薬を50錠以上飲んで動けなくなった女性 けいれん起こした1歳男児… 国内最大級の救急災害医療拠点 名古屋市立大学病院の“断らない救急”に密着
ことし6月に開設された、名古屋市立大学病院の「救急災害医療センター」。国内最大級の救急災害医療の拠点。その要となる救命救急センターには、毎日大勢の患者が。1秒を争う現場に密着しました。

7月28日、施設の稼働から約2か月。
(名古屋市立大学病院 舩越拓救命救急センター長)
「重症の患者さんの治療を素早く行えるようになったので、課題も1つ1つ解決しながら まずは滑り出しなんとかできているかなと思う」
救急搬送の患者を受け入れる病床は、センター開設前の3床から10床に拡大。
(救急救命士)
「救急車入ります、89歳女性の入れ歯の誤飲です。5分で到着します」
“断らない救急”を掲げるここは、年間で1万人以上の受け入れを目指しています。

ふらつきと過呼吸 運ばれてきた16歳の女子高校生
この日は土砂降りの雨。しばらく続いていた猛暑はやわらいでいましたが…
(救急救命士)
「救急車1台受けました。16歳の女性、主訴ふらつきと過呼吸です。5分で来ます」
荒い息づかいで運ばれてきたのは、16歳の女子高校生。
(春日井貴也研修医)「朝ご飯食べたかな」
(女子高校生)「食べました」
(春日井貴也研修医)「どれくらいの水分取ったか分かる?」
(女子高校生)「1リットルの水筒半分と…OS1を2本…」

朝8時から、体育館で部活のバレーボールの練習をしていたところ気分が悪くなり、手足がしびれてきたと話します。
(春日井貴也研修医)
「脱水契機の熱中症かなと思う」
Q.熱もある?
「熱は37度4分とかなので、すごく熱が高いわけではない。軽症と思っています」

自宅で倒れていた59歳男性 脳に異常がある可能性も…
息をつく暇もなくセンターに緊張感が。次々と集まる医師や看護師、そして放射線技師。
(救命救命士)「ハイブリッドER入るので」
ハイブリッドERは、CT・カテーテル治療・外科手術など、別々の場所にあった機能を1か所に集め時間のロスをなくす最先端の処置室。

患者は、自宅で倒れているところを発見された59歳男性。意識はもうろうとし、現場の救急隊からは脳に異常がある可能性という報告です。到着して直ちにCT撮影が行われ、脳出血が判明。すぐに専門の脳神経外科で緊急手術が行われ、命を取り留めました。
(春日井貴也研修医)
「(ハイブリッドERが)一番いいのは、CTをすぐ撮れるところ。患者さんの移動の手間がない。移動は、例えば骨折している人だとあまり動かすといけない場合がある。そういう方を安静の状態のままCTを撮って、さらにすぐ診断できる。そういうのがハイブリッドERの強みだと思う」

心配停止の69歳女性 医師が患者の元へ急行
7月30日には…
(救急救命士)
「三次が鳴りました」
三次とは、救急隊が命の危険がある状態と判断したことを意味します。
(救急隊からの電話)
「CPA(心肺停止)69歳の女性の方です」
医師・看護師・救急救命士がドクターカーに乗り込み現場へ。搬送の余裕もない重症患者の元へ医師が駆けつけ、現場で治療するドクターカー。

これを24時間365日運用しているのは、名古屋でこの名市大病院だけ。しかし…
(救急救命士)
「午後3時45分現着。だめかな、もう…」
亡くなっていることが確認され、治療や搬送は取りやめに。救えない命もあります。

「泣いているなと思ったら…」突然けいれんを起こした1歳男児
センターには、1歳の男の子が運ばれていました。突然けいれんを起こし、ぐったりしてしまったといいます。心配そうに見守る母親…
(名古屋市立大学病院 舩越拓救命救急センター長)
「抱っこしていたらどうなった?」
(母親)
「泣いているなと思ったら、引きつけを起こして」
(名古屋市立大学病院 舩越拓救命救急センター長)
「引きつけは具体的にはどんな感じ?ビクンビクンしていたわけじゃなくて、ずっと突っ張っていてふっと止まった?」

しばらくして体調は落ち着き、親子は病院を後にしました。
(名古屋市立大学病院 舩越拓救命救急センター長)
「小児から大人まで、内科的な疾患から外科的な外傷まで診られるのが救急科の主な役割だと思うし、一つの専門性かなと思っています」

「50錠以上は飲んだ…」路上でうずくまっていた36歳女性
そして、夜になっても…
路上でうずくまり動けなくなっていたところを救急搬送されてきた36歳の女性。
(研修医)「お薬を何錠くらい飲んだ?」
(患者)「50錠以上は…」
(研修医)「50錠以上飲んでる?」
(患者)「うん」
イライラしてオーバードーズをしてしまったと言い、点滴などの処置を受けました。夜間も救急搬送が途切れることはなく、病床は埋まった状態が続きます。

運ばれてきたのは、7歳の男の子。クルミ入りのチーズケーキを食べた後、口のまわりに発疹のようなものができたといいます。
その後、検査中に嘔吐。症状は落ち着きつつあるということでしたが、アナフィラキシーの疑いで入院することになりました。

2日間で処置を受けた患者は75人。8月は、さらに患者が増える時期でもあります。
(名古屋市立大学病院 舩越拓救命救急センター長)
「病院側で応需できる患者の数は確かに増えているので、地域のニーズ 特に真夏と真冬は患者さん増えるので、そういったニーズに応えられるようにとは思います」
24時間365日。今この瞬間も命を救う懸命の取り組みが続いています。




