イーロン・マスク氏が新党を結成!来年の中間選挙に影響も?

7月5日、アメリカの実業家イーロン・マスク氏がSNSのXで新しい政党を立ち上げることを発表しました。マスク氏といえば、かつてドナルド・トランプ大統領と蜜月関係にありましたが、最近は確執が取り沙汰されていました。二大政党制のアメリカで、果たして新党は成功するのでしょうか?9日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、マスク氏の新党について解説しました。聞き手は永岡歩アナウンサーと三浦優奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くアメリカに第3の政党があった
今回の報道で、アメリカには民主党と共和党の他に政党があることを初めて知った方も多いのではないでしょうか?
実は第3の政党は今までもあったのですが、どうしても選挙制度が二大政党に有利なため、あまり知られていません。
新党の設立を表明したマスク氏は実業家で、EVや宇宙開発の他、ソーシャルメディアXで知られており、今回の表明もその自社のメディアを通じておこなわれました。
前回の大統領選挙ではトランプ氏に莫大な資金を提供した見返りなのか、特別政府職員という肩書きで政府効率化省のトップになりました。
しかし、わずか130日でそのポストを退くことに。
トランプ政権の大型減税策に対し、財政破綻につながるからと反対して仲違いとなりました。
人数は少なくても影響力は大きい?
マスク氏が率いるのは、仮称ですがズバリ「アメリカ党」。
以前から「新党を作るのは賛成ですか?反対ですか?」というアンケートをまさにXで行なっていました。
その結果、60%台の人が賛成したためか、今回の新党結成となった模様。
アメリカでは来年が中間選挙で、上院議員の3分の1、下院議員は全員入れ替えとなりますが、その際にアメリカ党から候補者を立てる予定です。
現在、トランプ大統領の共和党が与党ですが、共和党と民主党が拮抗している状況。
石塚「マスク氏の考えとしては、たとえ少しでも議席を獲ればキャスティング・ボートを握れるという思惑があって、新党を作るっていうことを言い出してるんですね」
人数が少なくても、味方につけると多数決で勝つことになるため、影響力が大きくなるかもしれません。
本人は大統領にはなれないが…
二大政党制で第3の政党が政権を獲る、ましてや大統領になるということはありませんが、過去の大統領選挙で影響を与えたことは何度かあります。
前回の選挙の際はジョン・F・ケネディ元大統領のおいが無所属で立候補しようとして話題になりました。この時、自分の票が減ることを恐れたトランプ大統領が引きずり込み、立候補が取り止めとなった後、保健福祉省の長官となりました。
1992年(平成4年)の大統領選挙では、実業家のロス・ペロー氏が無所属で立候補したことで保守票が割れ、結果的に民主党のビル・クリントン元大統領の勝利に影響を与えたという見方もあります。
2000年(平成12年)には、環境問題に取り組み消費者運動にも携わる弁護士のラルフ・ネーダー氏が緑の党という政党から立候補し、有利といわれたアル・ゴア副大統領の票が削れたこともありました。
マスク氏は南アフリカ出身のため、原則として自身が大統領選挙には出られませんが、影響を与えられる可能性はあります。
石塚は最後に「台風の目になってアメリカにとって良いことになるのか、トランプさんにつぶされるのか、あるいは結果として民主党が勝っちゃったと塩を送ることになるのか、注目ですね」とまとめました。
(岡本)
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