脳過労

2019年6月9日(日)放送 【第359回】
脳過労

サマリーSummary

ゲンキスチューデント:北原里英
ゲンキリサーチャー:U字工事
ドクター:奥村歩
今や私たちの生活に欠かせない、スマホをはじめとしたデジタル機器。しかし、使い過ぎによって脳や身体に変調をきたす人が増加していると言われています。なかでも、増えているのが認知症に似た症状が起こる「脳過労」。そこで今回は、“デジタルと脳の関係”を徹底リサーチします。

脳過労について

脳過労とは、脳が疲労して疲れがたまり、心身に影響を及ぼしている状態。その症状は、認知症の初期症状と似ています。例えば、もの忘れ、集中力・作業能力の低下、理解力・判断速度の低下、人柄が変わる、などです。

なぜ「脳過労」は起きる?

脳は、情報を入れる「入力」。その情報の「整理」。話すなどの「出力」。これら3つのステップを通じて、情報を処理しています。しかし、脳が働きすぎると情報処理が追いつかず、脳機能が低下する現象が見られます。これが「脳過労」の状態です。

<スマホと脳の情報処理能力の関係>
1.入力
情報は主に目から入ってきますが、スマホは本に比べて、文章以外に「画面の光や色」、広告などの「動画」、リンク先への「ボタンの選択」など、情報が複雑です。そのため、脳の情報を処理する場所がいっぱいになってしまいます。

2.整理
スマホから膨大な情報が脳に入り続ける事で、整理整頓が間に合わず、脳がまるでごみ屋敷のようになってしまいます。

3.出力
結果、情報を取り出せず、漢字や人の名前を忘れる「もの忘れ」や、言葉が出ずに「会話ができない」といった症状が現れます。

あなたはいくつ当てはまる?「脳過労セルフチェック」

<脳過労セルフチェック>
1.よく眠れない事が多い
2.ここ数年もの忘れが増えた
3.よくイライラする
4.やる気・興味がわかなくなった
5.仕事・家事の段取りが悪くなった

3つ以上当てはまる方は、脳過労の可能性があります。

脳過労を回復させる方法

・ぼんやりする
ぼんやりする事で脳の情報が整理され、脳過労が回復します。「ぼっーとする」時間を作って、脳がごみ屋敷になるのを防ぎましょう。

・単調なリズム運動
皿洗いや、部屋の中での足踏みなど、単調なリズム運動を行いましょう。神経伝達物質「セロトニン」が放出され、脳の疲れを回復してくれます。

「脳過労」を引き起こすスマホの使い方

・目的もなくスマホを使用する
目的を持って使用するのは問題ありませんが、暇だからといって目的もなくスマホを使用するのは、ぼんやりする時間をデジタル機器によって奪われてしまい、脳過労を生み出します。

・ながらスマホ
お風呂に入りながら、歩きながらなどの「ながらスマホ」。2つの異なる行動を同時に行うマルチタスクは、脳にストレスを与えます。特に、テレビやPCとスマホを同時に使うと、情報量が大幅に増えるため脳へのストレスが大きく、神経細胞にダメージを与える事もあります。(※認知症予防を目的とした脳を刺激するマルチタスクトレーニングもあります。専門家の指導のもと行ってください)

今や私たちの生活に欠かせないスマホ。その便利さに頼り切るのではなく、使うシーンを考えて、上手に付き合っていきましょう。

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