どこまで世界を騒がせるのか?トランプ大統領、就任から1ヶ月

トランプ大統領の就任から1ヶ月。多くの大統領令に署名し、選挙で掲げた政策を次々と実行に移しています。こうした動きは世界や日本にどのような影響を及ぼすのでしょうか?2月22日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが第二次トランプ政権について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く就任後、多くの大統領令に署名
先月20日に就任したアメリカのトランプ大統領。
2期目の政権をスタートさせ、1期目を上回る70ほどの大統領令に署名し、実行に移しています。
バイデン前大統領からの大幅な方針転換に反発する声は少なくありません。
大石「どうして矢継ぎ早にするかというと…前回の反省があるようですね」
前回は間を置いているうちに、政権内で分裂が起きたため、動きを早めているようです。
そうした動きのうち、今回は日本にも影響しそうな3つのトピックを取り上げます。
最初のトピックは、ウクライナとロシアの戦争について。
先日、プーチン大統領との電話会談が行われました。これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は不快感を顕わにしています。
大石「自分抜きで何話し合ってんの?と」
トランプ大統領は4月20日までに停戦を目指す方針で、恒久的な戦争終結を望んでいるようです。
戦争終結のポイントはふたつあると大石。
ひとつめは、ウクライナがNATOに加盟するかどうか。
ウクライナが加盟すると集団的自衛権が発動するため、ロシアと戦争状態に入ってしまうヨーロッパとしては、慎重にならざるを得ません。
ふたつめは、ウクライナとロシアの国境をどのようにするか。
2014年のクリミア併合以前の形に戻すか、それとも現在のようにクリミア半島や東部ドネツク州をロシアに含める形にするか、という大きな問題があります。
武力行使を容認、関税は10倍に
現在のところ、ロシア寄りの姿勢を示しているトランプ大統領。
日本としては、ここでロシアの言い分を受け入れると、「武力行使で領土を奪ってもいい」という主張を暗に認めることになります。
そのような容認はいずれ「ブーメラン」となって自らに帰ってくる、と大石は警告します。
大石「ここはしっかり『それは違うんじゃないですか?』と、トランプ大統領に石破さんが言えるかどうか」
2番目のトピックは、4月頃から導入される関税です。
乗用車の関税2.5%が10倍の25%に跳ね上がります。
大石「価格が上がりますよね。日本車が売れにくくなれば、競争力は下がっていきますから。販売台数も減って、メーカーは追い込まれていきます」
ちなみに2024年のアメリカ向け輸出台数は137万台で、売上は6兆円超でした。
トヨタはカナダとメキシコに工場がありますが、関税は一時延期されています。
交渉の道具に使われるだけの数字かもしれませんが…
大石「もし25%かけられたらどうするのか?今のうちに想定しておかないといけない」
極端な政策が招くさらなる分断
最後のトピックにコロナワクチンを挙げる大石。
トランプ大統領がワクチン接種を義務づけている学校に対し、連邦資金を支払わないとする大統領令に署名したからです。
また、厚生長官に指名されたロバート・ケネディ・ジュニアは明確な科学的根拠を示さず、安全性に疑問を呈したことから「ワクチン懐疑派」と呼ばれていました。
日本におけるコロナワクチン接種はすでに努力義務が外れていますが…
大石「どう日本にフィードバックされてくるのか?」
高い実行力ゆえに、政治家として賛否のあるトランプ大統領。
大石「ただ、彼の政策にはあまりにも極端なことが多い」
さらなる分断を招くのでは、と懸念を示す大石でした。
(nachtm)
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