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PFASの血液検査が衝撃的な結果に!岡山では基準の7.5倍

PFASの血液検査が衝撃的な結果に!岡山では基準の7.5倍

フライパンのコーティング材や、コンピュータの半導体などに使用されている「PFAS」(有機フッ素化合物の総称)が社会問題となっています。1月28日、岡山県吉備中央町はPFASの血液検査の結果を公表しましたが、住民の血中濃度は「アメリカで健康リスクが高まるとされる値」の7.5倍でした。どうしてこのような高い値が出たのでしょうか?2月1日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがPFAS汚染の原因や健康リスクについて解説します。

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「リスクが高まる値」を大きく上回る

岡山県吉備中央町で飲用されていたのは浄水場から給水される水道水です。ところが2023年、この浄水場の水から極めて高い濃度のPFASが検出されたのです。
血液検査はこれまで市民団体が行っていました。

大石「町民の健康や命を守るというのも、町の矜持といいますか。公費でやろう、ということになったんですよね」

PFASについて現在明らかになっているのは、航空自衛隊やアメリカ軍基地周辺で検出されていること。
訓練で使用される泡消火剤の中にPFASが含まれているためです。
他に半導体工場や化学工場の排水にも含まれていますが、「全国どこでもPFASリスクはある」と大石。

使用済み活性炭が保管されていた

それにしても、どうして吉備中央町でこれほど高い値が出たのでしょうか?

大石「調べてみると、ゾッとしますよ」

その原因は、吸着によってPFASを除去する働きのある「活性炭」にありました。

吉備中央町にある活性炭処理業者の資材置き場では、町外の化学工場で使用された「使用済み活性炭」を一時保管していましたが、その期間はなんと15年でした。

大石「一時保管と言っても、野ざらしにしてたわけです。放置していたと言ってもいいです」

日光などで袋が劣化し、穴が空いたことでPFASが地中に染み込んでいったと推察されます。
上流にある資材置き場から下流にある水源ダムに行き、取水源にある水におそらく溶け込んだのでしょう。

それが今回、住民700人の血液検査により、平均で基準値の7.5倍、最も高い方は37倍出たことがで明らかになったわけです。

大石「当事者の方にしてみたら…当然、水道水信じて飲みますよね?ところが、それによって健康被害のリスクが高まっていると知ったら、ショックでたまりませんよね」

半減する期間は2年から8年

仮に地中に溶け込んだとして、汚染がそんなに広がるものなのか?と疑問を呈する大石。

実はPFASはほんの少量でも影響が大きいため、目標値が厳しく定められています。
25メートルのプールに耳かき一杯のPFASを入れるだけで、国の暫定目標値に達してしまうそうです。

大石「耳かき一杯ですよ!プールのPFAS濃度が高まって、国の暫定目標値に達する。それくらい少量でも影響を与えてしまう」

PFASの健康リスクは腎臓での発がん性、甲状性疾患、赤ん坊が生まれたときの低体重、コレステロール値の上昇など多岐にわたります。

自然界では分解されにくく、「永遠の化学物質」と呼ばれるPFASは、体内から排出され半減するまでに2年から8年を要するそうです。

吉備中央町では5年後に再検査を行うとしています。

また東海地方の岐阜県各務原市、愛知県北名古屋市、豊山町、三重県桑名市、四日市市などで、過去に検出された場所があります。
各自治体に数値をチェックすることを勧める大石。
ちなみに、今年度の結果では国の暫定目標値を上回っている自治体はなかったようです。

大石「しかしながら、過去にその水を飲んでいた場合は人体への影響も考えられる」

「今後も注意深く見ていきたい」と締める大石でした。
(nachtm)
 

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