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沢村賞左腕が完全復活を遂げたのに、なぜ井上竜は悲願を前に大失速したのか―レジェンドクローザー岩瀬仁紀氏が史上最強タイガースとの比較から徹底解説

沢村賞左腕が完全復活を遂げたのに、なぜ井上竜は悲願を前に大失速したのか―レジェンドクローザー岩瀬仁紀氏が史上最強タイガースとの比較から徹底解説
「サンデードラゴンズ」より大野雄大投手(C)CBCテレビ

【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】

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CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい!との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。

阪神タイガースが2リーグ制以降史上最速でセ・リーグ優勝を決めたのが9月7日。次なる注目としてクライマックスシリーズに進出する2位と3位争いの中に辛うじてドラゴンズも加わっていたのだが、まさかこの一週間でその輪から弾きだされるとは・・・。同9日から15日の戦績は2勝5敗。3位の横浜DeNAベイスターズとは6.5ゲーム差に広がり、順位も5位に下げた。悲願に手が届きそうな状況にありながら、なぜこれほどまでに呆気なく大失速を辿ってしまったのか―。9月14日の放送回で共有したいトピックスは、竜が誇るレジェンドクローザー岩瀬仁紀さんがタイガースを引き合いに井上ドラゴンズがCS進出を限りなく不可能とした原因の徹底解説を共有したい。まずは今シーズン、最も頼れる存在として復活を遂げた大野雄大投手に吉見一起さんが真相を迫った対談企画から。

沢村賞左腕・大野投手、完全復活の要因

「サンデードラゴンズ」より大野雄大投手(C)CBCテレビ

井上ドラゴンズの2025年シーズンにおける最たる希望は、沢村賞左腕の完全復活で間違いないだろう。大野投手は37歳を迎えるシーズンで5年ぶりとなる2ケタの10勝を挙げると、8度もチームの連敗を止めて危機を救ってきた。まさに頼れるベテランとして華麗なる復活を遂げた要因を師匠にあたる吉見一起さんに明かした。

吉見氏:ここまでの投球を振り返ってどうですか?

大野投手:開幕前にここまでの成績を残せるとは正直思っていなかったです

吉見氏:(ここ数年の成績を踏まえて)引退を考えたことはありましたか?

大野投手:思いっきり考えていましたね。よぎってもいましたし、もう終わっていく選手の感じだったので。複数年契約をしてもらいながら、最後の2年間は働けなかったですし。もう常に(引退は)チラついていました

吉見氏:大野投手の家族はすごく仲がいい印象があって、必ず観に来ていますよね。お子さんと奥さん。家族にも相談したことはあるんですか?

大野投手:ずっと弱気な発言はしていましたね、家の中では。「あとどれだけやれるかな。これだけできたらいいな」とか。そんな何年も先の話ではなくて、近い1年、2年とかの話ですよね。でも妻が意外と強気といいますか、「いや多分まだ全然できるで」と言っていたんですよね。ひじを手術して復帰まで長く投げられない時期があって2023年シーズンは終えて、2024年が全然駄目だったんですけど。それでも「去年ほとんど投げてへんし、そんなもんちゃうの」とか適当に言っているわけじゃなくて、大野雄大を分析しているみたいな(笑)。「2025年は大丈夫やと思うで」みたいな感じで言ってくれていたので。今年こうやって投げられている姿を見て「だから言ったやろ?」みたいなかんじで言っていて。僕も「ほんまかいな」とは言ったんですけど(笑)

吉見氏:ここまで9勝(インタビュー時点)と復活できた要因は?

大野投手:ストレートが僕(のピッチングで)は軸なので。そんな150キロとかは出ていないんですけど、やっぱり145キロ前後、144キロくらいから僕のボールはなかなか前に飛ばないと自分でも思っているんですよね。ずっとその球速をゲーム中に保てているわけではないんですけど、でも力を入れた時は145キロ前後が出るので。そのボールが強いのかなと。それを意識した中で他のボールも生きているのかなと思います。それと曲がり球ですよね。自分ではカットボールと呼んでいるんですけど、第3球種が使えないと無理やなと。真っすぐとツーシームだけじゃ無理やなと思っていたので。なんとか第3球種を使える物にしようとキャンプから取り組んで。幅が広がったというか、抑えられている要因だと思います

吉見氏:ひじの位置を低くしているというか、いつもとアングルが違うように見えているんですけど、それは意図的にですか?

大野投手:そうですね。特にツーシームの時なんですけど、上から投げると右打者の外に投げた時にどうしてもひっかかって中に入っちゃうボールが多かった。そのボールが1番長打を打たれやすいといいますか、バッターからしても楽なボールだと思ったので。ひじを下げることによってシュート成分が増して、ちゃんと逃げていってくれるボールになったので。今年のシーズン途中からなんですけど意識的にやっています。真っすぐで押し込める昔のようなピッチングスタイルではなくなってきているのも事実ですし。何とかいろいろなボールを使いながら、今はいろいろなデータも出してくれていますし、それを利用しながらやっているところはあります

大野投手にとって変らない思い。そして、叶えたかった夢は・・・

「サンデードラゴンズ」より大野雄大投手(C)CBCテレビ

36歳のベテランが変化の先に遂げた復活―。そんな中で唯一、胸の中に残り、変らない思いがあった。

吉見氏:9回まで投げるというのが大野投手のポリシーだと思っていたんですけど、今はどうですか?

