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突然死「心臓血管病」自覚症状なく進行も…正しい知識で突然死を防げ!経験者に学ぶ『心臓血管病』

突然死「心臓血管病」自覚症状なく進行も…正しい知識で突然死を防げ!経験者に学ぶ『心臓血管病』

サマリーSummary

ゲスト:松本明子
ドクター:那須赤十字病院 院長 獨協医科大学 名誉教授 特任教授/医学博士 井上晃男
日本人の死因の2位を占める心疾患(※高血圧を除く※1位がん)。その種類は150種類以上もあるといわれています。なかでも特に恐ろしいといわれているのが「心臓血管病」。自覚症状のないまま進行し、なかには突然死につながる事もあるのだとか。そうならないために必要なのは、病気に対する正しい知識。そこで今回は「心臓血管病」について専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは那須赤十字病院 院長 獨協医科大学 名誉教授 特任教授/医学博士 井上晃男 先生です。

今回のテーマは「〜正しい知識で突然死を防げ!〜経験者に学ぶ『心臓血管病』

日本人の死因の2位を占める心疾患(※高血圧を除く※1位がん)。その種類は150種類以上もあるといわれています。なかでも特に恐ろしいといわれているのが「心臓血管病」。自覚症状のないまま進行し、なかには突然死につながる事もあるのだとか。そうならないために必要なのは、病気に対する正しい知識。そこで今回は「心臓血管病」について専門医に教えてもらいました。

心臓の基礎知識

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

心臓は、全体が縮んだり膨らんだりする拍動を繰り返す事で、全身に血液を送るためのポンプとしての役割を担っています。心臓が1日に送りだす血液の量は約8000L。ドラム缶にすると約40本分に相当するそうです。

心臓を動かすための血管の病気「突然死につながる心筋梗塞」

<心筋梗塞について>
心臓の筋肉には主に3本の冠動脈という血管があります。この冠動脈が正常に動いているおかげで、酸素や栄養を受け取る事ができているのだとか。しかし、冠動脈が詰まり血液が流れなくなると、心臓が酸素不足に陥り心筋が壊死して心筋梗塞につながるそうです。

<心筋梗塞の原因は?>
血管が詰まる時には動脈硬化が起こっているそうです。動脈硬化とは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などにより、血管内にニキビのような脂の塊ができている状態の事。この脂の塊が血流の圧によって破裂すると、血の塊である血栓ができ、血管が詰まってしまうそうです。

<一度発症すると高い確率で死に至る心筋梗塞>
先生によると、心筋梗塞には予兆がなく、多くの場合は突然胸痛が起こるとの事。心臓血管病のなかで突然死する可能性が最も高いといわれており、年間3万人以上の死者を出しています。発症したら1分1秒でも素早い治療が必要だそうです。

心臓と全身を結ぶ血管の病気「突然死につながる大動脈解離」

<大動脈解離について>
大動脈は、心臓から全身に血液を送り出す最も太い血管。内膜・中膜・外膜という3つの層から形成されています。大動脈解離とは、この内膜という層が裂けてしまい、中膜に血液が流れ込む状態だそうです。

<大動脈解離の原因は?>
大動脈解離の大きな引き金になるのは、高血圧。血圧は、高ければ高いほど圧力が強くなり、血管にかかる負担が増加します。そのため、血圧が正常値を大きく超えている場合は
血管に相当な圧力がかかっており、それに耐えられなくなった内膜が裂け、大動脈解離を発症してしまうそうです。

<大動脈解離による他の臓器への影響>
解離が各臓器へ行く細い血管に及ぶと、臓器障害が起こるそうです。例えば、脳をつなぐ血管にまで解離が及んでしまうと、脳障害が起こり脳梗塞に。他にも、心筋梗塞や腎不全などの重い病気を引き起こす可能性もあるのだとか。さらに、最も怖い合併症と言われているのが「心タンポナーデ」。心タンポナーデとは、解離が心臓に至る事で心膜の間に血液が流れ込み心臓が圧迫される病気。圧迫された心臓はいずれ動けなくなり、突然死につながります。大動脈解離による突然死の約90%は心タンポナーデによるものといわれているそうです。

心筋梗塞と大動脈解離の発症を防ぐために

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<動脈硬化のリスクファクターに注意>
先生曰く、心筋梗塞も大動脈解離も原因は動脈硬化。動脈硬化のリスクファクター(※疾患発生の危険性を高める可能性がある要素)には、高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・肥満などがあるそうです。

<自分の健康状態を把握する事も大切>
心筋梗塞と大動脈解離の発症を防ぐためには、血圧を毎日測るのはもちろん、糖尿病の予防、コレステロール値を把握する事も大事との事。血圧は、朝は朝食前、夜は寝る前の一番安定した状態で測るのが基本なのだとか。また、普段から自分の健康状態や病気について何でも相談できるような「かかりつけ医」を持つのがオススメだそうです。

心臓血管病は再発率が高い!?

先生によると、心筋梗塞や大動脈解離などの心臓血管病は、初回の発症よりも再発率が高いそうです。例えば、心筋梗塞の初発率は3.5%なのに対し、再発率は18.8%というデータもあるのだとか。そのため、再発を予防する事がとても大切だそうです。

患者が実践する再発予防法「心臓リハビリテーション」

再発予防につながる有力な治療法の1つが心臓リハビリテーションだそうです。

<心臓リハビリテーションのカギ(1)筋力トレーニング>
筋肉は、心臓へ血液を戻す補助ポンプの役割を持っています。そのため、筋肉を多くつける事で心臓が身体の先から血液を吸い上げる機能を手助けし、心臓の負担を減らす事ができるそうです。なかでも、最も重要なのが「ふくらはぎの筋肉」。第二の心臓とも呼ばれていて、心臓に血液を戻していく作用が強くあるのだとか。そのため、かかと上げでふくらはぎの筋肉を鍛えるのが良いと言われているそうです。

<心臓病患者と筋力トレーニング>
心臓病を発症し大きな治療を受けると、しばらくの間寝たきり状態になります。すると、筋肉量が低下し、補助ポンプ機能が弱くなってしまうそうです。そのため、なるべく早く筋肉量を戻す事が心臓への負担を減らす事となり、再発予防につながるのだとか。ただし、心臓のリハビリテーションは、普通のリハビリテーションとは異なり、患者さん一人一人の心臓にあった運動が必要となるそうです。

<心臓リハビリテーションのカギ(2)徹底管理された食事制限>
心臓リハビリテーションでは運動療法だけでなく、投薬や食事療法によって高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理を行っているそうです。

<心臓の負担を減らす食事療法!名医がオススメする栄養素「EPA」>
EPAとは、マグロやサバなどの魚や亜麻仁油などに多く含まれている栄養素。高血圧・動脈硬化・脂質異常症などの生活習慣病の改善に役立つと言われているそうです。そのため、これらを積極的に摂取する事で心臓病の再発予防につながるのだとか。先生によると、EPAは熱に弱いのでお刺身でいただくのがオススメだそうです。

(2023年5月21日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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