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竜のマラー“投手”が甲子園バックスクリーンに驚弾!プロ野球史に名を残す一発?

竜のマラー“投手”が甲子園バックスクリーンに驚弾!プロ野球史に名を残す一発?
カイル・マラー投手(C)CBCテレビ

熱いドラゴンズファンの友人から、LINEが届いた。「来年はマラー4番で!」。それが納得できる、カイル・マラー投手の特大ホームランだった。(敬称略)

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甲子園の伝説に仲間入り

102年の歴史を持つ阪神甲子園球場には数々の伝説がある。そのひとつに、阪神タイガースの猛虎打線クリーンアップによる、いわゆる「バックスクリーン3連発」がある。1985年(昭和60年)4月17日、讀賣ジャイアンツとのゲーム。槙原寛己投手から、ランディ・バース、掛布雅之、そして岡田彰布の3選手がバックスクリーンとその付近に3者連続でホームランを放った。そんなバックスクリーン弾の伝説に、ドラゴンズの“投手”が仲間入りした。

マラー今季2本目の本塁打

カイル・マラー投手(C)CBCテレビ

カイル・マラー、来日2年目、28歳の左腕投手である。2メートルを超す長身から投げ下ろすボールは威力十分で、日本のプロ野球にも慣れた2026年(令和8年)シーズンは、安定した投球で先発ローテーションを守っている。このマラー、実はバッティングが良い。今季も5月20日に来日第1号ホームランを、同じ甲子園球場のレフトスタンドに放っている。そんな打撃を買われて、この試合も打順は「8番」をまかされていた。

投げて完封、打って4打点

高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

前日の高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)と才木浩人の9イニング無失点という熱投の余韻が残るグラウンドで先発したマラーは、5回の打席でバット一閃。その打球はバックスクリーンに飛び込んだ。セ・リーグは来季から指名打者(DH)制を導入するため、投手が打席に立つ機会はほぼなくなる。5月のマラーのホームランが“投手本塁打”としては最後かと思われていたが、それをマラー自身が塗りかえることになった。マラーは9回表にも2点タイムリー2ベースを打ち、何と4打点。投げては4安打完封で7勝目を挙げた。まさに“二刀流”全開の夜となった。

星野仙一は本塁打15本

星野仙一氏(C)CBCテレビ

90周年を迎えたドラゴンズの球団史をひも解くと、“打撃がいい”投手が多い。15本のホームランを記録した星野仙一さんは別格としても、星野さんの明治大学の後輩でもある川上憲伸さんも8本打っている。郭源治さんは、リリーフした試合で自らサヨナラホームランを打って、ゲームを決着させた。そんな系譜の最後に名を連ねるのが、マラーになるだろう。すでにDH制の導入は決まっているが、野球は“打って走って守って”、これだから面白いと痛感した。

個人タイトルに無縁の今季

カイル・マラー投手(C)CBCテレビ

マラーは、8月のセ・リーグ月間MVPにも、投手部門で選ばれている。5試合に先発し3勝を挙げて、防御率は0.84と好投した。実は井上一樹監督2年目の今シーズン、チームは低迷して優勝争いから脱落したが、選手も個人タイトル争いから無縁である。抑え投手の松山晋也が、セーブ数で讀賣ジャイアンツのライデル・マルティネスに次いで2位につけて、懸命に追いかけているくらいだろう。ペナントレースも残り試合が少なくなると、低迷しているチームでは個人タイトルが注目されるが、ドラゴンズはそんな候補もいない。それだけに、マラーの月間MVPは、ファンとしても嬉しい受賞だった。

個人とチーム、その結集こそ

バンテリンドームにて(C)CBCテレビ

比べることも淋しいが、マラーがホームランを打った甲子園球場を本拠地とするタイガースは、打撃3部門でも、投手の防御率や勝利数でも、それぞれ複数の選手がトップを競っている。かつて、落合博満監督3年目の2006年(平成18年)のドラゴンズが、まさにそうだった。投打共に個人タイトルの多くを“占拠”して、リーグ優勝を果たした。とにかく強かった。個人の力をチームとして結集させる、それこそが強い組織である。来季こそは、そんな思い出を懐かしむことのないよう、チームの新たな出直しに期待したい。

今季の残り試合、マラーが先発する機会もあるだろう。3本目のホームランは出るか。同じく打撃が得意な柳裕也あたりが、“投手本塁打”最後の打者を狙うか。残念ながらチーム成績に期待できない竜党のシーズン最終盤のささやかな楽しみでもある。
                                                             
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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