内部でレンガ製とコンクリート製に分かれる二股トンネルの謎 鉄道沿線ならではの特殊な道を巡る旅
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、岐阜県にある“鉄道沿線ならではの特殊な道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
「幅員減少」と「ト形道路交差点あり」で「ハト標識」に
東京駅から東海地区を通って兵庫県の神戸駅までをつなぐJR東海道本線。中でも、岐阜県には“沿線ならではの特殊な道”があると道マニアは言います。瑞穂市を走る県道171号沿いには、道マニアの間でファンが多いという通称「ハト標識」があります。
「幅員減少」と「ト形道路交差点あり」の標識が縦に並ぶことでカタカナの「ハト」に見え、条件を満たす場所にしか存在しません。
東海道本線が全線開通した明治22年、工事の影響で高架橋の下を走る道路の幅が狭まり、幅員減少の標識が設置されたことで「ハト標識」が生まれたそう。交通量の多い道路にも関わらず、突然センターラインが無くなり、対向車とすれ違いできないほどの道幅になります。
鉄道の下を斜めに貫く「ねじりまんぽ」
大垣市新開町には、東海道本線の下を斜めに貫くトンネル「甲大門(こうだいもん)西橋梁」があります。
トンネル内は、レンガが横に整列している下部に対し、上部はレンガが斜めに積まれてねじれているという珍しい構造。“トンネル=まんぽ”がねじれた構造をしたこの「ねじりまんぽ」は、全国に30か所ほどしかないそうで、特殊なレンガの積み方で強度を高めています。
東海道本線開通より前から八幡神社に繋がる参道として使われていたため、線路の下を斜めに貫いてまで維持させたのではないか、と道マニア。「甲大門西橋梁」は明治20年(1887年)に竣工し、その先には八幡神社の立派な鳥居がそびえ立っています。
造りが違う不思議な構造の「宮東橋梁」
「甲大門西橋梁」のすぐ東側には、鉄道の下に2つ並行したトンネルが存在。道路と水路で二股に分けられたこの「宮東(みやひがし)橋梁」は、北側はレンガ、南側はコンクリートと造りが違う構造になっています。
「宮東橋梁」の近くには、旧揖斐川橋梁と現在の揖斐川橋梁が並行して架かっており、揖斐川橋梁を鉄道が走ります。東海道本線(揖斐川橋梁を含む区間)が開通した明治20年当時、かつての揖斐川橋梁が架設されましたが、東海道本線の複線化に伴い廃止に。昭和30年代に現在の揖斐川橋梁が建設され、線路が切り替えられたそう。
橋に近い「宮東橋梁」だけ線路幅を確保するため、コンクリートで付け足したのではないか、と道マニアは言います。
10月10日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より