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竜の謙虚すぎるマスター阿部寿樹 打撃・守備・髭の秘密に迫る

竜の謙虚すぎるマスター阿部寿樹 打撃・守備・髭の秘密に迫る

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

今週のサンドラは、ヒゲのマスター・阿部寿樹選手のインタビュー特集。5人のレジェンドOBが考えた鋭い質問を阿部選手にぶつけます。阿部選手の回答もさることながら、5人のレジェンドOBの個性が現れた質問内容も見所。

阿部寿樹選手は優しげな面持ちと整えられたヒゲから”マスター”という愛称で親しまれる。レギュラー定着2年目ながら、安定した守備とチーム2位の7本塁打とパンチ力もあるバッティングが魅力的な選手だ。そんな阿部選手の野球に対する考えに迫っていく。

井端弘和のquestion (赤星憲広も同様)

「右方向へのバッティングが持ち味ですが、実際打席ではどこを狙っていますか?」

阿部選手のanswer
「僕の場合引っ張るとゴロになりやすいので、状況によってここは進塁打でいいとか。追い込まれたら何とか球を長く見たいので(引き付けるために右方向を意識しますけど状況に応じて変えているつもりです。)」

そう応える通り、阿部選手の打球方向別ヒットの本数もレフト方向19本、センター方向15本、ライト方向26本。安打になっているのはライト方向が多い。また、打球方向を独自に集計したサイトをみるとアウトになったものを含めるとレフト方向への打球のほうが圧倒的に多く、全てが右方向というわけではなく打ち分けているのが面白い。ホームラン数はやはりレフト方向4本、センター方向1本、ライト方向2本と左方向を狙って長打を打てるメリットもある。自身のコンディションや、チームとしての攻撃状況によって判断しつつバランスを取っているのが阿部選手らしい。

「社会人野球の時に、先輩に右方向の打球のほうがいい打球がいってると言われててそこから練習し始めて悪い時だと結構ファウルになってしまうので。右に打とうとして左に引っ掛けてしまったりすることが多いので、右方向にどう言う打球が行くかというのは調子のバロメータにはしてるつもりです。」

データを見ても、右への打ち損じが減れば左方向でアウトになっている数も減るので右打ちを得意にしながら広角に打ち分けられる印象がつくのではないかと感じた。すでに昨年に並ぶ本塁打数を誇る通り年々アップデートされている阿部選手にはさらなる進化を期待したい。

川上憲伸のquestion

「僕は阿部選手をミート力:5、走力:5、守備力:5、肩:6、パワー:6と評価します。ここに+3できるとしたらどこにしたいですか?」

阿部選手のanswer
「バランスが良くて良かったです。やっぱり二遊間なので守備力に+3で!」

ーなぜ守備力を強化したい?

「やっぱりエラーするとチームに迷惑がかかるので守備範囲もそうだが、状況判断とかも含めて一番勝ちに直結するので守備力を強化したい。」

 謙虚な言葉で守備に対する意識を語っているが、昨年はゴールデングラブの受賞はならなかったものの、セ・リーグ1位(.995)の守備率とUZR(簡単に言えば同ポジションの選手で比較し守備でどれだけ失点を防いだかの指標)ではセ・リーグ、パ・リーグ通じて1位と目立ちにくいながら素晴らしい結果を出している。京田陽太選手の守備力のレベルアップも目立つ今シーズンは、コンビネーションで更なるレベルアップが期待できそうだ。

谷繁元信のquestion

「くだらない質問ですみません。ヒゲはどのくらいの周期で手入れしていますか?アルモンテを目指すつもりは?」

阿部選手のanswer
「ヒゲの手入れは、基本的には毎日。アルモンテみたいに綺麗に生えてくれればいいですけど多分あんな綺麗には生えないのでアルモンテのようにするのは僕には無理ですね!」

ーなぜヒゲを生やそうと思った?

「ファームにいたとき、ちょっとヒゲが生えていて『ヒゲを生やすならちゃんと生やせ!』と小笠原元二軍監督に言われたので生やしました。」

谷繁氏の豪快な笑い声と共に聞こえてきそうな質問だが、小笠原元二軍監督からヒゲのバトンが継承されていることに熱いストーリーを感じます。いつか阿部選手も次世代にヒゲのバトンを受け渡していってほしいです。

岩瀬仁紀のquestion

「将来、どういう選手になりたいという理想像はありますか?」

阿部選手のanswer
「特に僕は特出したものがないので、バランス力で生き残っていかないといけないのでバランスいい選手になれればいいなと思います。目立たないように裏方的な感じで頑張ります!」

 自己評価といい、目標といい全てが阿部選手らしく控えめで地に足のついたコメント。そしてその謙虚さから、自らに課す基準を厳しく持って努力を怠らない。大学時代も練習のしすぎで怪我をした経験があるほどに、持ち前の謙虚さを活かすのが阿部選手の素敵で強い部分だ。

そんな阿部選手に岩瀬さんが期待することは。

「『3割10本80打点』打てるセカンドですよね、打点にこだわってほしいです。勝負強い選手になってほしいです。」

チームの勝利、優勝に向かっていくためには阿部選手のバッティングでの活躍は不可欠!慢心することのない精神と積み重ねた努力で打者として悟りを開いてほしい!

澤村桃

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