ここだけは見逃せない!ドラゴンズ沖縄キャンプ後半へ3つの注目ポイント

ここだけは見逃せない!ドラゴンズ沖縄キャンプ後半へ3つの注目ポイント

「野球はエースそして4番」昔から伝えられてきたこの言葉を、中日ドラゴンズの沖縄キャンプが折り返し点を過ぎた今、あらためて噛みしめる。優勝するチームはこの2つがきちんと機能している場合が過去圧倒的に多い。

ドラゴンズ優勝時の「エースと4番」

ドラゴンズでも“昭和最後の優勝”となった1988年(昭和63年)には先発に小野和幸、抑えに郭源治がいて、4番には落合博満が座った。
1999年のリーグ優勝には先発に野口茂樹、4番にはレオ・ゴメス。
そして落合監督が指揮を取った2004年から8年間のいわゆる“黄金期”は、先発に川上憲伸や吉見一起、中継ぎに浅尾拓也、抑えに岩瀬仁紀、そして4番にはタイロン・ウッズやトニ・ブランコがいた。こうした投打の図式がチームの戦いに軸を作り安定感をもたらした。
スーパールーキー根尾昂選手の人気に席巻された沖縄キャンプ前半だが、いよいよ後半は、対外試合が連日のように組まれて、シーズンに向けて緊張感が高まってくる。オープン戦も始まる。今季のドラゴンズ沖縄キャンプ後半戦のポイントを3点挙げてみた。

(1)投手王国復活への「エース」は誰?

ドラゴンズの4番にはダヤン・ビシエド選手がいる。昨シーズン首位打者と最多安打のタイトルを取り、4年目を迎える今季も日本プロ野球にも慣れて、計算できる強打者となった。“打”の軸はできた。
しかし、一方の“投”においてエースはいない。2016年、2017年と2シーズン続けて2ケタ勝利の投手が不在だった中、2018年はオネルキ・ガルシア投手が13勝を挙げた。しかし契約が折り合わずに退団し阪神タイガースへ移籍。ドラゴンズには3連連続で2ケタ投手不在という現実だけが残った。
今シーズン、先発投手陣の軸となるのは誰か?
復活からさらなる活躍が期待された松坂大輔投手が出遅れる中、実績組では大野雄大投手、若手では笠原祥太郎投手と柳裕也投手に期待が集まる。先発陣の整備ももちろんだが、昨季は救援防御率4.93とリーグ最下位だった中継ぎ、抑えの整備も大きな課題である。キャンプ後半に「投手王国」復活への青写真を見せてほしい。

(2)根尾選手の1軍合流はあるのか?

CBCテレビ:画像『イッポウ』沖縄キャンプより根尾選手

右足ふくらはぎ肉離れによって、当初予定されていた1軍スタートから2軍でのキャンプインとなった根尾昂選手。連日かつてない数のファンに見守られ全国的な注目を集める中、このキャンプでの1軍合流はあるのか?「是非」いや「時期尚早」キャンプ地を視察した野球評論家の意見も真っ二つに分かれる中、統一した見解は「無理をさせないように」であろう。その思いはファンにとっても同じ。しかし日一日とその報を待つのは竜党だけではない。多くのプロ野球ファンの楽しみであろう。注目は続く。

(3)公約「驚かせるチーム」の担い手は?

与田剛新監督は2018年の就任会見でこう語った。「驚かせるチームにしたい」と。
6年連続Bクラスのチームにとって、この「驚かせる」ことは大きな意味を持つ。相手チームだけでなく、ドラゴンズファンに対するアピールとしても重要だ。それは新戦力の台頭そして大胆な起用をも意味する。
根尾選手の開幕1軍スタメンがかなうならば、それは大きな「驚かせる」ことになるが、それ以外にも新たな希望の芽は必要だ。キャンプ地からは特に打者の現有戦力が元気だというニュースが届く。しかし、現状の底上げだけではチームの急上昇はむずかしい。それは与田監督自身が最も分かっているであろう。
投手?捕手?野手?昨シーズンまでは目立っていなかった選手の中から、彗星のように名乗りを挙げる選手が何人出るのか?「驚かせるチーム」の根幹はそこに行き着く。その兆しを是非キャンプ後半で見たい。

春の日は短い。球春もあっという間に過ぎていき、3月29日の開幕の日を迎える。この日の夕刻、横浜スタジアムの開幕スタメンはどんな顔ぶれなのか、1軍ベンチに控えるのはどんな顔ぶれなのか。その姿が次第に現れてくるのがこれからのキャンプ後半の楽しみとなる。

【CBCテレビ論説室長・北辻利寿】
※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。

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