またもや卵が値上がり?鳥インフルエンザが拡大中
年明け以降、愛知県内で鳥インフルエンザの感染が立て続けに確認され、養鶏場が対応に追われています。拡大している鳥インフルエンザは今後卵の価格にも影響を与えるのでしょうか?1月11日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが鳥インフルエンザと卵の価格への影響について解説します。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く近いところで拡大する感染傾向
1月9日、愛知県常滑市の養鶏場で鶏が死んでいるのが見つかり、検査の結果、高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されました。
県内3例目の発生で、およそ12万9千羽を殺処分する対応となりました。
養鶏場への打撃は避けられず、拡大する鳥インフルエンザは卵の値段にも影響を与えそうです。
大石「発生も早かったし、例年と比べると多い」
昨年10月に国内1例目が確認されて以来、14の道県で24事例が発生しています。
愛知県では年明けから立て続けに3例が確認され、1例目の処分対象は15万羽でした。
大石「周辺の養鶏場に出荷制限をかけるわけですよ。感染をなんとか封じ込めようとするんですね」
さらに2例目の発生による処分対象は12万羽。
大石「これはね、大変です」
近場でポンポン出てしまう傾向は宮城など他県でも見られています。
愛媛県西条市では昨年12月に最初の感染が確認された後、4例目まで確認されています。
大石「近いところで感染が拡大するというのは人間と一緒かもしれない」
卵の価格が高騰した「エッグショック」
採卵鶏の産地として知られる知多半島の常滑市周辺。
愛知県では採卵鶏の農家が113あり、8千万羽を飼育していますが、知多地域は県のほぼ半分を占めています。
大石「戦々恐々としているわけなんですね」
同地域で鳥インフルエンザが発生したのは今回が初めてなのだそう。
卵の価格にも影響を及ぼしかねない鳥インフルエンザ。
大石「皆さん、覚えてます?エッグショック。オムライス屋さんも本当に困ってた」
一昨年、「価格の優等生」である卵の値段が過去最高の1kgあたり360円に高騰する「エッグショック」になりました。
やはり鳥インフルエンザが蔓延したためで、1771万羽が殺処分に。
供給量が減っても需要は一定なので価格は上がります。
大石「国民の皆さんはだいたい1日1個食べる」
障壁となるのは…未解明の感染ルート
その後、昨年1月には1kgあたり180円まで下がっていました。
大石「価格は落ち着いてきてたんですね」
ところが猛暑の影響で鶏が夏バテになり、そのうえ早い段階で鳥インフルエンザが発生。
12月には1kgあたり300円に上昇しました。
大石「その後240円まで下がり、安心してたんですけども…今後の発生状況次第では価格に影響する可能性は十分考えられますね」
今年度の殺処分数は361万羽とまだ少ないながらも、今後の拡大状況によってはさらなる影響があるかもしれません。
大石「殺処分は大変なんです。農家の収入が激減する。鶏は卵産むまで半年かかる。半年間は何もできないというところも」
対策のカギとなるのは感染ルートですが、問題は未解明なこと。
渡り鳥が原因であることは明確なものの、鶏に直接感染しているのか、小動物を介しているのかがはっきりわかっていません。
また、取材した養鶏農家によると、「水」が関わっているのではないかという見方も。
大石「感染ルートが確認できない、というところも鳥インフルエンザがなかなか治まらない理由」
未だ不明点が多い鳥インフルエンザ。
一方で、ヒトに感染するインフルエンザも患者が急増しており、感染が拡大中です。
「インフルエンザにも気をつけてください」と呼びかける大石でした。
(nachtm)