あの狂騒から5年半。新型コロナウイルス対応を改めて振り返る

新型コロナウイルスによるコロナ禍の始まりから、5年半が経過しました。最近はマスクやワクチンの話題もとんと聞かなくなっています。9月20日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがコロナ禍の対応について振り返ります。改めてコロナ禍とはいったい何だったのでしょうか?打ち出された数々の対応は妥当だったのでしょうか?
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く生活の幅を狭めた緊急事態宣言
2020年1月に新型コロナウイルスによる感染が確認された当時を振り返る大石。
大石「ほぼ6年になるんですね」
当時の混乱を振り返ると、「未だに疑問が残っている」と大石。
コロナ禍の始まりは、2019年末に中国・武漢で原因不明のウイルス性肺炎が発生したことでした。
ニュースを見た当初、大石も「中国独自のものかな。昔、SARSやMARSがあったけど、世界まで拡大しないんじゃないか」と甘く見ていたと振り返ります。
翌2020年1月にWHOが新型コロナウイルスを確認し、国内でも初の感染者が確認されました。
どのようなルートでウイルスが入り、感染者はどのような生活をしていたか、などが事細かに報じられました。
ただ、その報道姿勢には疑問を呈する大石。
春になって感染の拡大が始まると、一斉休校や緊急事態宣言により、私たちの生活の幅はどんどん狭くなっていきました。
大打撃を受け、飲食店は廃業に
さまざまな業態が影響を被りましたが、とりわけ飲食店の休業が相次ぎました。
政府から無利子で借金したものの、返済が出来ず廃業した飲食店をたくさん見てきた大石。
大石「飲食店、狙い撃ちでしたよね」
また、休業補償が経営のモチベーションを下げた事例もありました。国民生活を大規模に制限した当時の政策の是非が改めて問われます。
大石「(緊急事態宣言に)効果はあったのか?その検証を未だにしていない」
また、マスク着用やアクリル板の設置などの感染予防対策が打ち出されました。
ただし、後に飛沫感染ではなく、空気感染であることが判明しました。
仮にウイルス濃度が高ければ、アクリル板を乗り越えるため設置の意味はなく、また接触感染ではないとすると、手指消毒さえその効果は疑わしいといいます。
むしろ空気感染だからこそ、「換気が大事」との周知をもっと徹底すべきだったのではないか、と指摘します。
大石「何が正しくて、何が正しくなかったのか」
人々の意識を変えるもの
人類の歴史上、周期的に出現してきた未知のウイルス。
よってパンデミックはいつかまた必ず起こるとされています。
今回の反省を踏まえ、そのときにどのような対応を取ればよいのでしょうか?
5類に移行した2023年の末の出来事を思い出す大石。
訪れたクラシックのコンサート舞台の上では、300人のノーマスクの歌手が勢揃いし、ノーマスクの観客の前で一斉にベートーベンの「第九」を歌っていました。
その光景を観ていて、ある疑問が生じたという大石。
それは、ウイルスが存在する環境そのものは変わっていないはずなのに、人々の意識が以前と180度変わったこと。
似たような光景を観て、同じように不思議に感じた人は少なくないことでしょう。
ウイルスは肉眼では見えないだけに、状況変化の想像がつきにくいことは確かです。
文明がこれほど進んでも、未知の変化に対して、社会が脆弱であることをさまざまな面で私たちに見せつけた新型コロナウイルス。
そのような状況におかれてもなお自分の意見を持つ大切さを訴える大石でした。
(nachtm)
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