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吉見、今だから明かす!大野雄大が真のエースになれた理由と憲伸が語る楽天・涌井の思い出

吉見、今だから明かす!大野雄大が真のエースになれた理由と憲伸が語る楽天・涌井の思い出
CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」(C)燃えドラch

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
川上・吉見のすべらない話シリーズ プロ初話後編

今回は中日ドラゴンズのWエース対談!川上憲伸さんと吉見一起さんの特別編!
テーマは「エース論」!
前回は対戦したくなかった投手では憲伸さんから予想外の投手の名前が上がったり、吉見さん入団当時、ドラゴンズ投手陣のレベルの高さに仰天した話など、ドラゴンズファン以外でも野球好きであれば興味津々な話ばかり!
後編はいったいどんな話に展開していくのか!?

練習したからエースになれた大野!?

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」(C)燃えドラch

後編、口火を切ったのは吉見さん!
ネタはドラゴンズ、現在のエースである大野雄大投手について。
直接エース道を授けただけに、沢村賞まで獲得した現状には喜んでいることでしょう。

吉見『大野雄大はエースになりましたよね!』

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」(C)燃えドラch

川上『やっぱり、お酒をやめてからかな?やめる宣言したくらいから、急に伸びたよね』

断酒宣言ありました!(笑)

吉見『あまり練習をしないタイプなんですよ、大野って。それが…』

2、3年前、大野から聞いた話によると、全体練習終わってから、大野自身が個別練習をし出したという。

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」(C)燃えドラch

吉見『大野が言ったことが“吉見さん、練習したら上手くなるもんなんですね”と言ってきたんですよ!練習して上手になったのかもしれないです(笑)』

川上『え~!マジでぇ~!(苦笑)でもその辺りからあきらかに変わったよね!』

川上『オレ、たぶん大野雄大よりなんだわ』

練習というものはやらされたくない。
でもやらされないとやらない自分を知っているから今があるという憲伸さん。

練習が厳しすぎた高校時代、練習もきついが、それ以上に訳の分からない“躾”が身に堪えた大学時代。
プロ入ったら練習はキツイと聞いていたものの、いざ入ってみれば、高校、大学の比でなく、楽にこなせたという。

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」(C)燃えドラch

川上『そういう意味では大学からプロに入った時にサボリ癖がついちゃったのよ。トレーニングコーチが作る練習メニューを鬱陶しいなあと思いながらも、“もっと言ってください!もっと言ってください!やります!”とイイ顔しながらやってた。だからアメリカ行った瞬間に急に終わったよね、オレ。誰も言ってくれなくて、練習やらなくなっちゃったから』

アメリカは自己管理の社会。
自分が必要としたモノは自分自身が動いてこそ身につくことができる。
そこを憲伸さんは見誤ったと振り返る。

川上『やっぱりアメリカと日本はあきらかに練習量がグッと変わるからね。ダルビッシュとかマエケンとか未だに頑張っているのは凄い練習をしていると思うよ。見えないところできっとやっている。そういう意味では大野雄大もようやく成果が出たって感じじゃない?』

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吉見『大野は30歳超えたくらいから話し方が変わったんですよ。受け応えが大人になった。考えて物事が話せるようになったと思います』

川上『子供ができたくらいじゃない?』

吉見『かもしれないですね!』

精度をさらに増した楽天・涌井

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話は変わり、他球団で凄いピッチャーといえるエース級を挙げて欲しいという問いにスラスラ名前を挙げる憲伸さん。

パ・リーグに多くの人材が揃っていると言い、オリックス・山本由投手、ソフトバンク・千賀投手、そして今やベテランの域に達したと言っても良い楽天・涌井投手の名を挙げた。

川上『涌井はセ・リーグっぽいピッチャーで、よく生きているなって感じ。一番彼がいいなと思うのは、10年くらい前、ちょっとスピードが落ちて苦労していた。いわゆる若年寄のピッチングをしていた。変化球でかわす感じ。もう終わるのかなと思ったら、ロッテへ移籍した時からまたスピード上げてきて、精度が全部良くなった』

吉見『そうですね。(涌井は)ピッチングが上手というか』

CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」(C)燃えドラch

川上『上手だよね。ピンチになっても焦っていないもんね。一緒にご飯食べたことある?ピンチの時と一緒!もっと緊張感持てよって感じ(苦笑)』

涌井の思い出を話始める憲伸さん。
遡ること、北京オリンピックで代表に選出された時のことである。

川上『その時涌井の他、ダルビッシュ、マー君がおったんよ。ダルは若いんだけど、若い中で仕切っている。引っ張っていく感じ。マー君なんて当時はまだ全然(笑)。指くわえていたようなイメージだわ。涌井だけは歳は下なんだけど、ベテランの中に入っていて、普通に会話したり、堂々たるもんですよ、彼は。動じない!』

まさに動じないピッチングは涌井の真骨頂!

川上『結構イニングも投げられるしね、彼』

吉見『球数も投げますよね』

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川上『地味に開幕投手8回くらいやっているでしょ?もっとやってんのかな?地味に(笑)』

実際は10回を数える涌井の開幕登板回数。
ちなみにプロ野球記録は金田正一さん、鈴木啓示さんが持つ14回。

エースの称号とは

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吉見『川上さんは開幕、何回されたんですか?』

川上『オレ、インチキが一回あるから7回(笑)』

インチキとは?
川上さん曰く、一度ドラゴンズをクビになってから、再契約されたシーズンの開幕戦に投げたことをインチキとして回数に数えているようだ。
吉見さんは、2010、12、13年の計3回。

開幕を任されるイコール、一年間チームのエースとして活躍して欲しいという監督の想いが込められた起用と言えよう。
昨年一年間の疲れが出たのか、現時点、スロースタートの感が強い大野雄大。
憲伸さん、吉見さんの期待に応える“エースのピッチング”を見せ続けてもらいたいと願うばかりだ。

そして、かつて落合元監督が吉見さんに残した“5年続けて2ケタ勝利すればエースとして認めてやる”この言葉が大野投手に受け継がれることを期待したい。

実際、5年連続2ケタ勝利を挙げたドラゴンズのピッチャーを遡って調べると、
1973年から77年までの星野仙一さん以来、30年以上も達成者がいない偉業となる。“エースの称号”を手にする為にも、大野投手には是非とも挑んでもらいたい。

(竹内茂喜)

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