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見逃すな!心臓からのSOS

見逃すな!心臓からのSOS

サマリーSummary

ゲスト:麻木久仁子
ドクター:国際医療福祉大学 医学部・医学研究科教授 医学博士 下川宏明
息切れ、むくみ、眠れないなど、多くの人にありがちなこれらの症状。実は「心不全」のサインでもあるそうです。心不全は一度発症すると完治が難しく、5年生存率は約5割といわれています。さらに、今後日本では心不全患者の爆発的な増加も懸念されているのだとか。そこで今回は、心不全について徹底リサーチ。心臓からのSOSに気付く方法を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~見逃すな!心臓からのSOS~意外と知らない心不全

息切れ、むくみ、眠れないなど、多くの人にありがちなこれらの症状。実は「心不全」のサインでもあるそうです。心不全は一度発症すると完治が難しく、5年生存率は約5割といわれています。さらに、今後日本では心不全患者の爆発的な増加も懸念されているのだとか。そこで今回は、心不全について徹底リサーチ。心臓からのSOSに気付く方法を専門医に教えてもらいました。

心不全の基礎知識~意外と知らない心不全~

<心臓の役割>
心臓は、拡がったり縮んだりを繰り返し、ポンプとしての働きをしています。拡がったときに血液を取り込み、縮むときに血液を全身に押し出す、この動きを毎日約10万回繰り返し、1日7t相当の血液を全身に送り出しているそうです。

<心不全とは?>
心不全とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下。全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態の事をいいます。心臓の縮む力が弱くなる「収縮不全」タイプと、心臓が膨らみにくくなる「拡張不全」タイプがあり、拡張不全タイプは高齢者に多く、近年急増しているそうです。

<超高齢社会で心不全患者が急増中!?>
先生によると、超高齢社会の進行に伴い、日本における心不全患者の急増が懸念されているとの事。現在日本の心不全患者は約120万人といわれていますが、今後毎年35万人以上の心不全患者が新たに増加すると考えられているそうです。

「心不全」危険な症状の見分け方

心不全にならないために大事なのが、心臓からのSOSを見逃さない事だそうです。注意すべき症状は、「息切れ」「むくみ」「夜眠れない」の3つ。これらの症状を運動不足や年齢のせいにして放置すると、身体からの最終警告を見逃す危険があるのだとか。そこで、心不全の症状の特徴を先生に教えてもらいました。

・心臓からのSOS(1)「息切れ」
心臓の働きが悪くなり、全身に血液を送れなくなると、肺に血液が溜まる「肺うっ血」が起こります。それにより、息切れの症状が引き起こされるのだとか。心不全は、胸を圧迫されたような苦しさのため、息を吸うときも吐くときも息切れするのが特徴。心不全初期の息切れは、階段を上るときなどに現れますが、進行すると平らな道でも息が切れ、同年代の人についていけなくなる事もあるそうです。

・心臓からのSOS(2)「むくみ」
心不全の典型的な症状は、足の甲のむくみ。1日だけではなく、毎日むくみが続き、押した指の跡が戻らない場合は、心不全の可能性があるそうです。また、靴がきついと感じた場合も要注意。片足だけでなく、左右対称で起きるのが心不全特有の症状だそうです。

・心臓からのSOS(3)「夜眠れない」
心不全の場合、布団に入って1~2時間すると、息苦しさを感じるそうです。初期は夜眠っている時に急に息苦しくなりますが、進行すると身体を横にすると苦しくなり、起こすと少し楽になる「起座呼吸」が起こるそうです。

心不全のステージ

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

心不全の進行の程度には、A~Dまで4つのステージがあるそうです。

▼ステージA「心不全の危険因子あり」
高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある場合は、心不全予備軍として心不全の入り口に立っている状態。他にも、LDLコレステロールや中性脂肪が高い「脂質異常症」と診断された場合もステージAに該当するそうです。

▼ステージB 「心臓の構造に変化が起きる」
高血圧による心臓肥大や心筋梗塞など、心臓の構造に変化が生じた段階が、心不全を予防する最後のチャンス。また、親御さんが心筋梗塞の場合はリスクが上がるそうなので、その場合は生活習慣病の治療や対策を続ける事が大事だそうです。

▼ステージC「心不全の症状が出現」
息切れ、むくみ、夜眠れないなど、上記で紹介した「心臓からのSOS」の症状が現れ、心不全が発症した状態。心臓の筋肉は再生しないため、再発を繰り返す度に心機能が低下していくそうです。

▼ステージD「治療が難しくなる」
この段階まで進行すると治療をしても回復が難しく、心臓移植を検討する段階になるそうです。

~心不全の進行を防ぐために~
先生によると、心不全の進行を防ぐためには心臓に負担をかけない生活をする事が何より大事だそうです。まず心がけるべきは、減塩。塩分を摂りすぎると、血液中の水分量が増えて血流も増えるため、心臓に負担がかかってしまうのだとか。さらに、感染症対策や心身のストレスを避ける事も大切との事。そして、寒暖差も心臓に対する大きなストレスとなってしまいます。特に冬場の脱衣場は、心臓発作を起こしやすいため注意が必要だそうです。

心不全の危険度を調べる検査

心不全のリスクがどれだけあるか、心臓の状態を詳しく調べる検査があるそうです。糖尿病や高血圧などの危険因子がある方や、気になる症状がある方は、病院へ行き検査を受けてみてください。

<不全の危険度を調べる検査>
・血液検査
心臓に負担がかかると、心臓から「NT-proBNT」というホルモンが分泌されます。血液検査で「NT-proBNT」または「BNT」の数値を見る事で、心不全の危険度がわかるそうです。(※人間ドックのオプションにもあるそうです)

・心電図検査
不整脈や心臓肥大などがわかるそうです。

・心エコー検査
収縮や拡張など、心臓の動きがわかるそうです。

・胸部X線検査
心臓の大きさや肺のうっ血がわかるそうです。

(2022年1月30日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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