【防災特集】ハザードマップで要確認!自宅はどんな災害に遭いやすいのか?

9月1日は防災の日。今から100年以上前の1923年(大正12年)のこの日、関東大震災が発生したことから防災対策などを今一度見つめ直す機会として制定されました。そこで、この日に放送された『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、NPO法人レスキューストックヤード代表理事の栗田暢之さんが、災害現場での実体験を交えながら、能登半島地震の現状や、大地震や多発する豪雨への備えについて解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と大橋麻美子です。
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昨年元日に発生した能登半島地震。復興は進んでいるものの、石川県では建物を解体、撤去する公費解体の申請を受けたもののうち、まだ3割が手付かずの状態とのこと。
避難生活による心身への負荷などが原因で亡くなる「災害関連死」は、6月20日時点で石川県が327人と、直接死の288人より多く、まだ死亡者数は増えるとも想定されています。
一方、線状降水帯や台風などの豪雨被害は全国各地で見られ、例えば昨年の全国での土砂災害は1,433件。人的被害は死者・行方不明者が58名、負傷者が11名となっています。
今も2週間に1度は能登半島で活動する栗田さんに、現状を尋ねました。
地震発生直後の生きるだけで精一杯という状況からは変わったものの、まだ多くの方が狭くて壁が薄く暑い仮設住宅で生活しているとのこと。
これから本格的な家の再建をどうするかという悩みは抱えたままです。
道路はいまだにガタガタで、片側1車線というところも少なくないのだそう。工事が追いつかないことや、冬は気候が厳しく工事が進まない、この間に起こった豪雨の影響などから、完全な復旧にはまだまだ時間がかかりそうです。
南海トラフ地震の恐るべき規模
私たちが日本に住んでいる以上、地震は決して他人事ではありません。
特に広範囲に渡る甚大な被害が想定されるのが南海トラフ巨大地震。
東は神奈川から太平洋を通って四国、そして九州の宮崎にまで被害が及ぶと言われており、その範囲には6千万もの人が住んでいます。
能登半島地震でも「食べる、出す、寝る」という人間の最低限の条件を脅かしていたほどでしたので、南海トラフ地震が起きるとどれぐらいひどい状況になるのか、想像がつきません。
住んでいる場所に合った備えが必要
普段からどのような備えをしておくべきなのでしょうか?
栗田さんがまず挙げたのは、ハザードマップを確認して自分たちはどのような被害を受けるのかイメージしておくこと。
都市部を襲った阪神・淡路大震災では、倒壊した家や家具の下敷きになるなどの理由で8割以上の方が命を落としています。家の補強はもちろん、強い揺れで倒れるものはないか、といったチェックは欠かせません。
また海岸沿いであれば、津波から逃げられそうな高い避難場所をチェックしておくなど、備えは住んでいる環境によってまったく異なります。
自分の住む場所でどのような被害が起こる可能性があるのか、しっかり把握しておく必要があります。
自分の家は大丈夫?
一方、2016年に発生した熊本地震では、直接死の4倍以上となる災害関連死が社会問題となりました。
避難生活においては、最低限の暮らしも保証されない可能性も考えておく必要があります。
「どうやって当面生き延びるのか、そのために準備をしておくことが非常に重要」と栗田さん。
阪神・淡路大震災で倒壊が目立った建造物は、1981年(昭和56年)の建築基準法改正の前に建てられたもので、能登半島地震でも多くの古い家屋が壊れてしまいました。
特に木造家屋の場合、揺れで1階が潰れてしまう可能性が高いため、普段から2階で寝るのが安全という声も多くあります。
ハザードマップを再度チェック!
災害は地震ばかりではありません。最近は線状降水帯などによる大きな水害も各地で増加しています。
東海地方の都市部では、2000年(平成12年)に東海豪雨水害が発生、8万棟が避難する都市部での大水害となりました。
が、それから四半世紀経ってしまい、若い世代はもちろん、当時被災した人も当時のことをすっかり忘れているかもしれません。
「都心では起きないだろう」「この辺りは何十年も災害が発生していないから大丈夫」と過信することは厳禁です。
栗田さん「行政がレベル4やレベル3とかいろんな情報を出してくれますので、それに従ってしっかりと避難行動を自ら取るということが、確実に命を守る方法ですね」
自治体が更新しているハザードマップには、どの場所で水害や土砂災害が起きる可能性があるかという情報の他、避難場所も記載されています。
栗田さん「ハザードマップはネットでも見れるし、ペーパーでも見れるし、いろんな手段がありますので、防災の日ですからそれぐらいは確認しておくというのが重要ですね」
(岡本)
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