超人気!「ゴリゴリ食感」の麻婆豆腐!?個性的な食感の秘密を握るある食材とは…
ほくほくの炒飯に、ジューシーな焼き餃子!ときどき無性に食べたくなる味が、大衆中華料理店、通称「町中華」です。人気町中華には、必ず長年愛されてきた「常連メシ」が存在しています。常連客を唸らせ、毎回注文したくなる「看板メニュー」には、一体どんな“ルーツ”が隠されているのか?「町中華「常連メシ」誕生秘話」では、愛知県名古屋市北区にある「名北飯店」の麻婆豆腐を調査しました。
「辛い<香り高い」!白ごはんと相性抜群な麻婆豆腐とは
昼時ともなると、行列になるほどの大人気町中華「名北飯店」。毎週ルーティンで食べに来る人や、週3回通って食べる人もいるのが、この店の看板メニュー「麻婆豆腐」です。中には「日本一うまい麻婆豆腐を食べさせてやる」といい、大阪から友人を呼んだ男性客も。
(常連客)
「辛すぎる麻婆豆腐は苦手。おいしいけど、辛すぎてダメ。(Qこの店は?)うまい!」
普段、麻婆豆腐を食べない人でも「名北飯店」に来ると、ついつい注文してしまう味だといいます。白ご飯との相性が抜群のようで…。
(男性客)
「担々麺じゃなくて白ごはんと合わせたい。余計な味をいれず、このまま行きたい!」
この日は、麻婆豆腐に担々麺が付くお得な日替わりランチだったにもかかわらず、あえて白ご飯つきの“普通の”麻婆豆腐定食をチョイス!辛みメインではなく、香り高くて豆腐が大きいところも、常連客達のお気に入りポイントです。
麻婆豆腐が「ゴリゴリ食感」?秘密は一風変わった食材たち
「名北飯店」の麻婆豆腐の最大の特徴が“ゴリゴリ感”と言われる食感にありました。麻婆豆腐の材料は、八丁味噌で甘辛く炒めた豚ミンチに、地元産の木綿豆腐。ここまでに“ゴリゴリ感”は無さそうです。
鍋でニンニク生姜と豆板醤を炒め、中華スープで味を調えたあと、一般的な麻婆豆腐ではなかなかお目にかかれない、タケノコ、ニンニクの芽、シイタケなどの具材が登場!これが“ゴリゴリ食感”の正体でした。
(常連客)
「かなりオリジナリティが強い。この味は名北飯店しか食べれない」
この食感を求めて麻婆豆腐を注文する客が殺到し、多い日は、豆腐が一日30丁、40食以上売れるまさに看板メニューです。名北飯店の個性的な麻婆豆腐のルーツは一体どこから来たのか、小学生のころから30年以上通っている男性客に尋ねました。
(小学生から通う常連客)
「先代店主の味から変わった。息子さんだと思う。麻婆豆腐の味が変わった。建物も変わったし…」
店主に尋ねた結果、麻婆豆腐の味には2代目の料理長が関わっていることが分かりました。
味の決め手は中国の発酵食品「豆鼓」!今も少しずつ変化し続ける麻婆豆腐
麻婆豆腐を改良した張本人、2代目料理長の長村孝男さんに理由を尋ねました。
(料理長・長村孝男さん)
「町中華は、ダイレクトに客の声が届く。これはまずい、これはうまい」
時代とともに変化する客の味への要望に応えながら、少しずつ改良する中でタケノコやニンニクの芽、シイタケを使うようになったのだとか。
(料理長・長村孝男さん)
「うちはいろんな食材入れて、味のカスタマイズ」
客の声で食材を少しずつ変えてきた、「名北飯店」の麻婆豆腐。中でも最大の進化が、日本の“納豆のルーツ”という説もある中国の発酵食品「豆鼓」。
“コクや風味”を加える、本場中国ではメジャーな食材です。日本では「豆鼓醤」という加工された調味料として中華料理に使うのが一般的ですが、「名北飯店」では“食感”を求める常連客に楽しんでもらえるよう、「豆鼓」を刻んで、そのまま麻婆豆腐の味付けに使っています。
常連客から愛される料理長の個性派麻婆豆腐ですが…。
(料理長・長村孝男さん)
「年々少しずつ変化しとるかもしれん!」
いまでも密かに、その味を少しずつ変化させているという麻婆豆腐。日々味わいが変化する不思議な麻婆豆腐を求め、今日も常連客がやって来ます。
CBCテレビ「チャント!」10月24日放送より