AI活用で落とし物の返却率が3倍に!京王電鉄の新しい取り組み

『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の日替わりコラムコーナー「3時にズバリ」、木曜日は大川興業の裁判傍聴芸人でニュースウォッチャーの阿曽山大噴火が、気になるニュース解説や裁判傍聴リポートを行なっています。4月10日の放送では最近気になったニュースとして、先頃朝日新聞が伝えた「AI技術を活用したことで、落とし物の返却率が劇的に上がった」という記事を紹介しました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサーです。
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電車内で落とし物をすると、最寄駅の係員へ申告したり遺失物センターへ問い合わせたりする必要がありますが、手間や時間がかかり、結局見つからないということはよくあります。
そのため関東大手私鉄の京王電鉄は、株式会社findが開発した「落とし物クラウドfind」というサービスを導入し、LINEを使って24時間いつでも落とし物の問い合わせができるようにしました。
このサービスの導入により、落とし主に返却される割合が1割から3割にまで増え、月1万6千件ある落とし物のうち、6千件が返されるようになったとのこと。
電話による問い合わせも3割近く減ったことで、業務の効率化にもつながったそうです。
画期的なしくみ
2023年から導入されている落とし物クラウドfind、どのようなサービスなのでしょうか?
落とし主は落とし物の特徴などを打ち込むことで、「それは何色ですか?」、「どれぐらいの大きさですか?」などと人間が対応しているかのようなチャットの形で自動応答するというもの。
画期的なのは拾った側への対応です。
例えば駅員が落とし物を受け取った際、電鉄会社から支給されたスマホで写真を撮り、一括管理しているデータベースに画像を送ることで、画像を解析して特徴を自動的に文字化するという点です。
今までは拾った駅員が「赤いカバン」などと特徴を入力していましたが、落とし主がその色を「ワインレッド」と申告すると見つけられない可能性があります。
画像であれば判別できる上、AIがさまざまな情報から判断することで一致させる確率を上げているといいます。
多くの企業へ利用が広がる
落とし物への対応は電話を受けるための担当者を置いても、問い合わせが多すぎて電話がつながらないとクレームがあったり、駅員さんが特徴を打ち込むのに時間がかかったりすることもあるようで、かなりの労力がかかります。
対応時間が一気に短縮されたことで、人手不足の解消やコスト削減につながりそうです。
阿曽山が調べたところ、このシステムは京王電鉄以外にも京浜急行やJR九州、大阪メトロ、タクシー大手の日本交通など、さまざまな交通関係の企業で採用されています。
さらに別の業界では高島屋やヤマト運輸でも活用しているとのこと。
これまで手間がかかっていたものを、AI技術で効率良く対処する企業が増えているようです。
(岡本)
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