“民間人6万人超”が犠牲に・・知られざる「戦時徴用船」の悲劇 ドキュメンタリー
戦争が拡大する中で作られた法律、「国家総動員法」。
1942年には150トン以上のすべての民間の船が、
軍の管理下に置かれることになった。
そして人や物資の輸送などのため、
多くの船が否応なく戦地へと駆り出された。
こうした民間の船を“戦時徴用船”という。
その末路は、軍艦以上に悲惨なものだった。
戦時徴用船の調査を行い、
資料を展示する日本で唯一の施設が神戸市にある。
「戦没した船と船員の資料館」。
館内に飾られたおびただしい数の船の写真。
客船、貨物船、漁船などおよそ1000隻。
どれも戦時中、補給や輸送のため、海へかり出され、
撃沈された民間の船だ。
しかしこれでも、沈没した船のごく一部に過ぎない
物資補給しなきゃならん。そのために大型船で
十分だったけど、時代とともに結局は漁船とかの船が駆り出されて運びに行った。
国の調査によると、
戦時中、戦地で沈没した徴用船は7240隻に及ぶ。
犠牲となった民間人は実に6万600人、
10代の戦死者はその3割と際立って多い。
さらに驚くのは死亡者の割合。軍人と比べて倍以上の43%。
ほぼ半数が、海で死んでいった。
CBCテレビ 2015年8月放送 『還れない海へ ~知られざる「徴用船」の悲劇~』