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来年のカレンダーが語る!新生・井上ドラゴンズの現在地と未解決の課題

来年のカレンダーが語る!新生・井上ドラゴンズの現在地と未解決の課題
井上一樹監督(C)CBCテレビ

2025年のドラゴンズカレンダーが発売された。表紙では、力強く腕組みをした井上一樹新監督、そして、それを取り巻くように13人の主力選手が躍動している。ファンにとっては、どんな選手が何月に掲載されているのか、来季への期待と共に年末の楽しみでもある。(敬称略)

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ライデルの去就はいかに?

ライデル・マルティネス投手(C)CBCテレビ

「う~ん」、カレンダーの1月を見て、思わず唸ってしまった。“竜の守護神”ライデル・マルティネスが、いきなりワンショットでの登場である。抑え投手が、年の最初を飾ったことは、過去にあまりなかった。43セーブという圧倒的な成績によって、2度目のセーブ王に輝いた投手も、契約が満了となり、ドラゴンズに残留か他球団への移籍か、その去就が注目されている。1月に起用したのは、もしドラゴンズを離れることになった場合は、早めに2月のページへ進めるからという、球団の苦渋の選択であろう。ファンとしては、1月31日まで、この写真を掲げたいと願う。

小笠原のメジャー挑戦

小笠原慎之介投手(C)CBCテレビ

続く2月にも、苦慮した跡がうかがえる。復活を期す柳裕也と並んで掲載されているのは、背番号「11」の小笠原慎之介である。投手のページが2か月続くが、小笠原もメジャーへの移籍をめざしていて、ドラゴンズのユニホームを脱ぐ可能性がある。夏の甲子園の優勝投手としてドラフト1位で入団しての9年間、先発投手陣を支えてきた左腕も、旅立ちの時を迎えている。掲載ページの2月に入った時に、小笠原の姿がキャンプ地の沖縄にあるかどうか。1月掲載のライデルと共に、ファンにとっては気になる今後の行方である。

開幕に合わせて投打の2人

細川成也選手(C)CBCテレビ

3月と4月は納得の人選だ。ペナントレースが開幕する3月は、高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)の投球フォームが、ページ全体に躍動している。開幕投手の最有力候補であり、一気に“竜のエース”に登りつめる大切なシーズンを迎える。4月は細川成也が力強い打撃スイングを披露している。現役ドラフトで入団して2年間、今や押しも押されもしない主力打者となった。二人三脚で歩んできた和田一浩コーチは退団したが、初のベストナインにも選ばれた主砲は、来季も打ち続けてくれるだろう。

夏に向けて期待の選手たち

清水達也投手(C)CBCテレビ

5月からは、複数選手でのページが続くが、組み合わせの選択は「よく練られている」と思った。5月は石川昂弥と岡林勇希、共に6年目を迎える同期コンビである。この2人がしっかりレギュラーに定着することが、低迷脱出のカギとなる。6月は清水達也と松山晋也という若きリリーフの2投手。1月ページの動向によっては、どちらかがその座を継ぐことになるが、どちらであろうと十分に務めることができるであろう。7月には、さらなる躍進が期待される3人の内野手。福永裕基、田中幹也、そして村松開人である。3人ともにレギュラーを掴むシーズンであってほしい。

松山晋也投手(C)CBCテレビ

ベテラン勢の奮起を待つ

涌井秀章投手(C)CBCテレビ

8月からもリリーフ陣や捕手陣が複数で登場する。涌井秀章、大野雄大、そして祖父江大輔のベテラン投手陣は11月、中田翔、大島洋平、そして高橋周平というベテラン野手陣は12月に掲載された。すでに翌年のカレンダーが発売されているタイミングとなる。2024年シーズン、こうした手練れたちが十分に活躍できなかったことの表れでもあり、同時にドラゴンズというチームが新旧交代の時期を迎えていることを語っている。しかし、V奪還には彼らの活躍が不可欠である。カレンダーのページを覆すような活躍に期待したい。

中田翔選手(C)CBCテレビ

黄金時代を見習って!

高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

カレンダーの話題になると、筆者が必ず主張してきたのは「1ページ1選手であるべき」という持論である。12ページしかないカレンダーに選ばれるという“価値”をもっと高めてほしい。最新の2025年カレンダーでのワンショットは、ライデル・マルティネス、高橋宏斗、そして細川成也の3人だった。

しかし、かつてはそうではなかった。山田久志監督2年目の2003年(平成15年)カレンダーは、1月の福留孝介から始まり、立浪和義、川上憲伸、谷繁元信、岩瀬仁紀、井端弘和、荒木雅博、そして山本昌らが「1人1ページ」で登場している。この顔ぶれは圧巻である。翌年から落合博満監督に率いられての黄金時代が始まるのだが、その予兆はカレンダーに表れていたのである。

カレンダーの表紙をめくれば、シーズン開幕はあっという間にやって来る。3年連続の最下位から脱出するためには、上位球団以上の練習が必要であろう。カレンダーに写るユニホーム姿が汗と泥にまみれるような、そんな厳しいオフを過ごしてほしいと願う。

(2024.12.03)
                          

【東西南北論説風(541) by CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。

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