「なんとか手を出せ!」中村紀洋コーチの打撃意識改革

「なんとか手を出せ!」中村紀洋コーチの打撃意識改革

「とある妄想しがちなファンのドラゴンズ見聞録」
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)を見たコラム

新型コロナウイルス感染の影響で、主力選手を大きく欠きながらも何とか五分で戦い抜いた今週のドラゴンズ。複数ポジションを守れる選手が増えていることなどから、打撃の相性や調子によってうまくバックアップができていることもその要因ではないだろうか。そこでテーマになるのが打撃力。今週のサンドラはチームの打撃力を強力に後押しする中村紀洋コーチの特集。それでは振り返ります。

中村紀洋コーチの意識改革

立浪監督から打撃力の向上を託された中村紀洋打撃コーチ、打撃力が常々課題とされているドラゴンズのコーチを任された今の心境は。

「いやぁ、もう毎日胃が痛いです。」

ホームラン王、2度の打点王に輝いた栄光を持つ中村紀洋コーチの意識改革とは。

「得点圏は重視して、”なんとか手を出せ”と言っているんですけど、自分の考えと違う球がきたときに消極的になる選手が多い。結果を考えずに、ストライクゾーンにきたらなんとか手を出せと。やっぱり積極的に行かないと、手も出ないし良い結果も出ない。」

「サンデードラゴンズ」より

攻撃陣が積極性を意識した結果、チーム打撃成績が昨シーズンの同時期と比べ軒並み上回っている。

「ピッチャーが打てると、上位打線に回ってくるので大きい。」

沖縄キャンプでは、投手陣に異例の本格的なバッティング指導を行い、その結果、昨シーズンと比較して打率、打点ともに向上している。

「見ていないところで、ピッチャーの方は打撃練習していたと聞いたので、それが今試合に結果として出ていると思う。」

そんな打線の中で、一番の課題は得点圏打率で1割台の成績のビシエドの不調について。自身の現役時代と重ねてこう分析する。

「サンデードラゴンズ」より中村紀洋コーチ©CBCテレビ

「4番が打たないと負けると思って、ずっと僕もやっていた。やっぱり4番が打たないとチームの柱なので厳しい。打たなければいけないという思いが強すぎるところがあるんで、身体が前に突っ込んでしまう。自分の本来のスイングができてないので。4番はキツいですよね。僕も何度か経験していますけど、4番が打たないと負けると思ってずっとやっていたので厳しい精神状態で、今ビシエドもそうだと思う。1本出れば変わると思う。その1本が早く出るように期待している。」

そんな中村紀洋コーチが挙げる打線のキーマンは?

「岡林勇希、石川昂弥、鵜飼航丞。その3人が強化選手でもあるので、なんとか(チームを)引っ張っていってもらいたいなと。」

キーマン3人の課題は?

「サンデードラゴンズ」より岡林勇希選手、石川昂弥選手、鵜飼航丞選手©CBCテレビ

岡林について
「もっともっと頭を使って、足が速くて左打者なので転がして内野安打を狙うことも考えながら、粘って投手に嫌がられる選手になってほしい。」

鵜飼について
「(投手の)球のキレとスピードがアマチュア時代と違う、初めて対戦する投手が多いので、いろんなデータを自分に照らし合わせて試行錯誤している。必死にやっている姿を目にするのでこれからどんどんやってくれると思う。」

今シーズンから中村コーチと同じ「暴れん坊将軍のテーマ」を使っている石川昂は、
「(登場曲が)懐かしいなと思いながら盛り上がってくれればいいかなと。課題は全部です。守備も打撃も。彼なりに必死になって頑張っていると思うんですけど、甘い球を捉えきれていないのでミスショットが多い。それがなくなれば、すごい選手になる。」

石川の打撃に対しては立浪監督も「ストレートを待ってストレートを仕留められないというのが、なかなか克服できていない。」と同じ課題に対して改善を促している。

根尾について
「身体能力は一番高いと思う。あとはどれだけ実践で結果を残してアピールしてくれるかどうか。どんどん課題をクリアしていけばいい選手になると思う。」

「まだまだ若いチームなので試合になると力んで手が出ないことも多い。今5月なんで夏場くらいにどんどん手が出てくればいいなと思っています。」

N's methodでお馴染みの打撃指導は、やはりポジティブに打撃を捉えながら、選手個々人の特性を生かした指導となっていることを感じた。アマチュア野球の指導経験もあってか、その口ぶりの優しさから選手たちも安心して指導を委ねられるのかなと、その信頼関係も垣間見えた気がしました。

甲子園でプロ初登板!投手根尾はあり?なし?

「サンデードラゴンズ」より根尾昂選手©CBCテレビ

打撃でも若手注目選手として一目置かれている根尾選手。そんな根尾選手が先日、ファームのタイガース戦、甲子園球場の試合で投手として登板したのだ。

初球は148キロを計測し空振りを奪う。この日の最速は150キロをマーク。しかし3連打を浴び失点し降板した。成績は球数20球を投げて、奪三振1、失点1だった。これに対してファンの中でも賛否両論が飛び交っていたが、今回、投手根尾は『あり』か『なし』かレジェンドたちの評価で分析した。

岩瀬仁紀さん:あり
「ショートのスローイングとピッチャーの投球は全く違い、身体に負担がかかるので怪我につながらなければいい。僕自身根尾のピッチャーはありだと思うが、やるなら専念してほしい。」

川上憲伸さん:あり
「高校時代とは違い、プロでは配球を研究する。登板機会を増やしていけば配球を読めるようになり”バッター根尾”に生かせる。」

吉見一起さん:あり
「一軍では二桁勝利や完封は難しいかもしれないが、リリーフとして1イニングを投げ切って0点は十分あり得るんじゃないか。」

清原和博さん:あり
「甲子園で投げさせたことで気持ちが奮い立つような感じになったんじゃないかな。やっぱり150キロを投げられるのはすごい。」

岩瀬さんは投手根尾を「あり」としつつも、打者としての根尾の魅力を大事にしたいということと、どっちつかずになってしまうことを危惧していた。岩瀬さんも学生時代は打撃部門・通算個人安打数で愛知大学リーグ歴代2位の成績を残し、バッティングが良かった中で、ピッチャーの道を選んだ。そう言った経験からも中途半端になってしまう可能性を、よりシビアに見ているのだろう。他のレジェンドがコメントするように、経験としては本人次第で他の人にはないアドバンテージにもなるだろう。根尾の登板後の溌剌としたコメントからはそう言った期待もうかがえた。心配を振り払うような活躍を根尾には見せてほしい。

澤村桃

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