昨今、少子高齢化で中小企業・小規模事業者の後継者難が大きな経営課題の一つとなっています。「人生100年時代」の今だからこそ、元気なうちに資産の管理やスムーズな承継について考えていく必要性が高まっているのです。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。11月12日の放送では、「東海地区で事務用品など文具の小売りをしていた会社のM&A」について北野誠と松岡亜矢子が三井住友トラストグループ株式会社経営承継支援はじめ部長藤原秀人さんに伺いました。町の文具屋さんのM&A事例今回は、東海地区で事務用品など文具の小売りをしていた会社さんの事例について。北野「どんな会社さんだったんですか?」藤原「売り手企業さんは年商はおよそ1億円、従業員さんは3名、文具やコピー機といった事務用品を主に扱っていました」かつては町の文具屋さんは全国にたくさんありましたが、100均や大手雑貨店の普及・ペーパーレス化やパソコンの普及により、駅前や商店街に文具店の姿をあまり見なくなってきています。また、企業向けの通販業界の再編も進んでおり、企業向けを柱に経営をしていた町の文具店も年々、数が少なくなってきています。藤原「社長さんが創業者で、30代の頃から独立して経営をされてきましたが、業界の流れには逆らえず、売上や規模は年々減少。自身が70歳になったことを機にに引退を決意されました」今までにお世話になったお客様を守りたいという思いから、M&Aという方法を決めたのです。3か月程度で見つかる買い手企業売り手企業の社長さんには、跡取りとなるお子さんもいました。しかし、今後も厳しい業界であることを感じていたため「継がせよう」という思いにはならなかったようです。北野「なるほど。文具業界のM&Aって、どうなんですか?」藤原「この業界は、各分野、、、例えば『文具ならココ』『コピー機ならココで』と有力な買い手企業がそれぞれ存在しているため、買い手企業の探索には、あまり時間がかからないのが特徴の1つです」通常のM&Aであれば買い手を探し、条件の擦り合わせなどで1年くらいの期間がかかりますが、この業界のM&Aは、3か月前後で成約まで話が進むそうです。業界特有の相場などがスムーズに進んだ鍵にでは、今回の事例のM&Aもスムーズに話が進んだのでしょうか?藤原「はい。今回も3社とうい特定の買い手企業さんに話を持ち込み、ご相談いただいてから3か月という期間で成約に至りました」また、M&Aの価格についても業界相場のようなものが存在しているため、話がまとまりやすいのも特徴の1つです。売り手企業の社長さんも、会社の売却資金で老後のライフプランを立て、資産運用をしたり、今までできなかった旅行に行ったりと、セカンドライフを非常に楽しんでいます。今回のように、企業の事業内容や業界によっては厳しい事業環境だったり、赤字を抱えていたとしても、案外話がスムーズにまとまることもあるという好事例となりました。今の時代、シニアはとても元気な方も珍しくありません。まだまだ自分は元気だし、「事業継承なんてまだいいや」と思っている経営者も多いとかもしれませんが、何かあってからでは手遅れになってしまいます。最悪の場合は会社の倒産・廃業という恐れもあります。残された従業員や家族が大変な思いをすることも考えられます。元気なうちに、早めに着手をすることが大事です。心当たりのある方は、ぜひ一度連絡して欲しいと北野が呼びかけました。(葉月智世)