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やればできる!ドラゴンズ2軍が優勝、1軍も逆転勝ち、9月ラストサンデーに沸く

やればできる!ドラゴンズ2軍が優勝、1軍も逆転勝ち、9月ラストサンデーに沸く
落合英二二軍監督(C)CBCテレビ

竜党にとって嬉しい秋の一日となった。ようやく猛暑も去ろうとしている中、熱かった2025年(令和7年)ペナントレースも終わろうとしている。そんな9月最後の日曜日、中日ドラゴンズは1軍も2軍も最後の踏ん張りを見せた。(敬称略)

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3連勝したら逆転優勝

落合英二監督率いる2軍は、ナゴヤ球場で大一番を迎えた。ウエスタン・リーグは、1軍のパ・リーグで連覇を果たした福岡ソフトバンクホークスが、2軍も優勝目前だったが、最終盤になってドラゴンズが粘る。最後の3連戦でドラゴンズが3連勝したら、僅差で逆転優勝という“首位攻防戦”だった。この厳しい状況の中、何とドラゴンズは2連勝して、シーズン最終戦を迎えた。「勝った方が優勝」という注目のラストゲームとなった。

あの「10・8」決戦から31年

「シーズン最終戦」「勝った方が優勝」こうなると、誰もが思い出すのは、今から31年前の1994年(平成6年)10月8日、舞台は同じナゴヤ球場の“あの一戦”である。この「10・8」決戦で、1軍は長嶋茂雄ジャイアンツに敗れたが、令和の「9・28」決戦は勝ちたい。ナゴヤ球場のチケットは早々に完売した。

試合は、先発の松木平優太が好投し、トップバッターの尾田剛樹が2点タイムリー。戦力が豊富なホークスも1点を取って追い上げ、かつてドラゴンズに在籍した又吉克樹、さらに1軍のクローザーでもあるロベルト・オスナまでつぎ込んできたが、ドラゴンズが2対1で逃げ切った。やればできる!

2軍は14年ぶりの優勝

3連勝するしか優勝の道はなかった、しかしドラゴンズ2軍は、その3連勝を成し遂げ、14年ぶりに優勝した。2軍のウエスタン・リーグとは言え、その意義は尊い。立浪和義1軍監督と片岡篤史2軍監督の時代、2年連続で1軍も2軍も最下位という、あまりにも絶望的な低迷期を思えば、何かが変わった歴史的な日となったことは間違いない。

真夏の1軍戦で、致命的なミスを連発した尾田剛樹が、2軍ではトップバッターとして躍動した。ウエスタン・リーグの首位打者にもなった。1軍では代走か守備固め要員だったが、それは適材適所の起用方法だったのだろうか。打席に立たせた方が力を発揮する選手もいる。人の配置はどの世界でも難しいものだ。ちなみに前回の2軍優勝、監督は現在1軍を率いる井上一樹監督だった。

甲子園で1軍は虎退治

金丸夢斗投手(C)CBCテレビ

落合2軍監督が、本拠地のナゴヤ球場で3回宙に舞った頃、井上一樹監督率いる1軍は、甲子園球場で、リーグ覇者の阪神タイガースと戦っていた。おそらく今シーズン最終登板となる金丸夢斗が、出身地でもある兵庫県の球場で“故郷に錦を飾った”試合。初回に、ジェイソン・ボスラーのタイムリーで1点を先制するも、今季何度見たか忘れたほどの援護点のない試合で、それにもめげず金丸は7イニングを投げて失点2という粘投を見せた。

1対2で迎えた9回表、ボスラーの同点3ベースから火が点いた竜打線は、一挙3点を取って4対2と試合をひっくり返した。9回裏に出番が来た松山晋也は、岩瀬仁紀さん、そして目の前にタイガースの監督として立つ藤川球児さんのリーグ記録に並ぶ、シーズン46セーブ目を挙げた。やればできる!

松山そして岡林がタイトルへ

松山晋也投手(C)CBCテレビ

松山は、セーブ数でライバルの讀賣ジャイアンツ、ライデル・マルティネスを一歩リードした。初回からヒットを打ったトップバッターの岡林勇希は3安打の固め打ちで今季162安打として、最多安打のタイトル争いで単独トップに立った。そして、チームは阪神タイガースとのシーズン対戦成績を13勝12敗として勝ち越し、タイガースの“完全優勝”に待ったをかけた。実に痛快な甲子園最終戦だった。やればできる!

球団主導の育成システム

バンテリンドーム(C)CBCテレビ

14年ぶりのウエスタン・リーグで優勝した落合英二2軍監督の挨拶の中、胸にずしんと響いた言葉があった。

「誰が監督をしても、球団主導の組織となり、ドラゴンズの育成システムを確立しなければ、未来はないと思っています」

歓喜の日に、あえて戒めの言葉を発することができる良き指導者が、ドラゴンズにもいる。4軍制を採用し、フロントが先頭に立って12球団随一の育成システムを構築しているソフトバンクホークスに3連勝しての逆転優勝だけに、その言葉の重みは増す。やればできる!

甲子園での勝利で、1軍の最終順位4位が確定した。3年連続最下位という悪夢から解き放たれたといえ、まだまだBクラスの4位、クライマックスシリーズには13年間も出場できていない。落合2軍監督が指摘したような「球団主導の組織」としてチームを強化できるか。強竜再建へ、大切なシーズンオフが待っている。
                                                            
                     【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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