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ぽっこりお腹は食べ過ぎが原因じゃなかった!

ぽっこりお腹は食べ過ぎが原因じゃなかった!

朝日新聞によれば、名古屋文理大学の研究論文がイギリスの科学雑誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載されました。その内容は、ラットを使った実験から、中年男性に多いぽっこりお腹は「朝食抜きと不活動が原因かもしれない」というもの。これまでお腹に溜まる脂肪の「内臓脂肪型肥満」は、脂の摂り過ぎや食べ過ぎが原因と考えられてきましたが、実験動物に高脂肪の食事を与えても増えるのは身体全体の脂肪であって、お腹に溜まる原因は不明でした。『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が内臓脂肪型肥満について解説しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。

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内臓脂肪は病気のデパート

内臓脂肪型肥満というのは文字どおり、心臓や腎臓など内臓の周りに脂肪がつくことですが、圧倒的に多いのが腸の周りだそうです。

腸で吸収した脂肪分は「門脈」という専門の血管を通り、肝臓に送られて利用されます。
その間に脂肪を溜めておくのが「人体にとって最も楽だから」と説明する吉田先生。

内臓脂肪が増えると、どのような問題があるのでしょうか?

吉田「これは大変大きいんですよね。皮下脂肪については健康への悪影響はそれほどない、むしろある程度あったほうが血糖値が上がりにくいという、健康への良い影響もあるんですね。

一方、内臓脂肪はまず炎症性サイトカインという物質を出して血糖値を上げるので、糖尿病の原因になっちゃうし。
また、超低密度リポタンパクと言いまして、悪玉コレステロールよりもっと悪い超悪玉コレステロールを増やして、動脈硬化が進むから心筋梗塞になるし。
その他高血圧、肝炎、肝硬変、認知症、大腸がん、乳がん、すい臓がん。内臓脂肪は病気のデパートといってもいいですよね」

内臓脂肪の原因と考えられていたもの

内臓脂肪が多くなる原因として、これまでは脂肪分の多い食事や運動不足、体内で脂肪に変わるため炭水化物の摂取、そして男性ホルモンであるテストステロンが中高年になって減ることなどが考えられていました。

また女性も更年期を過ぎると女性ホルモンのエストロゲンが減ること、ストレスホルモンのコルチゾールや、アルコールを代謝する時の副産物で内臓脂肪が増えるという説がありました。

それが今回発表された実験では、朝食を与えなかった場合と運動をしなかった場合が組み合わされると、内臓脂肪の蓄積が促進され、さらに脂肪肝も進行することがわかったとのこと。

ラットも人間も脂肪の代謝にあまり大きな差はないため、人間でも同じことが起きている可能性が高いとのことです。

朝食を取る必要性

なぜ朝食を摂らないことが、脂肪の溜まることと関係するのでしょうか?

吉田「今回の実験では関連する遺伝子がどのように発現しているかについても調べられていまして、内臓脂肪が溜まる原因は、朝食を抜くと体内時計が撹乱されてしまって、『朝が来たから脂肪をしっかり燃やして元気に活動しよう!』という切り替えができない。

半分寝ているような状態でエネルギーを十分に使わずに、内臓脂肪に溜め込んでしまっているということなんですよね」

単に目が覚めただけでは、全身にエネルギーを使うという切り替えにはならないようです。

また、朝食を摂ると胃直腸反射によりお通じにつながり、日光を浴びることで体内時計を調整するという効果もあるといいます。

さらにこどもが朝食を摂らない場合は、成績に影響を与えたりうつ病になりやすいというデータがあるそうです。

朝型、夜型生活という言葉がありますが、人間は基本的には朝にきっちりと起きて朝日を浴びて朝食を取るという生活が大事なようです。
(岡本)
 

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