脳過労
サマリーSummary
ゲンキリサーチャー:U字工事
ドクター:奥村歩
脳過労について
脳過労とは、脳が疲労して疲れがたまり、心身に影響を及ぼしている状態。その症状は、認知症の初期症状と似ています。例えば、もの忘れ、集中力・作業能力の低下、理解力・判断速度の低下、人柄が変わる、などです。
なぜ「脳過労」は起きる?
脳は、情報を入れる「入力」。その情報の「整理」。話すなどの「出力」。これら3つのステップを通じて、情報を処理しています。しかし、脳が働きすぎると情報処理が追いつかず、脳機能が低下する現象が見られます。これが「脳過労」の状態です。
<スマホと脳の情報処理能力の関係>
1.入力
情報は主に目から入ってきますが、スマホは本に比べて、文章以外に「画面の光や色」、広告などの「動画」、リンク先への「ボタンの選択」など、情報が複雑です。そのため、脳の情報を処理する場所がいっぱいになってしまいます。
2.整理
スマホから膨大な情報が脳に入り続ける事で、整理整頓が間に合わず、脳がまるでごみ屋敷のようになってしまいます。
3.出力
結果、情報を取り出せず、漢字や人の名前を忘れる「もの忘れ」や、言葉が出ずに「会話ができない」といった症状が現れます。
あなたはいくつ当てはまる?「脳過労セルフチェック」
<脳過労セルフチェック>
1.よく眠れない事が多い
2.ここ数年もの忘れが増えた
3.よくイライラする
4.やる気・興味がわかなくなった
5.仕事・家事の段取りが悪くなった
3つ以上当てはまる方は、脳過労の可能性があります。
脳過労を回復させる方法
・ぼんやりする
ぼんやりする事で脳の情報が整理され、脳過労が回復します。「ぼっーとする」時間を作って、脳がごみ屋敷になるのを防ぎましょう。
・単調なリズム運動
皿洗いや、部屋の中での足踏みなど、単調なリズム運動を行いましょう。神経伝達物質「セロトニン」が放出され、脳の疲れを回復してくれます。
「脳過労」を引き起こすスマホの使い方
・目的もなくスマホを使用する
目的を持って使用するのは問題ありませんが、暇だからといって目的もなくスマホを使用するのは、ぼんやりする時間をデジタル機器によって奪われてしまい、脳過労を生み出します。
・ながらスマホ
お風呂に入りながら、歩きながらなどの「ながらスマホ」。2つの異なる行動を同時に行うマルチタスクは、脳にストレスを与えます。特に、テレビやPCとスマホを同時に使うと、情報量が大幅に増えるため脳へのストレスが大きく、神経細胞にダメージを与える事もあります。(※認知症予防を目的とした脳を刺激するマルチタスクトレーニングもあります。専門家の指導のもと行ってください)
今や私たちの生活に欠かせないスマホ。その便利さに頼り切るのではなく、使うシーンを考えて、上手に付き合っていきましょう。