森永卓郎が力説!資産がある日本が税金を上げるのはおかしい
日本における2021年度の租税負担は28.7%、社会保障費負担は19.3%で、合わせるとなんと50%近くにまで増えています。その上政府は今後も増税しようとしています。6月17日放送『北野誠のズバリサタデー』では、『増税地獄 増負担時代を生き抜く経済学』(角川新書)の著者で、経済アナリストの森永卓郎さんが、なぜ国民が高い税金や社会保険料を負担する状況となっているのかを解説しました。
増税路線に走る政権ばかり
岸田首相は当初、天下り根絶など無駄を省くことをうたっていましたが、いつの間にかその話は消え、増税路線へと舵を切りました。
森永さんはこの変節に財務省が関わっているといいます。
これはかつての民主党政権だった野田政権、菅政権、鳩山政権も同じで、唯一、安倍政権だけは影響は受けなかったといいます。
この話は森永さんの著書『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』(フォレスト出版)でも詳細に触れられていますが、財務省は増税路線を絶対視しているといいます。
ガソリン代の補助はすでに打ち切り、電気代の補助も9月で打ち切り予定と、国民の暮らしが苦しくなっていくのはわかっているのに、打ち切っているのは財務省の方針だと語ります。
日本の高福祉高負担はホント?
財務省が増税路線を推し進めるのは、国の借金が増えないようにという考えがあるのかもしれませんが、これについても森永さんは反論。
森永「実は2020年度末で実質的な借金って、日本は8兆円しかなかったんですよ。
岸田首相が緊縮財政に走って日銀も国債をたくさん買ったんで、いま政府は貯金を持ってるんですよ。
つまり世界で一番財政が健全なのは日本だし、たぶん再来年度は大幅な黒字になるんですね。
にもかかわらず、増税は止めないっていうのが今の方針なんです」
また、国民の負担が大きい代わりに、日本は社会保障が充実しているという意見もありますが、これにも反論する森永さん。
森永「例えばヨーロッパの方が国民負担率がやや高いんですけど、公立大学は無料だったり、年金の給付率も日本よりもはるかに高いんですよ。日本は取るだけ取って出さない重税国家になっちゃってるんです」
消費税100%まで上がる!?
少子化対策のために、政府ではいろいろな負担増が計画されていますが、北野は昔から消費税率を下げて国民の手取りが上がれば余計なことをしなくて済むのではないかと考えています。
森永「それは(財務省の)教義に反する。このままだったら(消費税率が)100%まで行くぞと言ってたんですけど、たぶん100%でも止まらないんですよ。家屋敷を売って車も売って全部納めろっていうふうに最後はなる」
江戸時代の農民は「四公六民」や「五公五民」といわれていましたが、今やそれに匹敵する状況。
しかも、資産家だけが影響を受けやすいと思っていた相続税も、今や一般庶民にも広く影響がある上に、今度は退職金にも大きな税金をかけようとしています。
その名目は「年配者から若者世代へのお金の移転」と言われていますが、森永さんは「単に(税金を)取りたいだけ」とバッサリ。
いまだに天下りで無駄遣い
日本は1,000兆円を超える借金があり、ギリシア並みの破綻寸前国家だといわれることがありますが、一方で1,100兆円もの資産も持っていると森永さんは解きます。
森永「これは比べる国がないぐらい、ぶっちぎりの世界トップなんですよ。
その先に全部天下り先があるんですが、『わたり』といっていろんな天下りに行って、多額の退職金をもらうシステムになってるんです。
何やってるかわからないんですけど、もれなく個室と秘書と専用車と、交際費と海外旅行の豪華5点セット付きなんですよ」
一方でキャリア官僚になりたい若者は減っているのに、まだこのような無駄なシステムが生き続けているようです。天下りに関しては、かつて厳しいルールができたはずです。これは機能していないのでしょうか?
森永「天下りのあっせんは禁止したんですけれども、先方から来てねと言われる場合はフリーパスなんですよ」
今後、暮らしはどうなる?
税金が重くなる一方で、現在は「バブル崩壊後最高値」を連日更新している株高で経済的には良いイメージにはなっていますが、今後はどうなりそうでしょうか。
森永「1年ぐらい先のどこかでドーンとバブルが崩壊しますから、そこで『貯蓄から投資へ』(という岸田政権が掲げたスローガン)といって騙された庶民は、貯蓄まで奪われるっていう形になると思います」
税金や社会保険料を払いたくなくなる話が続きましたが、この状況を改善するにはどうしたら良いのでしょうか。
森永「江戸時代に五公五民になった時、逃散といって家屋敷を捨てて田舎に逃げ出したんですね。
私も東京を捨てて、いま畑で野菜を作って、太陽光パネルで電気を起こして、自給自足をすると消費税を取られないんで」
先回りして防衛策を取っていると語る森永さんでした。
(岡本)