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ドラゴンズに必要なものは、優勝球団から学ぶ目に見えない部分

ドラゴンズに必要なものは、優勝球団から学ぶ目に見えない部分
「サンデードラゴンズ」より井上一樹監督(C)CBCテレビ

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

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最下位脱出へ!どらポジの構想とケガ人続出の逆境

「サンデードラゴンズ」より(C)CBCテレビ

3年連続最下位という逆境の中誕生した井上ドラゴンズは「どらポジ」を掲げ、その逆境を払拭するようにポジティブに戦うチームを目指した。その中心人物として井上一樹監督が選んだのは、福永裕基選手だった。そして、若き大砲候補の石川昂弥選手の4番起用を明言した。

しかし、シーズンが始まるとその構想は脆くも崩れ去った。福永選手が右膝靭帯損傷、石川選手は開幕から絶不調で13試合で二軍調整、高橋宏斗投手(※「高」は「はしごだか」)も去年でハードルが上がったため8勝10敗と負け越しも誤算だった。他にも、木下拓哉選手、高橋周平選手、柳裕也投手と怪我人が続出した。

そんな中でチームを支えていたのが、松葉貴大投手。前半戦7勝と、後半戦は負け越してしまったが自身初の規定投球回を達成した。戦力外から這い上がった上林誠知選手は6年ぶりの二桁HRと自己最多盗塁を記録した。ブライト健太選手も代打で打点12と無類の勝負強さを発揮した。細川成也選手は読売ジャイアンツの新守護神ライデル・マルティネス投手を打ち砕くHRを皮切りに5年ぶりの7連勝と勢いをつけ、最終的に20本塁打をマークした。ジェイソン・ボスラー選手もケガでの出遅れこそあったものの、13HRと日本野球へ適応していた。また、金丸夢斗投手が好投するも勝ち星に恵まれない試合が長く続き、10試合目にようやく初勝利をおさめた。また、ルーキー石伊雄太選手は木下選手離脱の後76試合でスタメンマスクを被り1年目ながら攻守に存在感を発揮した。37歳のベテラン大野雄大投手は5年ぶりの二桁勝利の11勝4敗とキャリアハイの成績と勝ち越しでチームを支えた。

ケガなどのアクシデントを乗り越え、ルーキー、ベテラン陣の期待以上の活躍も手伝って一時は3位に迫る成績だったが、後半ここぞの試合を落としてしまい最終結果は4位となった。

だが、そんな中でも岡林勇希選手は168安打を記録し、自身2度目の最多安打のタイトルを獲得した。また、松山晋也投手は新守護神として46セーブをあげ最多セーブのタイトルを獲得した。シーズン終盤には、森駿太選手をはじめ、二軍で汗を流してきた草加勝投手、福田幸之介投手が登板しそれぞれの来季に向けた経験を積ませた。そんな選手たちを束ねる指揮官は最後の挨拶としてこう締めた。

「来年はさらに皆さんが興奮して、夜も眠れない。職場で、学校で、家庭でドラゴンズの話題満載の1年をみなさんに届けられるよう私たち頑張ってまいります。本当に1年間ありがとうございました」

ドラゴンズCS進出を逃した要因を赤星憲広氏が分析!

観客動員数も増えて、あと一歩強くなるだけという状態だ。そんなドラゴンズのCS進出を逃した要因として、横浜DeNAベイスターズ戦での8勝17敗という負け越しが響いたことについて、赤星氏はこう分析する。

「タイガースには勝ち越してるわけですよ。それを考えたら、CS争いした時にベイスターズに対する苦手意識というのはね。苦手意識を持っているピッチャーもいますし、9つの負けというのが。長年続いていることではあるので、なんとか克服していかなければいけないところではありますね」

チーム打率.232、得点数403と共にリーグ最下位であることもその一因だが、ベイスターズ戦を克服できない理由についてこう答える。

「バンテリンドームという広い球場を本拠地にしているということもあると思います。これは今後絶対克服していかなくちゃいけない。テラスが来年できるので、少なからず改善されていくと思ってます」

ポジティブな部分として岡林選手、細川選手に次ぐ、レギュラー候補で9月の月間打率4割を超える田中幹也選手、石伊選手の台頭があった。これについての赤星氏の見方は。

「田中選手は、怪我や病気のことがあるので身体を考えながらだと思うんですけど、彼の守備無くして今年は語れないと思いますし、打つ方もプロの球に慣れてきたというか、シーズン終盤になるにつれて打率上げてきましたし、来年は間違いなくセカンドでレギュラーを取るんじゃないかと思います。また、石伊選手も素晴らしいですよ。1年目キャッチャーとして十分な結果を残した中、守りだけでなく打つ方でも結果を残せたのが大きいんじゃないかと思います」

ドラゴンズに必要なものとその根本問題を赤星氏が語る

「サンデードラゴンズ」より井上一樹監督(C)CBCテレビ

得点圏打率は3割越え、盗塁阻止率も4割を超えるという十分な成績を残した。 個別の選手としては成長も見られた一方、チームとしては4位ながらも去年と同じく借金15という成績だった。そこで圧倒的な成績で優勝した阪神タイガースから学ぶ、ドラゴンズに必要なものを赤星氏に尋ねると。

「1〜5番、坂本誠志郎選手が1年間ケガをせずにいましたけど。彼らは入団以来ほとんど大きなケガをしてこなかったので、経験をずっと積んできているというのが強さになっている」

ネガティブな部分として、ケガ人の多さがあったがトレに対してはこう話す。

「試合中のケガというのは不可抗力な部分もあるので、仕方ない部分もあるんですけど。避けなければいけないケガというのがある。投手は長期で投げていれば肘や肩とか負担はあるんでしょうけど、特に野手に関しては怪我人がすごく多いので、根本的に肉体改造とか食生活とか、いろんなことを含めて考え直さなきゃいけない。そこが整わないと技術は上がらないですから。大事なことを原点から見直す必要がある」

四球数がタイガース441個、ドラゴンズ338個と100個以上の差がある。また、盗塁数はタイガース100個、ドラゴンズ80個とドラゴンズもリーグ2位ながらも20の差がある。この得点に関わる部分についてはこう見る。

「ドラゴンズは得点のしかたでいうとダブルスチールを絡めてみたりとか、セーフティースクイズを敢行したりとか色々やったんですけど。もっと見えないところの差なんですよね、一塁三塁という形をタイガースは今年数多く作っているんですよね。尚且つ打ったバッターランナーがシングルヒットじゃなくて常に二塁を狙うということ、これで一個進んで、次の打者がランナーを自己犠牲で進めるんですよ。それで一点を取る。タイガースはピッチャーがいいので、一点だけ多くとればピッチャーが抑えてくれるという勝ちパターンが出来上がっているんですよね。ドラゴンズもピッチャーは良いわけですから、一つの走塁、一つのバッティング、そういうのを見て、ここでランナー進めてないのが大きいよなとか、なんでポップフライになっちゃうんだろうなとかそういうのが多かった」

経験と細かな意識を張り巡らせること、その前提となる身体づくり。栄養学の専門家と組んでその部分の改善を図るとの報道もあった。感覚を研ぎ澄ませるための基礎は赤星氏も言うとおり最重要課題となる。チームとしての改革も含めて注目していきたい!

澤村桃


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