関東の竜党もスタンバイOK!井上ドラゴンズ逆襲の開幕へ「マスドラ会」熱く燃える

いよいよ近づくペナントレース開幕へ。井上一樹新監督が率いる中日ドラゴンズの逆襲を信じて、関東のドラゴンズファンたちも気勢を上げた。
開幕へ「マスドラ会」が総会

「われらマスコミ・ドラゴンズ会(マスドラ会)」は、1985年(昭和60年)にマスコミ関係のドラゴンズファンによって結成された。その歩みも40周年を迎えて、会員も関東の竜党を中心に170名を超えた。2025年(令和7年)3月24日に、東京都内で年度総会が開催された。思い思いのユニホーム姿のメンバーら40名が参加した会場では、応援歌『燃えよドラゴンズ!』が流され続け、まさにドラゴンズブルー一色の空気に包まれた。
鈴木会長「今年こそ優勝!」

冒頭あいさつに立った鈴木遍理会長は「会長になってから3年間、ずっと最下位だった」と自嘲気味に語り始めた。中日新聞社でのドラゴンズ担当記者時代の思い出から、井上新監督の選手時代からの魅力を語り、「立浪前監督の“後を継ぐ”と言いながらも、自分の思ったことを実行するはずだ」と期待した。その上で「いいチームになった。今年こそ優勝です!」と力強く宣言して、大きな拍手に包まれた。
小松OB会長が語る激戦

マスドラ会の総会には、毎回、ドラゴンズ関係のゲストが招かれるが、今回は、ドラゴンズOB会長で野球評論家の小松辰雄さんだった。1982年(昭和57年)には、“野武士野球”と呼ばれた近藤貞雄監督の下で、シーズン最終戦での胴上げ投手になった小松さん。エース時代に最もライバルとして意識した打者は、讀賣ジャイアンツの原辰徳さんだったと明かした。
そして、リーグ優勝に向けて、巨人のエースだった江川卓さんを打ち砕いて逆転勝利したゲームの思い出などを披露して、会場を大いに沸かせた。江川投手の剛球はすさまじく、打席に立つとバレーボールくらいの大きさに見える迫力で迫ってきたという。それに打ち勝っての優勝だから、価値があると言える。「当時のチームは個性ある選手が多かった」と小松さんは懐かしがった。
順位予想は4位、しかし・・・
最も気になる、井上ドラゴンズの順位について小松さんは「4位かな」と予想した。しかし「優勝も十分ありえる」と付け加えた。投手については、高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)を筆頭に「頭数は揃っている」と分析。一方の打線については、オープン戦でもなかなか得点機に打てなかったものの「開幕すれば、ガラッと変わることもある」と語った。ただ、ケガをして開幕に間に合わない選手が多い現状は気がかりだとして、現役時代からガッツを見せてきた人だけに、こう言い切った。
「ケガをするなら、活躍してからケガをしてほしい」
OB会長としても、ヤキモキしている気持ちを吐露していた。
会場では、石川県出身の小松さんから、地元の能登半島地震へのチャリティーとして、小松さん、故・杉下茂さん、権藤博さんという“背番号20”選手のサイン入りユニホームが出品されて、会員たちの熱もさらに高まった。
ドラゴンズの情報があふれる名古屋地区と違って、関東のドラゴンズファンは、熱心に数が少ない竜の話題に日々コンタクトしている。その応援はピュアであり、そして力強い。「マスドラ会」の熱きマグマが井上竜の戦いを突き動かすことを願いながら、本拠地での応援も負けていられないと、あらためて決意した。
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲 愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。