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若者の被害者増える!警察騙る「電話詐欺マニュアル」の内容とは

若者の被害者増える!警察騙る「電話詐欺マニュアル」の内容とは

電話詐欺といえば高齢者を狙った犯行が多い印象ですが、最近では若い世代の被害が目立っているそうです。それが、警察官を騙る偽電話詐欺の被害。5月1日の『CBCラジオ #プラス!』では、永岡歩アナウンサーと山本衿奈が、中日新聞の記事を基にこの話題を取り上げました。

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若い世代の被害者が8割!?

愛知県警によると、別の人物になりすました偽電話詐欺認知件数が今年3月までで207件発生しています。
昨年の同じ時期より117件増えている現状で、詐欺被害額は3月末時点で170億円を超えたとのこと。

その中で警察官を騙る手口は6割以上で、なんと昨年の10倍に。さらに被害額も10倍以上の7億6000万円だということです。

このような警察を騙る電話詐欺は高齢者を狙った犯行が多い印象でした。
しかし、最近では警察官役が通話アプリ『LINE』でテレビ電話をしながら詐欺を働くなど、若い世代の被害が多くなっています。

今年被害を受けた人の割合では、20~50代が約80%を占めているそうです。

複数人で行なわれる詐欺電話

中日新聞が入手した騙し方のマニュアルによると、警察署員を名乗る人物が、通話相手の電話が「犯罪に関わっている」と疑いをかける場面から詐欺は始まります。

「あなたの携帯電話から投資案内などの大量の迷惑メールが送信されていますよ」

そして「遠隔で事情聴取する国家指定のソフトウェア」と嘘をつき、LINEのビデオ通話に誘導するとのことです。

マニュアルには想定台本も掲載されています。
警察署員役が事情聴取中に突然「こちら本部、これは緊急事件です、応答願います」と警察本部の捜査員役がその会話に割り込みます。

「この人物の口座は、国内外での人身売買やマネーロンダリングに関与し、組織犯罪対策部が調べています。通話相手っていうのは容疑者リストに入っていますから、逃亡しようとしたら直ちに逮捕!」

このようにまくし立て、相手が不安と恐怖で焦っている隙に「逮捕を避ける方法としては、資金を全ての裁判所の交渉役場に提出させることなんです」と指定口座に振り込ませる手順がマニュアルに書かれていたそうです。

騙しのテクニックも掲載

マニュアルには狙う相手のことを「お客様」と書いてあるとか。
また台本以外に様々なテクニックも書かれています。

それは「お客様の話をよく聞いて、途中で話を遮らない」などの会話のテクニック。
また「家族に別の部屋に移動してもらい、お客様がひとりになれるよう扉を閉めてもらう」などのコツが記されていたようです。
 
30代と40代のふたりはこのマニュアルを見て不安に感じました。

永岡「確かに騙されちゃうかもと思った」

山本「しかも、警察手帳とかも画面越しに見せられると『本物かな』みたいな気持ちにはなっちゃうかもですね」

また「自分の親とか、祖父祖母世代だと考えていてたら、自分は騙しに来ないだろうって思っちゃうね」と若い世代は危機感が足りていないことも指摘しました。

マニュアルをグループ間で売買

このマニュアルはグループ内だけでなく、各地の犯罪者間でその効果が評判になっていくことがあるそうです。
犯行グループ間では、よくできたマニュアルが数百万円で売買されることもあるとか。

山本「他のグループにマニュアルを販売しているってことですか?」

永岡「もっと言うと、他のグループに盗まれる例もある」

巧妙化している手口を使う犯罪者が増えてしまっている現状です。

被害に遭わないためには?

では、この詐欺被害に遭わないためにも、電話口でどのように対応すればいいのでしょうか?

山本「このLINEっていうのが、やっぱりちょっとそこで『怪しいな』ってひとつの気づきですよね」

警察を名乗る不審な電話に関する相談が多く寄せられている国民生活センターでは、「警察がLINEに誘導することはない」と呼びかけています。

永岡「『じゃあ、ちょっとこちらから110番させてもらいまして、そこでまた電話繋いでください』とか、『何々署の方ですか?じゃあ何々署の方に、いったんこっちから電話しますね』みたいな」

本物の警察署にかけ直す旨を伝えることがいいのでは、と提案する永岡。

これまで顔を隠して誰かになりすましていた電話での詐欺。
今や警察官になりすましてビデオ通話で姿を見せる真逆の手口が増えてきました。
詐欺だと見抜けるか、その場での冷静な判断が求められます。
(ランチョンマット先輩)
 

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