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高齢化社会への光明?訪問医療により救急搬送減少との研究発表

高齢化社会への光明?訪問医療により救急搬送減少との研究発表

地方都市では都市部に比べて医療体制がぜい弱だったり、最新医療がすぐに受けづらかったりするケースが悩みの種です。1月29日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、この問題が解決するかもしれないある研究成果について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。

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在宅診療が緊急搬送を減らした?

その研究成果とは、訪問診療クリニックが地方都市における緊急搬送件数を減少させたというもの。

これは、東北大学大学院歯学研究科の坪谷透非常勤講師と、やまと理事長の田上佑輔さんたちの研究チームが発表したものです。

宮城県登米市で「やまと在宅診療所 登米」が設立された後、救急による緊急搬送の件数が減少傾向に転じたのだそうです。

つボイ「在宅診療というのは、僕らの年代で言うと『往診』ということになりますかね」

小高「そうですね、患者さんが病院に行って診療を受けるのではなくて、医師と看護師が自宅に来てくれて診察を受けられる診療所のことです」

継続的・計画的に診察してもらえることで、自宅で必要な医療を受けることができ、結果的に救急車で緊急搬送されることが減らせたのではないか?と考えられています。

家族や患者本人も負担減

いつもの慣れた自宅の環境で診察を受けられるのは本人もありがたいし、病院へ送迎していた家族なども負担が減り、患者・家族・医師が日常的に会話できることで意思疎通もしやすいのではないかとつボイ。

小高「坪谷先生は『一般社団法人みんなの健康らぼ』を立ち上げて活動されているんです。人生の最終段階をどう過ごしたいかを考えることが大事だと『人生会議』で訴えていらっしゃいます」

坪谷先生は、訪問診療は、患者や家族と医療措置の範囲について事前に話し合うことがしやすくなり、単に緊急搬送を減らすだけでなく、不必要な医療や延命治療を減らして患者の尊厳を保つことができると考えているとのこと。

また「やまと在宅診療所 登米」では、1人の医師が地域で孤軍奮闘するのではなく、新幹線の駅の近くに拠点を作ることや電子カルテの導入・SNSで情報共有。
志のある医師が遠方治療に携わることができる体制づくりを進めています。

「持続可能な医療を守っていくという意味でも大事なこと」とつボイ。

持続可能な医療体制は?

つボイ「これからますます高齢化も進んで、医療体制がひっ迫することがわかっている今、訪問診療やオンライン診療の体制を整えることは重要だと思いますよ」

小高「今回の研究チームのように、いろいろな可能性を探りながら、持続可能な医療体制を模索している医療従事者がいるのは心強いことですね」

医療や介護にあたる人材の不足が避けられない今後、こうした取り組みは多くの地域にとって希望となるものです。

こうした取り組みが広がることで、医療のひっ迫が抑えられれば働く人にとっても、私たちにとってもよりよい環境になるかもしれません。
(葉月智世)
 

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