“たった10cm”でも…威力はケタ違い 津波の恐ろしさをアナウンサーが体感
車や家を押し流してしまうほどの威力がある「津波」。
人は、ひざ程度の高さでも耐えることはできません。
南部志穂アナウンサーが、津波の研究者である中央大学の有川太郎教授の実験室で、津波の威力を体験しました。
【体験の様子は動画で】
高さ20~30cmの津波。
少し後ろに流されましたが、ロープを握っていたことで倒れずにすみました。
「自分が想像していた以上に水の力はすごいんだと思いました」(アナ)
高さ30~40cmの津波。10cmほど高くなっただけですが…
津波の力に耐えることはできず、あっという間に流されてしまいました。
「一瞬でした。一瞬で足がパッてすくわれて、そうするともう、いつの間にか流されている感じで、何が起こったかわからない感じ」(アナ)
「津波の高さが10~20cm違うだけで、力がずいぶん違う。人は流されてしまうとどうしようもないですから『水(津波)に遭うということが一番危ない』ということを理解していただくのが一番いいと思います」(中央大学 理工学部 有川太郎 教授)
南海トラフ巨大地震では、三重県鳥羽市で最大27m、愛知県田原市で最大22mなど、東海地方の沿岸部を巨大津波が襲うと想定されていますが、それだけではありません。
名古屋市内にも、最大で2.4mの津波が到達。
名古屋港がある港区だけでなく、中村区や瑞穂区も、1m以上浸水すると想定されています。
つまり、名古屋市内でも、津波で人が流されてしまう可能性があるのです。
津波から命を守るにはできるだけ早く、津波が届かない高い場所まで逃げるしかありません。
今、有川教授は、沿岸部の地区ごとにどの方向から、どれくらいの時間で、どれくらいの高さの津波が来るかをシミュレーションし、どの道を通ってどこまで逃げればいいか詳細な避難計画を作る研究もしています。
「自分が“どっちに行くか”という選択で、命を失う場合と失わない場合がある。津波に遭う前に逃げることが最も重要ですが、ギリギリの選択を迫られた時に“どちらに逃げるか”の選択に対して、こうした研究が使えるといいと思っています」(中央大学 理工学部 有川太郎 教授)
(2021年3月11日放送「チャント!」より)