加藤愛アナが愛知県豊根村の愛されフード『お平』を調査! 伝統の大きすぎる具材に驚き! 正月に欠かせない料理
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。今回は、『愛知県豊根村』の『お平』です。
汁物? おでん? 具だくさんの家庭料理
「おひら」「おたいら」「おへい」とも読める『お平』を五平餅と予想して、調査を始めた加藤アナ。まず、読み方は『おひら』が正解で、豊根村の正月料理だとか。醤油味が定番の具だくさんの汁物で各家庭で作りますが、地元の“道の駅”でも食べられるとのこと。そこで、おじゃましたのが、村唯一の道の駅『豊根グリーンポート宮嶋』。村の土産物を販売するほか、レストランも併設。地元のお母さんたちが作る“おふくろの味”が楽しめるとあって大人気です。
登場した『お平(おひら)』は、汁物なのに汁が見えない! 豊根村の年越しに欠かせない、ゴロゴロ野菜てんこ盛りの正月料理です。加藤アナが「重い!」と言って箸で持ち上げたのは、おでんに入っていそうな輪切りの大根。「本当に味がよく染みた“おでん”みたい」といただきました。
自分たちで育てた野菜で作る『お平』は一年の集大成!
『お平』のおいしさの秘密は、自家製の野菜を使うこと。大鍋に、大根・にんじん・里芋など今が旬の冬野菜を敷き詰め、水で戻した干しシイタケを汁ごと入れます。さらに練り物と、糸昆布をドッサリ入れるのがポイント。
野菜の甘みをベースに、ちくわや薩摩揚げなどの魚肉から出るだしが味に深みを与え、それを昆布だしが一つにまとめてくれるので、味付けは醤油をほんの少し加えれば十分。何種類もの素材を掛け合わせるからこそ、シンプルなのに奥深い“おでん”のような味わいになるのです。
各家庭で育てた野菜を使う『お平』は、「今年一年こんなによく出来たね!」という感謝と自分たちを労う集大成の料理なのだとか。具材はどれも大ぶりで、口いっぱいに頬張るのが豊根流。里芋まるごと、一丁の4等分という豆腐…。「大きすぎません?」と聞く加藤アナに、「いや、大きくない。これが普通」と作ってくれたお母さんたちが口を揃えて答えました。
そもそも『お平』とは? 文化庁からも認定を受けた愛されフード
豊根村では“年取り膳(としとりぜん)”と呼ばれる精進料理を大晦日に食べて年を越す…という風習があり、『お平』はそのお膳の中の一つ。お膳を食べる習慣が簡略化される中、現代まで変わらず残ったのが、この汁物です。かつて、平たいお椀に入っていたことから『お平』と名が付いたとも。大晦日に大量に作り、5日間くらい煮直しては食べるという年末年始に欠かせない料理なのです。5日目ともなると、具材は煮崩れて、ほぼ汁状に。焼いた餅を入れて、雑煮風にして…という食べ方もあるとか。
『お平』は、少なくとも明治時代には定着していたことから“近代の100年フード”として、文化庁からの認定も受けた豊根村で一番古い愛されフードです。『道の駅 豊根グリーンポート宮嶋』では、冬季限定商品として現在、味わうことができます。
(CBCテレビ「チャント!」12月14日(木)放送より)