一生に一度!?「起し太鼓」を見るために3万人が集結した岐阜県飛騨市の「古川祭」
4月に岐阜県飛騨市で行われた「古川祭(ふるかわまつり)」。「昼」と「夜」で、2つの顔を持つ祭りとして知られる、春の風物詩です。神様が迷わず来ることができるよう、昼は豪華絢爛な屋台で町を彩り、夜は名物の「起し太鼓(おこしだいこ)」で神様が町へ降り立ったことを人々に伝えます。
2023年は4年振りの開催となり、世界中から集まった見物客は3万人に及びました。今回はそんな「古川祭」で一番アツい人、「OMATSURIちゃん」をタレントの寺坂頼我くんが探します!
度胸試し!?人並外れた技「とんぼ」で盛り上がる町の人々
午後5時半、人並外れた技を披露する祭り男たちや、町の人々が集まっていました。寺坂くんが何をしているのか聞いてみると…。
(祭りの男性)
「付け太鼓、やりたい人たちが集まって、町を盛り上げている。祭りがある1年のこの日が楽しみで」
「付け太鼓」とは各町内で保有される12の小太鼓。寺坂くんが発見したのは殿町(とのまち)の「付け太鼓」です。
「起し太鼓」とともに練り歩きを行う夜までは、それぞれの地区を回り「とんぼ」という技で町を盛り上げるのが習わしです。(「とんぼ」とは、小さい太鼓が付いた「付け太鼓」を立て、その棒の上でとんぼのようにポーズを決めること)
「19歳からあこがれた」一番の花形「太鼓打ち」への熱い想い
祭りの雰囲気も高まり、カッコイイ祭り男たちの姿を見て、寺坂くんは仲間に入りたいと願い出ます。すると、殿町のみなさんが衣装を一式、準備してくれちゃいました!
寺坂くん、OMATSURIちゃん探しから、自分もOMATSURIちゃんに変身です。
町回りが終わると、「付け太鼓」が全て集結し、祭りのボルテージは最高潮に。そして古川祭、夜の名物「起し太鼓」が始まります。
「起し太鼓」の主役は、その上にまたがって太鼓を叩く「太鼓打ち」。一生に一度しか乗ることが許されない大役なのです。
2人一組の3区間交代制で、今年その役ができるのはわずか6人だけ。そのうちの1人が、今回2区間目を叩く岩丸祐士さんです。
(一生に一度の太鼓打ちに臨む・岩丸祐士さん)
「(Q楽しみ度は?)楽しみというより緊張が…若いころからあこがれていた。19歳くらいから」
「(Qやる機会はなかった?)町内の全体の人に認められて、(起し太鼓に)上がらせていただける」
何度も祭りに参加し、その貢献が町中に認められた男だけが任されるのが「太鼓打ち」です。
(一生に一度の太鼓打ちに臨む・岩丸祐士さん)
「小さい子どももいるんですけど、毎晩祭りの練習に出掛ける。家事・育児を任せっぱなしで(妻に)感謝してもしきれない。そういう思いも背負って、一打一打魂を込めて打っていきたい」
背中を押してくれるたくさんの人への感謝や、20年分の思い。その全てが今夜の祭りにかかります。
40分間ノンストップ!「太鼓打ち」がスタート
「付け太鼓」は「起し太鼓」にできるだけ近づいて太鼓を叩くことが、名誉とされています。例年はその先頭争いで、激しい「攻防」が繰り広げられる様子も見どころなのですが、2023年はまだ、コロナ禍の自粛で禁止になっています。
そして、いよいよ岩丸さんの「太鼓打ち」の出番です。
(一生に一度の太鼓打ちに臨む・岩丸祐士さん)
「(Qどうですか?)何も言葉にできません。とにかく頑張ってきます!」
(妻・麻友美さん)
「私も緊張してきた、頑張ってほしい」
打ちはじめたら40分間、脚は大股…背筋はまっすぐ…腕は長さ1m近くあるバチを握りしめた状態で、力を抜くことは許されません。
「終った途端に震えが…」祭りが自分の全て!
大観衆が見守る中、みんなの思いものせて動き出した岩丸さんの「起し太鼓」。
(母・望東子さん)
「カッコよく、男らしく打ってもらいたい」
(父・博司さん)
「自分のことのようにうれしかった。思いっきり叩いてもらいたい」
(姉・友紀さん)
「太鼓を打つのが夢で、ずっと頑張っていた。きょうは晴れ舞台。今までの思いを全部ぶつけて!」
そして、40分に渡る、岩丸さんの魂の「太鼓打ち」が終了しました。
(岩丸祐士さん)
「(Q一生に一回の「起し太鼓」いかがでしたか?)最高でした。終わった途端に震えが…。一生の思い出」
「(Q古川祭どんなものですか?)全て」
祭りにかける様々なアツい思いに触れた寺坂くん。そして今回の「ベスト オブ OMATSURIちゃん」はもちろん…
(寺坂頼我くん)
「岩丸さん!!起し太鼓の上で叩く花形に対する情熱、何年間もためてきた憧れ、ひとつひとつの動きに爆発していた」
OMATSURIちゃんに選ばれた岩丸さんは、これからも自分なりに古川を活気づけたいと意気込みます。
新しい春に、目が覚めるような気合の手形が、また寺坂くんの法被に刻み込まれました!
CBCテレビ「チャント!」5月3日放送より