根尾昂「今はピッチャー一本」その決意と井端氏は投手での伸び代と外野手の可能性に期待
「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム
「結果が全てなんで」8年目の達観と前向きな姿勢

今年8年目となる根尾昂投手。ファームでの成績は、24試合0勝3敗22回1/3与四球17奪三振24防御率7.25。開幕前に根尾投手に掛けられた期待からは少し離れてしまったかもしれない。ナゴヤ球場で、一つのアウトも取れず7失点した試合の後、投球を振り返った。
根尾投手「結果が全てなんで。強いライナーでも抑えていれば勝ちですし、詰まっているヒットが続いたりももちろんありますし、野球なんで。あのときは、どちらかというと大味な展開の中で、いつものどんどんストライク先行させていこうというかたちで投げていたので、そこは反省点としてはありましたね」
サンドラ取材班「何が足りていなくて一軍に上がれていないか?」
根尾投手「抑え続けることですかね。あとは内容ですかね」
5月4日に一軍登録を抹消されてから、二軍暮らしが続いている根尾投手。振り返れば、今年3月は侍ジャパンサポートメンバーに選出されていた。その時の経験についてはこう語る。
根尾投手「自分はもっとこういうふうにしていきたいなというところだったり、色々見てもそうですし、色々感じたところもあったので、変わったというか、自分で変わる必要あるな、もっといけるなというのはそこを見て感じましたね。大きな分岐点と考えたらそこかなと思います」
侍ジャパンでNPBトップクラスのメンバーと行動を共にした経験を糧に、4月8日には待望のプロ初勝利をあげた。
根尾投手「ずっと欲しかった一勝でしたし、言ってたと思うんですけど通過点ですし」
8年間での変化「今はもうピッチャー一本」根尾投手の決意

分岐点となった侍ジャパンでの経験、通過点に据えた初勝利、今年は違うという雰囲気を漂わせていた。しかし、リリーフ陣における序列が上がり、勝ちパターン入りが見え始めた矢先4試合連続失点を喫して二軍降格となり、そこから一軍の舞台に戻れていない。そんな日々の中で根尾投手は考え続ける。
根尾投手「より正しい分析というか、それはやっぱりするようにはしていたので。それでも打たれることが続いたりとかはあって、難しさは感じてましたけど、やっぱり抑える楽しさだったりとか、当たり前に抑えてくピッチャー陣の(ように)、こうなっていくためには、こういうのが必要だなっていうのが。苦しいというよりかは、どちらかというと、どういうふうにしていくか楽しみながらというか」
サンドラ取材班「8年目終わろうとしていて、トータルで変化はありますか?」
根尾投手「ピッチャーに変わったところですかね」
サンドラ取材班「改めて未練は?」
根尾投手「野手やるかってことですか?今はもうピッチャー1本ですね。まあ別に雑音とも思ってないですけど、そういう意見があるのはもちろんですし、ただ自分がやってることっていうのは、しっかりやるよっていうのは、結果出せるようにですね。何やっても上手くいかないときはもちろんありますけど、ピッチャーやってて、バッターは良くても3割ですし、抑える確率の方が高いので。もちろん打たれた悔しさとかありますけど、それよりも楽しさももちろんありますね」
サンドラ取材班「野球はやっぱり好きですか?」
根尾投手「そうですね。はい」
現在、8年目そして投手転向5年目、異例の配置転換を経験した26歳は正念場を迎えているのかもしれない。なかなか思い通りの成果が出ないなかでの密着取材について、根尾投手はこう答える。
根尾投手「周りがどう見てるかは、全くどうでもいいので。僕はそういうことは何も感じてないので。何なら撮った動画を見せてくださいくらいの勢いなので」
爽やかな笑顔で、注目してもらって取材されることに感謝をしつつこう話した。なかなかできることではない。そして、今後についてこう結んだ。
根尾投手「僕が上で投げることが全てだと思いますし、抑えることが全てだと思うので、二軍で抑えるのはもちろんですけど、抑えられるように準備しているんで上げてもらえるようにまずしっかりアピールします」
ドラフト1位での入団に集まった注目と待ち望まれた活躍。そんな重圧とも言える思いにも応えながら、ポテンシャルの高さゆえに変化する環境に飲み込まれることなく、冷静に目の前のことに向かい合って努力を継続する姿勢を崩さない強さを感じさせる。
外野で球界トップクラスの可能性。井端氏が見る根尾投手のポテンシャル

根尾投手を侍ジャパンサポートメンバーに抜擢した井端弘和氏は、自らのコンバートの経験も踏まえた上で根尾投手についてこう分析する。
井端氏「当然、期待持って見てましたけど、初勝利から二軍に行って、今苦しんでるなとは思います。今シーズン終わってしまいますけど、何とかもう一回一軍に上がってまた来年に向けて何か掴んで欲しいなと思いますけどね」
アナウンサー「今年の春、井端さんは侍ジャパンの監督、根尾投手は侍ジャパンのサポートメンバーという関係性でしたが、どんな思いでご覧になってましたか?」
井端氏「もがき苦しんでいるとは思ってなかったですけど、何とかきっかけを掴んで、ちょっとでも成長の糧にして欲しいなというところで呼んでみてましたけど。投げてるボールも、トップクラスに対してもうちょっとかなというところと、コントロールも含めてもうちょっとなんで、ある程度のところまで来ているのかなとは見てましたけどね」
アナウンサー「マウンド上での立ち居振る舞いはいかがですか?」
井端氏「全然その辺は(侍ジャパンのメンバーと)遜色なかったですよね。十分その辺の振る舞いはジャパンクラスだったと思いますけどね」
アナウンサー「ボールの質を上乗せできればというところなんですね」
井端氏「本当、もうちょっとなので、何かを掴めばいく能力はありますよね」
アナウンサー「根尾投手のここまでのコンバートの動きというのは、井端さんの目にはどう映っていますか?」
井端氏「ショートから入って、外野行ってまたショートでやっぱりスパンがちょっと短いなっていうふうには思いましたよね。なにか成し遂げるにも3年とかそれぐらいはショートでやって欲しかったなと思いましたけどね」
アナウンサー「井端さんなら、根尾投手をどう起用しますか?」
井端氏「内野も外野もピッチャーも見てきましたけど、一番はプロでもトップレベルの部分はあるなと思いますので、外野の守備力やあの送球はトップだと思います。そこを最大限に活かしながらっていうところでは、私の個人の意見ですよ、(外野を)やるのもありかなとは思ってます。根尾選手が外野の守備固めに出てたときとか、守備の能力を見ているとやっぱりかなり刺しましたし、球界でもトップクラスになると思ってますけどね」

もちろん、侍ジャパンサポートメンバーで投手としての振る舞いやポテンシャルも認めた上での評価もしている。同時に現状の根尾投手の能力をどう生かしてやるのが最適なのか考えた際に、外野手としての可能性も捨てきれないということだろう。成し遂げるには十分な期間が必要と井端氏がいうように安易な判断ではできない負担の大きい決断になるだろう。ただ、様々なポジションに常に前向きな姿勢で挑戦する根尾投手であればこその選択肢とも言える。どんな状況に立たされても常に真摯に向き合う根尾投手らしさを持って、それが輝く姿を願っている。その苦労が報われる日が来ることを信じて。
澤村桃










