また、中は迷路のように道が張り巡らされており、「鳥居の先にも、迷子になるくらいいっぱい坑道が続いている」と鹿取さんは言います。

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「これは戦時中に造られた坑道で、(敵から)見つからないように地下軍需工場として掘られた。飛行機を造る工場だったそうで、狭い坑道をたくさん掘ることで、いろんな作業ができるように無数の坑道が造られている」
可児市の東部地区には戦時中、三菱発動機地下工場という戦争に使う航空機のエンジンを製造する施設が点在しており、この坑道もその一部として造られました。しかし、工事が80%まで進んだ所で終戦となったため、一度も稼働することはなかったそうです。
山の上の神社と関係がある!?坑道に鳥居があるワケとは

では、軍需工場として造られた坑道に、なぜ鳥居があるのか?その理由を紐解いていくことに。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「坑道の上にある山には『天ヶ峯(てんがみね)稲荷神社』がある」
坑道の入り口の脇にある階段を登ると、山頂付近に「天ヶ峯(てんがみね)稲荷神社」があり、「神社で毎年7月に夏祭りがあった。それが深く関係している」と鹿取さん。

神社がある山の上だけではスペースが狭いため、坑道を有効活用した「洞窟夏祭り」が開催されていたそう。その際に鳥居も設置され、高さも幅もある坑道は多くの人で賑わいました。
地元の人たちから愛された洞窟夏祭りは、2016年の開催を最後に、39年の歴史に幕を閉じることに。同時に坑道も完全に閉鎖され、現在は崩落の可能性もあり危険なため、立ち入り禁止となっています。
洞窟で討幕密議があった!?逸話を調査

この坑道の場所にはもう一つ、驚きの歴史が隠されていたことを発見した鹿取さん。
(道マニア・鹿取茂雄さん)
「鎌倉時代に、神社の下の洞窟の中で鎌倉幕府を討幕するための秘密会議が行われていたらしい」
坑道の入り口付近には神社の由来が書かれている看板があり、「鎌倉時代、洞窟内で倒幕のための秘密会議が行われていた」と書かれています。
しかし、この洞窟は戦時中に坑道として掘られたものと言われているため、あまりにも年代がかけ離れていることに違和感を覚えた鹿取さん。真実を確かめるため、地元の郷土資料館や、可児市の歴史に詳しい方に相談し、調査をした結果…

(道マニア・鹿取茂雄さん)
「これまでなかった史料も新たに読み解かれることになって、本当に討幕の密議があったかもしれない、ということが分かった。ただ、それは坑道から少し離れた社殿の近くにある洞窟のことかなと」
鹿取さんが可児市の歴史に詳しい市議会議員から聞いた情報によると、坑道がある洞窟は戦時中に掘られたため、鎌倉時代には存在しておらず、可能性が一番高いのが、神社の真下にある小さな洞窟。

もともとこの洞窟は貫通しておらず、一方しか開いていませんでしたが、神事の場として活用するため、拡張して貫通させたとのこと。「昔は密議に適した小さい洞窟だった。この小さな洞窟の中で討幕の秘密会議をしていたのではないか」と鹿取さんは考察します。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年10月14日(火)午後11時56分放送より




