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ピカチュウに負けるな、立浪ドラゴンズ!横浜スタジアム夏の陣への「喝!」

ピカチュウに負けるな、立浪ドラゴンズ!横浜スタジアム夏の陣への「喝!」
「サンデードラゴンズ」より立浪和義監督(C)CBCテレビ

まさか「ポケモン」が対戦相手になるとは思わなかった。中日ドラゴンズは6月30日から横浜スタジアムで、好調な横浜DeNAベイスターズと戦うが、この3連戦が「ポケモンボールパークヨコハマ」と名づけられたスペシャルイベントとなる。

ポケモン満載の3連戦

パシフィコ横浜でポケモンゲームの世界大会が開かれるため、それに合わせて企画された。ベイスターズの選手たちは、人気ポケモンの「ピカチュウ」が描かれた黄色いヘルメットで打席に入る。試合前も、ピカチュウのシルエットが入ったTシャツを着て練習する。

注目は大型ビジョンの演出である。ホームランの時、奪三振の時、投手の交代の時、画面にポケモンたちが登場する。ベイスターズの選手それぞれがお気に入りのポケモンを選び、スタメンの発表や打席に立つ時には、ビジョンに選手とポケモンのツーショットが映し出されると言う。こうして企画内容を紹介しているだけでも、楽しみになってくるイベントだ。

ハマスタの楽しい演出

もともとハマスタの演出は、毎年新しい工夫も凝らされていて、とても楽しい。試合前には場内アナウンスで「ようこそハマスタへ!よい試合をしましょう」など、相手チームの応援団まで激励される。試合前には、守備につくベイスターズナインと一緒に子どもたちもグランドに飛び出て、そのポジションの選手が子どもたちのユニホームにサインをする風景も目撃した。親御さんにとっても感激のシーンだろう。

2023年のセ・パ交流戦では、4番を打つ牧秀悟選手の“そっくりさん”が全国各地から17人集合するという、何とも楽しい企画もあった。この試合で牧選手は4安打の大活躍。さすがである。ベイスターズは交流戦で初優勝した。こうした企画もチームの勢いに一役買ったはずだ。

ドラゴンズよ!負けるな

「サンデードラゴンズ」より細川成也選手(C)CBCテレビ

今回のポケモン企画、よりによって、その相手に選ばれたのが立浪ドラゴンズなのである。2022年シーズンは、ベイスターズに6勝18敗1分と、実に12の負け越し。今季の2023年もここまで2勝6敗と分が悪い(成績は2023年6月29日現在)。そんな苦手な相手に、ピカチュウはじめ数々のポケモンが“戦力”として加わるのだ。

思い出すのは、ほぼ1年前の札幌ドームでの北海道日本ハムファイターズ戦。人気の「キツネダンス」に圧倒されたのか、ベンチでキツネダンスを真似る余裕もないままに、ドラゴンズは3連敗を喫した。今回、その二の舞だけはどうかご勘弁いただきたい。

ファンサービスの研究も

ドラゴンズナインには、ポケモン人気を吹き飛ばす熱い戦いを期待するとして、フロントなど球団関係者には、そんなベイスターズのアイデア企画の数々を目の当たりにしてきてほしいと期待したい。

竜の本拠地バンテリンドームナゴヤでも、様々な企画が行われているが、ハマスタ含めて他球場の演出に比べると、残念ながらまだまだ物足りないという声を聞く。もちろん、球場の事情が違うので、できることとできないこと、それぞれあるのは仕方ないのだが、実現できそうな企画は、どんどん取り入れてほしい。他球団の真似をしてもらっても、ファンとしては一向に構わない。ドーム観戦の楽しさが増した方がいい。

野球の楽しさこそ!

「サンデードラゴンズ」より高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

「メジャーの野球場は、まったく野球を知らない人が半分いても楽しむことができる」。

これはドラゴンズから米国に行き、メジャーリーグでプレーした川上憲伸さんの経験談である。何か楽しい空気に誘われて野球場に行き、そこで野球の楽しさ“も”知る。ポケモンを楽しみに来る子どもたちの中では、きっとベイスターズファンが増えることだろう。それはこちらにとっても大チャンス。そんな舞台を“ジャック”して、ドラゴンズファンを増やしてきてほしい。竜戦士たちよ、頼んだぞ!                    
  
【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。

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