大野投手:めっちゃ思いますね。この時期にそれをしたいとすごく思っています。120球でも130球でも投げて。変に引っ張り過ぎてチームに迷惑をかけるのはダメなんですけど、それぐらいの球数を投げたい気持ちはすごくあるので。ビビらず逃げずに、長いイニングを投げたいと思っています

2020年の大野投手は神懸かっていた。新型コロナの影響で120試合の短縮シーズンではあったものの10完投6完封という驚異的な数字を刻み先発投手最高の栄誉である沢村賞に輝いた。この年はクライマックスシリーズが開催されなかったものの、ドラゴンズを8年ぶりのAクラスに導いた事実に堂々と胸を張っていた。そして、今シーズンは2012年以来となるクライマックスシリーズ進出を叶えるべくチームを引っ張ってきたのだが、悲願は風前の灯となってしまった。

なぜドラゴンズは大失速を辿ってしまったのか―。その原因を日本プロ野球界最多セーブの記録を打ち立てたレジェンドクローザー岩瀬仁紀さんが徹底解説。藤川球児監督率いる最強タイガースを引き合いにドラゴンズが決定的に劣った原因について語られた。

タイガースとドラゴンズの“差”。ターニングポイントは守護神の離脱

―今季のタイガースが圧倒的な強さを誇った理由は?
岩瀬氏:1番から5番まで打順を入れ替えることなく固定できたことがタイガースの強さですね。一人ひとりが役割をきちっと果たすことができますから

―タイガースとドラゴンズの差は?
岩瀬氏:両チームの差はピッチャー(の力)ですよね。ドラゴンズも良いんですけど、タイガースはさらにその上をいく強さがありました。特にうしろ(リリーフ)。競ったゲームが多い中で試合の後半に強いピッチャーがいることでより強さが際立ちましたね

―リリーフ陣といえば夏場以降に明暗が分かれた印象がありますね?
岩瀬氏:松山投手が離脱してからバタバタしてしまったところで一気に差がついてしまいましたね

来季に向けて希望の光を見い出すならば、14年ぶりのウエスタン・リーグ優勝をかけて奮闘している二軍に注目したい。期待の若竜の現在地を岩瀬さんがチェックした。

森駿太、高橋幸佑、草加勝を岩瀬氏が鉄腕チェック

「サンデードラゴンズ」より高橋幸佑投手(C)CBCテレビ

若竜注目の一人目は森駿太選手。高卒新人では2012年の高橋周平選手以来となる7本塁打を放っている。7月にはバンテリンドームでも本塁打を放った左の大砲候補だ。

岩瀬氏:元々、体も大きいですしバッティングも力強いんですけど、しなやかさも兼ね備えていて本当に良いバッティングをしますね

二人目はドラフト5位ルーキーの高橋幸佑投手。140キロ台後半のストレートを武器とする高卒新人左腕は6月に一軍練習に合流した際の投球が井上監督の目に留まり、シーズン後半の一軍起用を示唆されるほどの逸材である。

岩瀬氏:ストレートが糸を引くように見えますから本当に良いストレートを投げていると感じています。先発として大きく育ってもらいたいですね

三人目は2年目の草加勝投手。今季、右ひじのトミー・ジョン手術から復活を果たし、ファームで10試合に登板。8月には自己最長の7イニングを投げるなど、一軍デビューが待たれる。

岩瀬氏:ケガ明けということで慎重に使ってきたと思うんですけど、もう少し早く一軍に上がってくるかなと思ったんですけどね。現状は上がってきていないんですけど来年以降は期待したいですよね

イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。ホームランテラスができる来シーズンの正遊撃手は森駿太選手で!!

「サンデードラゴンズ」より森駿太選手(C)CBCテレビ

今週のサンドラを観た感想・・・。大野雄大投手が完全復活を遂げた背景には奥様の精神的支えと大野投手のベテランならではの技術的成長があってとのことが分かる対談でした。来シーズンも「シン・大野雄大」として先発ローテの一角を・・・というより、来季はエース復権を果たして若手の前に大きな壁として立ちはだかってもらいたいものです。そして岩瀬さんが解説されていたタイガースとドラゴンズの差はピッチャー、特にリリーフ陣の力とのこと。ウンベルト・メヒア投手の配置転換は上手くいったのですが、まだまだリリーフ陣に厚みがほしいところ。守護神・松山晋也投手につなぐ勝利の方程式を再構築できなければ来季もシーズン後半に失速する気がしてならないので、若竜からの抜擢や新戦力の補強で刷新を期待します。そして、若竜注目の筆頭に挙げられた森駿太選手には何としてでもショートのレギュラーを狙っていただきたい!ショートは守備の要として求められるレベルは高いですが秋季練習から鍛錬を積み、打てる大型ショートとして打線に欠かせない存在に。

2026年シーズンから外野にテラスが設置されるバンテリンドームの野球は間違いなく変わります。そこで森駿太選手には「ホームランウイングの申し子」の異名がつく活躍、そうです、ホームランを量産して欲しいのです。それができる逸材だと信じて、残りわずかな今シーズンは二軍を全力で応援します!!

(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党) 

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