堪え難い激痛「痛風」…夏に急増!?女性も注意!専門医に学ぶ「尿酸コントロール術」

2023年7月2日(日)放送 【第562回】
堪え難い激痛「痛風」…夏に急増!?女性も注意!専門医に学ぶ「尿酸コントロール術」

サマリーSummary

ゲスト:高島礼子
ドクター:両国東口クリニック 内科医 理事長 医学博士 大山博司
足に堪え難い激痛を伴う病「痛風」。患者は年々増え続け、予備軍も含めると1000万人以上。お酒を飲まない人や女性も油断は禁物なのだとか。特に夏場は、痛風の引き金となる尿酸値が上がりやすい傾向にあり発症する人が急増するそうです。そこで今回は、まだ発症していない人も必見!痛風を防ぐための「尿酸コントロール術」を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
MCは坂下千里子さんです。
ドクターは 両国東口クリニック 内科医 理事長 医学博士 大山博司先生です。

今回のテーマは「〜夏に発症する人が急増!?〜女性も注意!“痛風”対策

足に堪え難い激痛を伴う病「痛風」。患者は年々増え続け、予備軍も含めると1000万人以上。お酒を飲まない人や女性も油断は禁物なのだとか。特に夏場は、痛風の引き金となる尿酸値が上がりやすい傾向にあり発症する人が急増するそうです。そこで今回は、まだ発症していない人も必見!痛風を防ぐための「尿酸コントロール術」を専門医に教えてもらいました。

痛風について

先生によると、痛風は食生活や運動習慣など、様々な原因で起こる病気。女性でも起きる事があるので、自分は関係ないと決して侮れないそうです。

<痛風を発症する引き金「尿酸」>
痛風の引き金となるのは「尿酸」で、尿酸の大元は「プリン体」という物質だそうです。プリン体は、肝臓で分解され尿酸となって尿や便と共に体外に排出されます。ところが、作られる尿酸が多かったり、排出される量が少なかったりすると血液中に増えてしまうのだとか。尿酸の正常値は7.0mg/dL以下。これを超えると痛風が起こりやすくなるそうです。

<尿酸値が高いと何が起こる!?>
尿酸は血液の中で溶けるそうですが、尿酸が7.0mg/dLを超えると溶けきれずに結晶化しやすくなるそうです。この溶けない尿酸の結晶が、痛風の痛みの原因。尿酸の結晶は足の関節部分に溜まりやすく、運動などをキッカケに結晶の一部が剥がれ落ちると、それを敵と見なした白血球が攻撃。痛みの元になる炎症を起こしてしまうのだとか。先生によると、痛みの出る場所として多いのが、足の親指の付け根などの足。それ以外に、手や肘に痛みが現れる場合もあるそうです。

<尿酸値が高いと危険な病に!?>
尿酸値が高いと、血管の内皮細胞に炎症が起きる事があるそうです。すると、高血圧や動脈硬化、糖尿病などにつながる恐れもあるのだとか。さらに、尿酸値が高いままだと徐々に尿酸が腎臓に蓄積。負担がかかり、腎障害や腎不全などの合併症に陥る事もあるそうです。

夏になると痛風患者が増える!?

夏は、痛風を発症する人が多いといわれています。先生のクリニックで集計したところ、6〜8月に痛風の発作を起こす患者さんが多かったそうです。

<夏に尿酸値が上がる原因>
(1)アルコールの過剰摂取
夏場は、尿酸値を上げるアルコールの摂取量が増え正常値をオーバーしやすいのだとか。
ビールに含まれるプリン体やアルコール自体にも尿酸値を上げる働きがあるため、お酒の飲み過ぎには注意が必要だそうです。

(2)脱水
夏場は、汗をかいて脱水状態に陥りやすくなります。すると、血液の濃度が濃くなり尿酸値も上がりやすくなってしまうのだとか。そこで大切なのは、水分補給。一度にたくさん飲むよりも1時間にコップ1杯の水を飲むなど、こまめに摂取をした方が良いそうです。

尿酸値を上げる意外な落とし穴

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

良かれと思ってやっている行動が尿酸値を上げてしまう事もあるそうです。

(1)運動していない時もスポーツドリンクを飲み続ける
スポーツ飲料や果物に含まれる果糖は、体内で代謝される際に副産物として尿酸が作られるそうです。そのため、運動をしていない時は控えた方が良いのだとか。水分補給は大切なので、他の水分で代用するなど工夫を心がけましょう。

(2)筋トレ(無酸素運動)
筋トレのような無酸素運動を行うと、筋肉を使う時のエネルギー(ATP)が分解され、尿酸が作られてしまうのだとか。そのため、尿酸値が気になる方はラジオ体操やウォーキングなど筋肉への負荷が軽い運動がオススメだそうです。

女性も油断は禁物!

先生によると、女性ホルモンには尿酸の排泄を促進する働きがあるので女性は痛風を起こしにくいそうです。しかし、年齢を重ねると女性ホルモンの分泌が減少。それに伴って尿酸値が上昇し、痛風を発症しやすくなるそうです。

尿酸値を上げる「プリン体」クイズ

痛風の発症を防ぐには、プリン体が多い食べ物を控える事も大切だそうです。

<プリン体クイズ>
「アジの干物」「イクラ」「鶏レバー」「豚バラ」「マグロ」。これら5つの食品を100g中に含まれるプリン体の量が多い順に並べてみてください。

<答え>
プリン体の含有量が多い順(可食部100g中)
1位 「鶏レバー」(312.2mg)
肝臓は、臓器の中でも細胞が密集しているためプリン体の量が多いそうです。

2位「アジの干物」(245.8mg)
干物は、水分が蒸発して軽くなっている分プリン体が凝縮されているそうです。

3位「マグロ」(157.4mg)
マグロの赤身は筋肉細胞の塊のため、プリン体の量が多いのだとか。同じ理由で「カツオ」も211.4mgとプリン体が多いそうです。

4位「豚バラ」(75.8mg)
脂身の部分にはプリン体があまりありませんが、豚肉自体はプリン体が少し多い食材だそうです。先生曰く、豚肉のプリン体を減らすオススメの食べ方が「豚しゃぶ」。プリン体は水に溶けやすい水溶性のため、調理過程で約1/3もプリン体が少なくなるそうです。

5位「イクラ」(3.7mg)
プリン体は、細胞(卵の数)が多いほど含有量も多くなるそうです。そのため、比較的粒が大きいイクラに含まれるプリン体は意外と少ないのだとか。魚卵で多いのは、明太子(159.3mg)、数の子(21.9mg)など。粒が小さくて数が多いものほど含有量が多くなるそうです。

<バランスの良い摂取を心がけましょう>
先生曰く、プリン体が多いから絶対食べてはダメというわけではないとの事。これらの食べ物はどれも健康維持に欠かせないものなので、夕飯に一品だけ取り入れるなど、バランスを考えて摂取する事が大切だそうです。

ドクターオススメ!「牛乳」を飲んで痛風を予防

尿酸値が高い方は「牛乳」を飲むと痛風の予防効果が期待できるそうです。牛乳に含まれるカゼインというたんぱく質には、尿酸値を下げる作用があるのだとか。尿酸値は明け方に高くなりやすいので、朝にコップ1杯の牛乳を飲むようにすると良いそうです。

尿酸値を抑えれば結晶はなくなる?

先生によると、尿酸の結晶が完全に溶けきるには、尿酸値を下げる薬の服用や食事指導などの治療を経て5年程度かかると言われているのだとか。調子が良いからといって途中で治療を止めると再発してしまうので、しっかりと治療を続ける事が大切だそうです。

(2023年7月2日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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