CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

“ワチョよ!ドラの救世主となれ!”アリエル・マルティネスが挑むレギュラー定着

“ワチョよ!ドラの救世主となれ!”アリエル・マルティネスが挑むレギュラー定着
「サンデードラゴンズ」よりアリエル・マルティネス選手(C)CBCテレビ

【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)

投手根尾昂に賛否両論!

まさに予想外の展開だった。先週のドラゴンズ、地元バンテリンドームでのベイスターズ二連戦、そして舞台をマツダスタジアムに移してのカープ三連戦でまさかの5戦全敗。今季初となる五連敗を喫し、借金は危険水域ともいえる4まで膨れ上がった。

なんとも悶々とした一週間を過ごしたドラゴンズファンだったが、唯一21日のカープ戦でプロ入り初登板を果たしたピッチャー根尾昂だけが、未来への希望を感じさせる明るいニュースとなった。

「サンデードラゴンズ」より (C)CBCテレビ

ただ、この根尾ピッチャー起用については、サンドラコメンテーター陣の間でも意見は賛否両論。チャレンジすることで野球の見方が変わるという意見から、中途半端の起用はやめ、ショートで起用すべきという見方、そして年齢的にもまだまだ若いわけで色々と試した中で最終的に落ち着く場所を探ってみては、という根尾の成長を今しばらく見ていきたいという声など、様々な意見が飛び交った。

この日のゲストコメンテーターの吉見一起さんは、根尾の投手起用肯定派。ただし二刀流を続けるならば、身体の使い方が小さくならない外野手との兼用を提言した。

吉見『投げるなら先発する姿が見たいですね』

一ドラファンとして言わせてもらえば、敗戦処理で投げる姿は見たくないのが正直な意見。願いが叶うのならば、しっかり“投げる身体”を作り上げ、バッターと対峙できる球種を増やすことができた時、“先発根尾昂”としてマウンドに上がってもらいたい。

さて今週のサンドラは、不振が続いたビシエドに代わり四番を任されるなど、今ではドラ打線に欠かすことのできないバッターへと成長したアリエル・マルティネス外野手に単独インタビュー!来日5年目、慣れないレフトのポシションを懸命に守り、レギュラーを狙うアリエルの心境に迫った!

とにかく試合に出たかった

「サンデードラゴンズ」よりアリエル・マルティネス選手(C)CBCテレビ

5月11日、神宮球場で行われた対スワローズ戦。新型コロナウィルスの影響で主力4選手が不在。チームに訪れたピンチの救世主となったのがアリエル・マルティネス。彼の放った一発で試合にケリをつけた。

とにかく試合に出たかった。出場機会に飢えていたアリエルは、持前のパワーでレギュラー奪取をアピールした。

遡ること去年の秋季キャンプ。アリエルがノックを受けていたポジションは、長年守り慣れた捕手ではなく外野。出場機会を求め、打力を活かすためのコンバートだった。外国人選手として異例のフル参加を果たし、外野手の練習に時間を割いた。

『外国人キャッチャーとして注目を浴びていたし、そういった面でキャッチャーが好きだけど、(外野へのコンバートが)神のお告げだと思って。とにかく試合に出たかった』

と、当時を振り返るアリエル。

だが、レギュラーを奪いたい強い気持ちは時として空回りもした。全力で取り組んだ今春キャンプ、そして迎えたオープン戦。周囲の期待とは裏腹に打撃不振に陥ったアリエル。オープン戦の成績は12打数ノーヒット。レギュラーどころか開幕一軍入りも逃してしまう最悪のスタートとなった。

アリエル『キャンプで体をすごく追い込んだんだ。自分でも疲れを感じていて、結果が出ないというのは分かっていた。開幕一軍に入れないことには納得していた。だけどファームで調子を上げていこうと気持ちを切り替え、しっかりやっていました』

その言葉通り、ファームで実戦感覚を取り戻すと打棒復活。打率も.361と高打率を残した。そして4月5日、満を持して一軍昇格。その後、一軍メンバーに名を連ねてから13試合を打率.302と好成績を残した。しかしその後、スタメンに定着をしたのはアリエルではなかった…。

掴んだチャンスは離さない

「サンデードラゴンズ」よりアリエル・マルティネス選手(C)CBCテレビ

首脳陣は好調アリエルではなく、岡林やルーキー鵜飼といった期待の若手を積極起用。伸びしろのある選手の台頭で、4月29日から5月8日までの9試合、アリエルの先発出場はゼロ。代打での起用がわずか4回という、フラストレーションが溜まる日々を過ごした。それでもアリエルは“チームの勝利のためなら”と、明るく前を向いた。

アリエル『やっぱり自分だけでなく若手も伸びているし、お互いに切磋琢磨してやっている中で、納得というか理解をしながらチャンスが来るところを待って、我慢しながらやっていました』

そしてチャンスは予期せぬ形で訪れた。

木下、石川昂、平田、鵜飼ら主力4選手が新型コロナウィルス陽性判定で戦線離脱。大幅なスタメン変更を余儀なくされ、ようやくアリエルにチャンスが巡って来たのだ。

5月10日のスワローズ戦(神宮)。10試合ぶりのスタメンでの第二打席。スワローズ先発小川泰弘投手が投じた外角ストレートを一閃!打球はスワローズファンが詰めかけたライトスタンドに吸い込まれ、待望となる今季1号ホームラン。これまでのうっ憤を晴らすような一振りで試合を決めた。

翌日11日は不調のビシエドに代わって、4番昇格。2試合連続決勝弾を放ち、見事指揮官の期待にバットで応え、チームの窮地を救ってみせた。

アリエル『試合に出たいハングリーな気持ちだった時にチャンスをもらって、スイング、タイミングすべてが良かった』

ファンに愛される主砲への成長を

「サンデードラゴンズ」よりアリエル・マルティネス選手(C)CBCテレビ

その後もアリエルのバットは止まらず、主力選手不在の中で戦ったビジター6連戦(5/10~15)で21打数11安打、打率.524、本塁打3の大暴れ!その活躍に呼応するように、主砲ビシエドも復調。ふたりが並ぶ打順の時にはそれぞれ高打率をマークし、先週15日のジャイアンツ戦では初となるアベック弾も飛び出した。

アリエル『タンケ(ビシエド)がホームランを打って、ボクも打って、ドラゴンズファンの盛り上がりが凄かったよ!』

ここまで打率は.314(5/23現在)と好調をキープ。24日から始まるセパ交流戦では、おそらく指名打者として名を連ねるだろうアリエル。なかなかチームの調子が上がらない中、アリエルのバットで勝利をモノにし、気づけば交流戦終了時には借金返済はもちろん、首位戦線に躍り出る。そんな期待を胸に秘め、これからの戦いを楽しみにしていきたい。

アリエル『ドラゴンズには5年もお世話になって、チームメイトも名古屋もファンの皆さんも大好きです。ドラゴンズが良い順位にいられるよう頑張ります!』

ニックネームはキューバで田舎者を意味する“ワチョ”。愛すべきナイスガイのアリエル。ビシエド同様、今以上に日本を、そして名古屋を愛するプレイヤーになって、いつまでもドラゴンズでプレーしてもらいたい。そう願うばかりだ。

がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!

竹内 茂喜

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP