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ドラゴンズは交流戦4年連続の負け越し「やはり打たなきゃ勝てるわけなし」

ドラゴンズは交流戦4年連続の負け越し「やはり打たなきゃ勝てるわけなし」
井上一樹監督(C)CBCテレビ

竜の交流戦が終わった。本拠地バンテリンドームでの最終戦こそ、北海道日本ハムファイターズに快勝したものの、8勝10敗で4年連続の負け越しだった。(敬称略)

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3連敗あり、5連勝あり

まさに乱高下の2025年(令和7年)セ・パ交流戦だった。いきなり福岡ソフトバンクホークスに3連敗したものの、千葉ロッテマリーンズに3連勝、さらに東北楽天ゴールデンイーグルスにも勝ち続け、連勝は5まで伸ばした。一時は同率だが、交流戦の首位にも立った。「今年こそ交流戦で優勝!」という淡い夢を抱いた中、後半戦になると失速して、名古屋での6連戦、オリックス・バファローズと北海道日本ハムファイターズに負け越した。ファンとしても一喜一憂の連続だったが、終わってみるとため息も出る。

何とも苦手な選手だった

新庄剛志監督(C)CBCテレビ

今年も新庄剛志監督率いるファイターズとの戦いには、応援するファンとしても複雑な思いが交錯した。6月20日の初戦をバンテリンドームの内野スタンドで観戦したが、どうしても“苦手意識”を感じてしまう。それはファイターズというチームに対してと言うよりは、「新庄剛志」に対してである。

思えば2006年(平成18年)、落合博満監督の下でリーグ優勝した時のドラゴンズは、打つ方では福留孝介が首位打者、タイロン・ウッズがホームラン王と打点王、投げる方では川上憲伸が最多勝に最多奪三振、岩瀬仁紀がセーブ王など、ほとんどの個人タイトルも独占する、球団史上でも“最強”とも言える布陣だった。しかし、日本シリーズでは、現役引退を発表していた新庄(当時の登録名「SHINJYO」)に話題を独占され、その勢いの中で1勝4敗とファイターズに敗れ去った。

新庄監督の見事なチーム作り

新庄剛志監督と井上一樹監督(C)CBCテレビ

現役時代の新庄“選手”にもやられたが、新庄“監督”にも3連敗、3連敗、1勝2敗と、
2022年(令和4年)からの3年間で1勝8敗となかなか勝てなかった。今回観戦した試合も、ファイターズのエース・伊藤大海を打ち崩せないまま、0対1で完封負けを喫した。6回表に五十幡亮汰に打たれた3ベース、3塁まで疾走したスピードが象徴的だった。続く清宮幸太郎の犠牲フライで、あっさりと1点を奪われて、結局それが決勝点。ファイターズは4安打、ドラゴンズはそれを上回る5安打、しかし敗れた。苦手意識とか、相性とかではなく、チームの実力の差を目の当たりにした思いだった。現在はパ・リーグ首位を走る。同じ年に監督に就任した立浪和義前監督が成し得なかったチーム作りを、新庄監督は着々と進め、そして実を結んだと痛感した。

屈辱!2試合連続“完投負け”

高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

観戦したゲームに限らず、ドラゴンズ打線は交流戦で相手が変わっても「打てない」そして「得点できない」。ショックだったのは、ライオンズ相手に喫した2試合連続の“完投負け”である。6月14日には高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)が最後まで試合を投げ切って2失点、翌15日には松葉貴大が同じく完投して1失点、しかし、味方打線はそれを上回る得点を挙げることができずに連敗した。交流戦を終えて、チーム打率もホームラン数も相変わらずリーグ最下位が続いている。その内に、好調な投手陣が疲弊しないか、それが最大の心配である。(成績は6月22日現在)

松葉貴大投手(C)CBCテレビ

盗塁数は昨季を超えた!

岡林勇希選手(C)CBCテレビ

そんな中、明るい材料もある。チームの盗塁数は45でリーグ2位、そして犠打の数も59でリーグ2位である。なかなか得点できない中、井上一樹監督らベンチは、とにかく「何とかしよう」と動きまくっている。1点をもぎ取ろうと工夫している。特に盗塁の数は、昨シーズン最終的に40だったことを考えると、今季すでにその数を上回っている。ここ数年のドラゴンズにはなかった、嬉しい機動力である。こんなチームの胎動が、早く勝利として結実することを願ってやまない。

交流戦の最後になって、ケガで離脱していた細川成也が打線に戻ってきた。復帰後は毎試合のヒット、ようやく待望の「4番」が固定できそうである。交流戦明けのゲームは、今季の70試合目、シーズンはまだ半分以上残っている。セ・リーグ各球団も交流戦では苦戦して、ゲーム差も大きく開いていない。近づく梅雨明けと共に、井上竜が昇る“夏空”を待ち望んでいる。                                                             
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。

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