歩いて渡る海底トンネル!? 沈埋式で造られた日本最古の「衣浦トンネル」とは
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回はバイクで日本を2周したこともある道マニア歴26年の松村真人さんが厳選する、愛知県の奇妙な道“奇道”を巡ります。
橋桁を貫く八角形の歩道橋「江松歩道橋」
松村さんと一緒に旅をするのは、一般の女性。愛知の奇妙な道路“奇道”の中でも、松村さんが特に奇妙だと言う3か所の奇道を巡ります。最初に2人が訪れたのは、名古屋市中川区江松を走る国道1号沿いの道。
(道マニア・松村真人さん)
「上を通る名二環(名古屋第二環状自動車道)と国道1号が交わる所に、すごい道がある。たぶん、全国でここしかない」
現れたのは、国道1号のバイパスの路面を支える橋桁を貫くように設置された「江松歩道橋」。八角形という非常に珍しい形をしており、橋桁を2か所も貫いて歩道橋が造られています。
慢性的な渋滞に悩まされていたこの交差点は約30年前、国道1号を立体交差にして横断歩道を無くし、代わりに歩道橋をつける計画が立てられました。
しかし当時、上に名二環の建設が決まっていたため、その配置からバイパスと歩道橋の高さに差を作れず、橋桁の中に道を通すことになったそう。7年かけて順番に歩道を繋いでいったため、歪な八角形になったのだとか。
駅がないのに“駅前ロータリー”がある奇道
続いて訪れたのは、大府(おおぶ)市。県道50号から少し西に入ると…
(道マニア・松村真人さん)
「ここは、駅のないただのロータリー。(線路を挟んで)反対側にも同じようにある」
駅のない線路を挟むようにして、両側にロータリーが2つ存在しています。
約30年前に東海道本線の新駅を作る計画が立てられ、15年ほど前に先にロータリーだけが完成。しかし、駅はいまだに造られておらず、今後も進む目処は立っていないとのこと。
地元の方に話を聞くと、13年前にこの近くにあった踏切が撤去された影響で、反対側に渡るためには500m先の陸橋まで行かなければならなくなったそう。しかし、それを知らず線路の反対側へ行けると思って、このロータリーに入ってくる車は少なくないのだとか。
歩行者・自転車専用も!海底を歩ける「衣浦トンネル」
最後に訪れたのは、海沿いにある碧南(へきなん)市。衣浦(きぬうら)港には、碧南市と半田市を結ぶ、長さ1.7kmの“海底トンネル”があります。
(道マニア・松村真人さん)
「日本で初めて、地上で造ったトンネルを沈めて海底に造った“衣浦(きぬうら)トンネル”。沈めてから水を抜くと、中が道路になる」
この「衣浦トンネル」は、陸上で造った複数のトンネルを海に沈めて地上の道路と繋げる“沈埋(ちんまい)式”工法で建設され、昭和48年に開通。沈埋式で造られた海底トンネルとしては、日本最古だとか。
さらに、「衣浦トンネル」にまつわる道が奇道だと言う松村さん。「衣浦トンネル」には、車道と並行して“歩行者・自転車専用”のトンネルも存在し、車道とは別に歩行者・自転車専用の入口があります。
地下11階の場所にある歩行者・自転車専用のトンネルは、長さ480m。回り道することなく、海底を歩いて碧南市と半田市を往来できます。
12月5日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より